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一章:嘘つきな貴方
純愛気取りのお二人方
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「それじゃあ、準備はいい?」
「大丈夫よ」
エッカルトがフレイアに顔を近づけ、目を合わせる。
キ────ン、という音と共にフレイアの意識が遠くなっていく──。
「マーガレット、僕は君と結ばれたい」
いきなりロベルトの顔がドアップに視界に映ったのでフレイアは仰け反りそうになった。まあ意識だけで体はないので仰反ることはできないのだが。
「私も、おんなじ気持ちよ。でも……」
マーガレットが悲しげにまつ毛を伏せる。まるで悲劇のヒロインのようだ。
「いや、大丈夫だ!僕がどうにかする!!」
いきなり声を張り上げたロベルトにフレイアはドン引きしていた。
(何言ってるの、この人)
公爵家同士の婚約は重いものであり、馬鹿らしい理由でどうこうできる問題ではない。
ドン引きしているフレイアとは対照的にマーガレットの頬が赤く染まった。
「嬉しい。ロベルトがそんなことを言ってくれるなんて」
「ああ、僕がなんとかして見せるよ」
「ロベルト……!」
今一度説明しよう。
これは、不貞を働いている者同士の会話である。
二人の会話は続いていく。
「けれど、フレイア様に申し訳ないわ……」
「フレイアはお飾りの婚約者なんだ。僕はあの人を愛してなんていないよ」
キッパリと断言するロベルトにフレイアの心は砕かれた。
彼女の心の何処かではロベルトが少しでも自分のことを愛しているんじゃないか、という願望があった。
そんなことはなかったけれど。
私が貴方に持っていた愛を全て返して欲しいとは思わない。けれど、それをほんの少しでも返してくれてもいいのではないかと思っていた。これは私の我儘かしら。
フレイアに追い打ちをかけるようにロベルトが続ける。
「彼女は真面目すぎるんだよ。一緒にいていて楽しくない。マーガレットといることが僕の楽しみなんだ」
ロベルトがマーガレットの手をギュッと握った。マーガレットもそれを握り返した。
フレイアは何も感じなかった。最早ここまで来ると呆れが勝ってしまう。
フレイアが呆けていると目の前が反転した。
フレイアの体ににスッと意識が戻る。
そんな彼女を確認して、エッカルトがフレイアの顔を覗き込んだ。
「どうだった?」
「……凄かったわ。色んな意味で」
「だよね」
二人の会話はそこで途切れた。それもそうだろう。二人の純愛劇を書面で見るのと、実際に見るのとではかなりの違いが応じる。
エッカルトはフレイアを慰めるようにこう言った。
「報酬は前提示した半分でいいよ」
「残念ながら、全く慰めになってないわ」
エッカルトは自分の慰めが無駄になったことをひしひしと感じながらも尋ねた。
「でもなんで二人の仲に気づいたんだ?あんなにロベルト様のことを愛していると言っていたのに」
「あれはもう昔の話よ。それより、マーガレット・ロベリア男爵令嬢の素性も調べてくれないかしら」
エッカルトは淡々とした彼女の様子に違和感を覚えながらも、こう思った。
お嬢は堂々としていた方が見ていて気持ちがいいや、と。
「大丈夫よ」
エッカルトがフレイアに顔を近づけ、目を合わせる。
キ────ン、という音と共にフレイアの意識が遠くなっていく──。
「マーガレット、僕は君と結ばれたい」
いきなりロベルトの顔がドアップに視界に映ったのでフレイアは仰け反りそうになった。まあ意識だけで体はないので仰反ることはできないのだが。
「私も、おんなじ気持ちよ。でも……」
マーガレットが悲しげにまつ毛を伏せる。まるで悲劇のヒロインのようだ。
「いや、大丈夫だ!僕がどうにかする!!」
いきなり声を張り上げたロベルトにフレイアはドン引きしていた。
(何言ってるの、この人)
公爵家同士の婚約は重いものであり、馬鹿らしい理由でどうこうできる問題ではない。
ドン引きしているフレイアとは対照的にマーガレットの頬が赤く染まった。
「嬉しい。ロベルトがそんなことを言ってくれるなんて」
「ああ、僕がなんとかして見せるよ」
「ロベルト……!」
今一度説明しよう。
これは、不貞を働いている者同士の会話である。
二人の会話は続いていく。
「けれど、フレイア様に申し訳ないわ……」
「フレイアはお飾りの婚約者なんだ。僕はあの人を愛してなんていないよ」
キッパリと断言するロベルトにフレイアの心は砕かれた。
彼女の心の何処かではロベルトが少しでも自分のことを愛しているんじゃないか、という願望があった。
そんなことはなかったけれど。
私が貴方に持っていた愛を全て返して欲しいとは思わない。けれど、それをほんの少しでも返してくれてもいいのではないかと思っていた。これは私の我儘かしら。
フレイアに追い打ちをかけるようにロベルトが続ける。
「彼女は真面目すぎるんだよ。一緒にいていて楽しくない。マーガレットといることが僕の楽しみなんだ」
ロベルトがマーガレットの手をギュッと握った。マーガレットもそれを握り返した。
フレイアは何も感じなかった。最早ここまで来ると呆れが勝ってしまう。
フレイアが呆けていると目の前が反転した。
フレイアの体ににスッと意識が戻る。
そんな彼女を確認して、エッカルトがフレイアの顔を覗き込んだ。
「どうだった?」
「……凄かったわ。色んな意味で」
「だよね」
二人の会話はそこで途切れた。それもそうだろう。二人の純愛劇を書面で見るのと、実際に見るのとではかなりの違いが応じる。
エッカルトはフレイアを慰めるようにこう言った。
「報酬は前提示した半分でいいよ」
「残念ながら、全く慰めになってないわ」
エッカルトは自分の慰めが無駄になったことをひしひしと感じながらも尋ねた。
「でもなんで二人の仲に気づいたんだ?あんなにロベルト様のことを愛していると言っていたのに」
「あれはもう昔の話よ。それより、マーガレット・ロベリア男爵令嬢の素性も調べてくれないかしら」
エッカルトは淡々とした彼女の様子に違和感を覚えながらも、こう思った。
お嬢は堂々としていた方が見ていて気持ちがいいや、と。
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