嘘つきな貴方を捨てさせていただきます

梨丸

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二章:貴方に報復を

望んでない来訪者

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太陽の光が眩しい、昼下がりのガゼボにて。

国から婚約破棄書が届くのは、三日後。
フレイアの瞳はこれまで見たことのないほど、輝いていた。

「お嬢様、嬉しそうですね」

「……そうかしら」

なんでもないように振る舞っているつもりなのだが、コレットには全てお見通しのようだ。

(逆にこの状況を喜ばない人なんて、いないでしょう)

今巷を騒がせているものナンバーワンはロベルトだろう。貴族の令嬢達はロベルトの醜聞に夢中だし、令息達はロベルトのようにならないよう、必死なのだそうだ。
類い稀ない容姿で国中の貴族達から人気を集めていたロベルトとフレイア。二人が婚約破棄するとなると、皆大騒ぎだ。ロベルトも、もう後には引けない。フレイアとロベルトが婚約を破棄するのは三日後。フレイアは紙が届くのを待つだけである

「一応、婚約破棄することは機密事項にしていたのだけれど、どこから漏れたのかしらね」

「理由はもうお分かりでしょうに……」

フレイアが意味ありげな笑みを浮かべるとコレットが呆れたようにため息を吐き、紅茶を淹れる。

「良い香りね。久しぶりだわ、こんなに心が休まるのは」

フレイアがコレットを手招きし、自分の隣の席を示す。

「しかし……」

狼狽えるコレットにフレイアは微笑みを浮かべる。

「一緒にお茶しましょう。貴方が居てくれて、とても助かったのよ。今日くらい、いいんじゃないかしら」

「か、畏まりました」

ギクシャク、と言った感じで主人の横に座るコレット。

彼女のこんなに緊張した姿、では見たことがなかったわ。

ふふ、と柔らかい笑みを浮かべる彼女を見て、コレットはやっと一息つくことができた。
お嬢様のその笑みが見たかったのだ、と。

「未来に、乾杯」

二人はティーカップを少し浮かせた。
紅茶に光が反射し、きらきらと光った。

このまま楽しい茶会が続く──はずだった。

シュ、と刃がコレットの頬を掠めた。真っ白な頬から血が垂れる。
がちゃん、と音を立ててティーカップが倒れた。

「ッ!」

コレットが主人を庇う様に立ち上がり、胸ポケットからナイフを数本取り出して襲撃に備える。

彼女の視線の先には薔薇を踏み荒らし、下世話な笑みを浮かべる男達が立っていた。

「望んでいない来訪者が来た様ですね」

エーメリー公爵は屋敷を出ている。使用人達もこの来訪者に気づいていないようだ。下手に使用人達を呼んで被害を拡大してしまったら元も子もない。そう判断したコレットは主人に指示を仰いだ。

「お嬢様、処分しても宜しいでしょうか?」

「半殺し位で済ませて頂戴」

「畏まりました」

静かにまつ毛を伏せた彼女はナイフを持ち、男達に向かって飛んだ。



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