冒険者ギルド受付の癒し枠~ネコ娘は追放系主人公が気になるようです

八華

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ネコ娘、おにぎりを買う

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 翌日、ギルドが運行する魔導バスで、早朝から新ダンジョンを訪れた。

 ダンジョンは人気のない荒野に発生していた。
 冒険者をフォローするため、ギルドが臨時の出張所を出している。大きなテントがいくつも建てられ、雑魚寝だが、冒険者が寝泊りできるようにされていた。
 その手前のテントに調理器具が置かれ、ルイスが米を炊いている。

「ダンジョンに持ち込める軽食、おにぎり屋です」

 具材は10種類から選べるらしい。ギルドの補助があるのでとても安かった。
 おにぎりを握るルイスの手元は速すぎて見えない。以前にアザレア大姐さんが、ルイスが料理しているところは速すぎて目で追えないと言ってたけど、本当だった。
 アタイはルイスから鮭とおかかと豚角煮のおにぎりを買った。

 ダンジョンは調査の始まった時点で、ハズレらしかった。敵が強くてやりにくいらしい。

「奥の調査は人を選びそうだね」

 未知のダンジョンの深層の敵となると、雑魚相手でも危険だ。
 アタイはいつも通り、メリーとササミと3人で潜るつもりだけど、B級冒険者パーティーは数が少ないから、下層の調査にまわされるだろうな。

「エルザ、臨時で組まない?」

 1人で来ていたレトリー姉ちゃんに誘われた。

「うん。そうしてくれると助かる」

 姉妹だから連携はとれる。A級の姉ちゃんがいる方が安全だ。強いチームで一気に深層のマッピングを完成させてしまおう。

「奥の調査に行けるパーティーは少なそうね。マッパーにもついてきてもらって、効率よく地図を作った方がいいんじゃないかしら」

 周囲を見回して、地図を描ける奴を探す。
 知っているマッピングスキル持ちはいなかった。
 ギルドの出張所で聞いてみることにした。

「それでしたら、僕が行きます」

 ギルドのテントから、ルイスが出てきた。

「ルイス、地図が描けるの?」
「この調査では、ダンジョンを残すか閉じるかを決める資料が作れればよいので。大雑把なものなら、僕でも何とかなります」

 ルイスは器用そうだからなぁ。

 ギルド職員はそれなりに強い人が多い。冒険者には荒くれ者が多いから、対処する職員にも頑丈さが求められるのだ。
 アタイの直感で見ても、ルイスはそこそこ戦えると思う。
 もちろん、B級のアタイたちが行く危険な場所では、気をつけて守ってやる必要があるだろうけど。

「武器は何を使うんだ?」
「魔法銃です」

 魔石を動力にした銃。これを持てば、ふつうの人でも強力な魔弾を放てる。ただ、魔石を湯水のように消費するので、すっごくお金がかかる。ピンチ以外は攻撃に参加しないギルド職員だから持てる武器だ。
 ルイスは防具にも、魔石で障壁を出せるコートを身に着けていた。これで彼の安全は確保できた。戦うアタイたちの後ろにいてくれたらまず安心だ。



 準備を整えて、ダンジョンに潜った。
 ダンジョンは5層構造。奥へ行くほど敵が強くなる。

「そこ、右に行くと大量のモンスター」

 レトリー姉ちゃんの鼻でモンスターを嗅ぎ分け、1~3層の弱い敵との戦闘は避けた。
 最速で4層まで降りる。

「それじゃあ、ここからは敵を避けずにいくわ」

 少し進むとすぐにモンスターに出くわした。

「ポイズンスネイクか」
「毒の魔物がいろいろ出るダンジョンのようです」

 ルイスが答えた。

「毒消しは持ってる?」
「一般的な7種類を持参しています。ギルドからの支給品になるので、無料で使えますよ」
「そりゃあ良いね」

 ギルド職員のルイスがついてきてくれてラッキーだったな。

 敵を倒すと、魔石とドロップアイテムに変わった。
 魔石は標準、ドロップアイテムはヘビ革だった。わりに合うかは別として、高値で売れるドロップだ。
 ササミがアイテムを拾ってリュックに入れた。

 そのまま、攻略を続ける。

 ルイスは戦わないけど、うまく立ちまわって、敵に攻撃されないように、アタイたちの邪魔にならないように動けていた。
 たぶん彼は、C級程度の力はあるんだと思う。職員として魔道具を持てば、どこでも付き添えそうだった。

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