冒険者ギルド受付の癒し枠~ネコ娘は追放系主人公が気になるようです

八華

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ネコ娘、たこ焼きパーティーをする

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 ルイス誘拐騒動から一夜明け。
 ボス戦でドロップしたホットプレートを、自分たちで使ってみることにした。

「あ、いた。エルザ!」

 通りの先でルイスが手を振っている。となりにはシセン。
 マーケット前で待ち合わせていた。

「材料は、全部買うんですよね?」
「うん。小麦粉すらないらしい」

 今日のお昼は、たこ焼きパーティーだ。
 場所は、メリーとササミの家。一人暮らしに憧れたアタイとちがって、アイツらは先輩姐さんたちとシェアハウスしてるので、家でたこ焼きして騒いでも大丈夫なのだ。

「それじゃ、てきとうに食材を買っていきます」

 タコはクーラーボックスで持ち帰っていた。マーケットでそれ以外の材料を買いそろえる。

「でかいキッチンがあるのに、使ってないって、もったいないよな」

 メリーとササミが借りているシェアハウスは、アタイらより15歳くらい上の姐さんたちが共同購入した物件だ。結婚や引っ越しでメンバーを替えながら、若手の女冒険者が住み継いでいた。


 たこ焼きの材料を持って、目的の家に着く。

「いらっしゃい。待ってたよ」

 メリーに案内されて中に入った。
 共同スペースのソファーに、ササミとレトリー姉ちゃんが座っていた。その真ん中のテーブルに、ホットプレートがどんと置かれている。

「準備しますね」

 ルイスは奥のキッチンへ向かった。
 このメンバーで料理ができるのは彼だけだ。

「頼っちゃってごめんね、ルイス。メリーに無理やり押し付けられてない?」

 昨日は大変だったのに、次の日に呼び出してしまった。
 最近のメリーは交渉力が上がりすぎてるので、断れずに無理させてたらどうしよう。

「いえ。料理は好きですし、たこ焼きパーティー、楽しそうですから」

 ルイスはきびきびした動作で山芋をすりおろし、ささっとたこ焼きの生地を作ってしまった。

「それじゃあ、始めましょう」

 たこ焼き用のプレートに生地が流し込まれる。穴には一切れずつ大きなタコが入れられた。
 ジュージューと美味しそうな音を立てるプレートを囲んで、焼けるのを待つ。そこに、同居人である先輩姐さんがやってきた。

「何してんの? 美味うまそうじゃん」

 カピバラ獣人のオンセンさんと、狸獣人のポコさんだ。

「たこ焼きです。姐さんもどうぞ」

 姐さん2人にメリーが席を勧めた。

「ありがと。ちょうどお腹がすいてたんだ」

 タコパ参加者が2人増えた。
 ルイスが片面焼けたたこ焼きをころころとひっくり返し、キレイな球体にしていく。

「あれ? レトリーもいるんだ。そっか。エルザはアンタの妹だったね」
「久しぶり、オンセン、ポコ」

 姉ちゃんは2人と同時期に冒険者になっていた。

「同期の星のA級さまだ。最近、下の2人が強すぎて、私たち肩身が狭かったんだよね」

 ポコさんがメリーとササミを見ながら苦笑いしている。

「あら、ごめん。ここの後輩3人は私がA級に上げるつもりなの」
「マジ!?」
「アンタら、もうそこまで強くなってたの?」

 姐さんたちがびっくりしている。

「A級が不足してるから、急場しのぎにB級をAに上げるらしいの。経験不足で上がるから、ちょっと心配ではあるんだけど」
「そっか……」

 焼きあがったたこ焼きに、ルイスがソースとかつお節をかけてアタイたちの前に置いた。

「できあがり。熱いから気をつけて」
「うん」

 アタイは爪楊枝で1つ持ち上げ、そのまま口の中に放り込んだ。

「はふっ……」

 カリッとした薄い皮の内側に、とろりとした具材。アツアツ……アツ……。

「はふっ……はふふっ……」

 とろっとした中身は、マグマのよう。そこに、巨大なタコが1つ。タコが飲みこむのを邪魔して、いつまでも口の中で熱が暴れ回る。

「ふ……はふっ……ふっ……」
「エルザ姐さんは猫舌っス」

 てめ、ササミ、アタイは猫じゃねぇ! 虎だっ!!

 涙目になっていると、ルイスが冷たい水をくれた。
 うぅ……。ルイスの優しさが身に染みる。
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