冒険者ギルド受付の癒し枠~ネコ娘は追放系主人公が気になるようです

八華

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ネコ娘、ワイバーンを蹴り落とす

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 目的の岩石地帯に向けて、ギルドの魔導バスとトラックで一斉に移動した。

「うぷっ。揺れが激しいっス。車には酔いたくないっス」

 ギルドの魔導車はどんな地面でも走れる特殊仕様だが、揺れの緩和かんわがイマイチだった。

「街道を外れて、魔物の反応の多い場所に向かっています。最新の探知機によると、魔物はかたまって移動しているようです」

 同行するルイスが説明してくれる。今回すぐに出られたA級メンバー入りのパーティーは、アタイたちのところともう一組だけだった。ルイスはギルドの連絡員として、アタイらにつくそうだ。

「魔物がまとまって移動してくれてると助かるね」

 敵が多いのは危険だが、倒しれが出ない方がいい。
 一部の冒険者が周囲の村や農場を見回りしているが、そちらは今のところ何もないそうだ。

 遠くに魔物の集団の黒い影が見えてきた。
 バスを降りて敵に向かっていく。
 敵はトカゲやワニ型のモンスターだった。

爬虫類はちゅうるい系か」
「最難関ダンジョンなら、ボスはドラゴンっぽいわね」

 C級冒険者がジャイアントリザードを囲む横で、アタイたちはサーペントを引き受けた。

「龍になりかけみたいな魔物っス」
「階層を進むにつれてドラゴンに出世していくダンジョンなのかもな」

 A級が2人入ったパーティーは、サーペントにあっさりと勝利した。
 続けて、目についたサーペントとジャイアントリザードを片っ端から倒していく。
 他の冒険者たちも、それぞれに合った強さの敵を囲んで戦っていた。さしあたり、どのパーティーも順調そうだ。

「ジャイアントリザードが3層、サーペントが4層の魔物でしょうね。5層のモンスターは、まだ出ていないのかしら」

 レトリー姉ちゃんが戦場を見回して小首をかしげる。

「そういうこと言うと、引き寄せるっス」

 西の空に、不穏な影が見えだした。鳥とは少し形が違う。

「ワイバーン!?」

 ダンジョンより、外で戦う方が嫌な敵だ。自由に飛び回って、弱い冒険者を上から狙われたらひとたまりもない。

「迎え撃つよ」

 アタイたちはワイバーンの群れに向かって走った。

 ガンッ!

 先頭の1体が急降下するのを、ササミが盾で受け止める。
 すかさず姉ちゃんが剣を振るうが、上空に逃げられた。

「任せよ。<空歩>!」

 シセンが空気を蹴って空へと駆け上がる。
 1体のワイバーンと斬り合いになった。

「A級冒険者が1対1で互角か。5層のモンスターはボス級って話だったけど、ボスよりちょっとはマシ?」
「ボスとちがって複数同時に出るのが怖いところかもしれませんね。でも、飛行系のモンスターって、人間が上からの攻撃に弱いから厄介というだけで、骨格自体はもろい敵が多いんですよ」

 アタイのつぶやきに、ルイスが傍で解説してくれる。

「ほら、ワイバーンの首って、キリンさんみたいに細長くて弱そうでしょ。横から大きな力を加えれば、簡単に折れますよ」

 キリンさんみたい……?
 簡単に首を折る……?

「メリー、この辺にトルネードの魔法をもらえますか?」
「ん? アタシの風魔法じゃ、ワイバーンを落とす威力はないよ?」
「小さいので大丈夫です」

 メリーが目の前の地面につむじ風を発生させた。
 自然現象の竜巻とは違う小さな風の渦だ。暑い日によく扇風機代わりに出してもらってた。

「それじゃあ、ちょっと失礼します」
「へっ!?」

 ルイスがアタイをお姫様抱っこして持ち上げた。
 アタイの頬がカッと熱くなる。

「跳びます」

 彼はアタイを抱きかかえてトルネードの魔法を踏み、跳躍した。
 何で回転する風で狙った方向に上がれるのかは、ルイスだからとしか言いようがない。
 彼は器用に魔法の威力を使ってワイバーンの頭上をとった。

「では、投げますね」
「は!?」

 ルイスが近くのワイバーンに向けてアタイをぶん投げた。
 うそぉ。
 みるみる敵に近づく。
 首を狙えって……、ええい、やってやるよっ
 アタイは投げられた勢いのままワイバーンの首を蹴り落した。

 ゴキッ……

 落下するワイバーンに合わせてアタイも着地する。
 ワイバーンの身体が消滅し、あとに大きな魔石が残った。

「お見事です。一撃必殺でしたね」

 ルイスに拍手を送られた。

「……今ので理解した。拙者もやれる!」

 続けて、シセンが戦っていたワイバーンの首を斬り落とす。
 彼女はすぐに次の敵を狙って、かなり上空まで跳び上がっていった。
 どうやらワイバーンは、自分より上からの攻撃に弱いらしい。

「アタシも理解したよ。もうちょっと跳びやすいの作ってやる」

 メリーは次のトルネードの魔法を準備していた。

「ありがとう。僕たちもどんどんいきましょう」

 ドゴッ、ザシュッ、ベキッ……

 アタイたちは次々とワイバーンを墜落させていった。

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