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もう一つの物語 〜if〜十二年後〜
if〜十二年後〜18
月日は流れ――。
迎えた出産の日。
セレナは強い痛みに耐えながらも、必死に新しい命を迎えようとしていた。
握った手を決して離さぬようにと、ユーグは彼女のそばに付き添い、額に浮かぶ汗を拭い続ける。
「セレナ、大丈夫だ……!君は強い。必ず乗り越えられる」
声を震わせながらも、必死に励ますユーグ。その言葉に背を押されるようにして、セレナは最後の力を振り絞った。
――そして。
産声が響いた瞬間、部屋の空気が一変した。
産婆が小さな命を抱き上げ、母の胸にそっと預ける。
セレナは汗に濡れた額のまま、愛おしそうにわが子を抱きしめ、安堵の涙をこぼした。
「ユーグ……私たちの、赤ちゃんよ……」
「……ああ……セレナ…!」
産まれたばかりのわが子の重みは、言葉では言い表せないほど尊く、温かかった。
小さな指が彼の手をぎゅっと握ると、堪えていた涙がユーグの頬を伝い落ちる。
「ありがとう……セレナ。君が命を懸けて、この子を……」
声にならぬ嗚咽をこらえながら、彼は二人を包み込むように抱き寄せた。
***
セレナは女児を出産し、名前を「リアナ」と名付けた。
出産の知らせを聞きつけて、ララとペニーがお見舞いに駆けつけ、小さなリアナを覗き込み、頬をゆるませる。
「まあ……なんて可愛らしいの!」
「セレナさんに似て、すでに美人の予感!!」
ララがそっと小さな手を握ると、リアナの指がきゅっと握り返し、ペニーが歓声を上げた。
「きゃっ! 今、私の指を掴んだわ!」
病室は笑いに包まれ、セレナは疲れの中でも穏やかに微笑んだ。
「あなたたちが来てくれて嬉しいわ。お姉ちゃん二人に囲まれて、この子は幸せね」
「もちろんです!!リアナちゃんは、みんなの宝物です」
二人の祝福に、ユーグは深く頭を下げた。
「ありがとう。君たちに見守ってもらえるなら、リアナはきっと幸せに育つよ」
夜。リアナが眠りについたあと、二人は並んでその寝顔を見つめていた。
ユーグはセレナの手を握り、真っ直ぐな眼差しで彼女の瞳を見つめる。
「君と、リアナと……これからの人生を守り抜く。それが私のすべてだ」
「ユーグ…ありがとう」
リアナの寝息を聞きながら、二人は寄り添い、静かに唇を重ねる。
それは――新たな家族の誕生を祝う、永遠の約束だった。
***
ーー三年後。
三歳になったリアナの小さな手には色とりどりの積み木が握られ、声を弾ませながら笑う姿は、まるでセレナそのものだった。
「パパー!見て見て!こんなに高く積めたよ!」
リアナは両手を広げ、得意げに積み木の塔を見せる。
ユーグはその光景を見て、思わず目を細めて微笑んだ。
「おお、リアナ!すごいなぁ……パパより上手かもしれないぞ」
その言葉にリアナはますます嬉しそうに跳ね、ユーグの胸に飛び込む。
ユーグはやさしく腕で娘を抱き上げながら囁く。
「……リアナは世界で一番可愛いな。パパの宝物だよ」
その横でセレナは朝の支度を整えていた。腰まである長い髪を束ねながら、ユーグとリアナの様子を微笑ましく見つめる。
「ユーグ、そろそろ支度しないと仕事に遅れてしまうわ」
小さく注意しつつも、その目は優しく光っていた。
「ああ、ごめん。リアナが可愛すぎて…つい支度が疎かになってしまうな」
ユーグは苦笑いしながらも明るい声で答える。朝、娘を愛おしむひとときは、彼にとって欠かせない習慣になっていた。
朝食の時間、リアナはお気に入りの小さな椅子に座り、ユーグが作ったスクランブルエッグやフルーツを嬉しそうに口に運ぶ。
「おいしい!パパの作るたまご、いちばん!」
「そうか、嬉しいな……じゃあ、もっと食べようか」
ユーグは自分も少しだけ口にしながら、娘の笑顔を目に焼き付けるように見つめていた。
セレナもまた、ユーグが用意した食卓に座り、微笑みながら食事を始める。
「本当に、ユーグは毎日忙しいのに、こうして私たちのために料理までしてくれて、ありがとう……」
「当たり前だよ。君とリアナが笑ってくれるのが、私の一番のご褒美だからね」
セレナは少し頬を赤らめ、ユーグの手をそっと握る。ユーグもその手を優しく包み込み、目を合わせて微笑むと、そっとお互いの唇を重ねた。
「あー!パパとママ、またチューしてる!」
リアナに指摘され、二人は少し照れながら笑った。
「パパとママは仲良しなんだ。もちろん、リアナもその真ん中にいるよ」
「うん!」
元気よく返事をするリアナに、二人は顔をほころばせる。
*
工房も大きく変わった。
新しい従業員を迎え入れ、建物は建て替えられ、以前よりずっと広く、活気に満ちている。
だが、工房の隣に寄り添うように建つ住まいは、あの日のままの小さな家だった。
「ねえ、ユーグ?」
ある夕暮れ、セレナは第二子を宿したお腹をそっと撫でながら言った。
「子どもが増えるし……そろそろ家を建て直したほうがいいかしら」
ユーグは一瞬考え込む素振りを見せ、それから穏やかに首を横に振った。
「いや……このままでいいと思う」
「え?」
彼は窓の向こうで遊ぶリアナを見つめながら、静かに続けた。
「大きな家よりも、この小さな家のほうがいい。声も笑いも、すぐに届く。家族の気配をいつでも感じていたいんだ。……子どもたちが小さいうちは、このままでいたい」
その言葉に、セレナは思わず吹き出した。
「ふふっ…昔、大邸宅を用意した人の言葉とは思えないわね?」
「……あの頃は、形ばかりのものにこだわっていた。今は違う。必要なのは広さじゃない。君と子どもたちと過ごす、この温もりだけだから」
セレナは笑みを浮かべ、彼の肩に身を寄せた。胸の奥に広がる安らぎは、あの日夢見ながら、手にできなかった幸せそのものだった。
その日の夜。
眠るリアナの傍らで、セレナとユーグは寄り添い、静かに語り合っていた。
「……昔、君と別れたあの時は一度、すべてを失った気がした」
ユーグがぽつりとつぶやく。
「ええ……私も。あの別れは、心に大きな傷を残したわ」
セレナは遠い日を思い出すように、静かに目を伏せる。
だが、やがて彼女は微笑んだ。
「でも……こうしてまた出会えた。愛が戻ってきた。あの時間も、無駄じゃなかったのね」
ユーグはセレナの手を握り返し、深くうなずく。
「君がそばにいる。それだけで、もう何もいらない。――いや、違うな。今はこの子もいる。そしてお腹の子も。かけがえのない幸せを手に入れたんだ」
見つめ合う二人の瞳に、迷いも後悔もなかった。
十五年の歳月を越え、再び重なり合った心は、かつてよりも強く結ばれている。
二人は互いの手を取り合い、そっと目を合わせる。
「もう離さない。永遠に」
幼い寝息、温かな手のぬくもり。
すべてが愛おしく、かけがえのない証だった。
――こうしてセレナとユーグの物語は、希望と新しい命を胸に――未来へと続く新たな章を刻み始めた。
(おわり)
※ もう一つの物語if~十二年後~を
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
ユーグの息子、アドリアンとジュリアの物語「【R18】ずっと、君のそばに」を書きました。
全五話になります。読んでいただけたら嬉しいです。
迎えた出産の日。
セレナは強い痛みに耐えながらも、必死に新しい命を迎えようとしていた。
握った手を決して離さぬようにと、ユーグは彼女のそばに付き添い、額に浮かぶ汗を拭い続ける。
「セレナ、大丈夫だ……!君は強い。必ず乗り越えられる」
声を震わせながらも、必死に励ますユーグ。その言葉に背を押されるようにして、セレナは最後の力を振り絞った。
――そして。
産声が響いた瞬間、部屋の空気が一変した。
産婆が小さな命を抱き上げ、母の胸にそっと預ける。
セレナは汗に濡れた額のまま、愛おしそうにわが子を抱きしめ、安堵の涙をこぼした。
「ユーグ……私たちの、赤ちゃんよ……」
「……ああ……セレナ…!」
産まれたばかりのわが子の重みは、言葉では言い表せないほど尊く、温かかった。
小さな指が彼の手をぎゅっと握ると、堪えていた涙がユーグの頬を伝い落ちる。
「ありがとう……セレナ。君が命を懸けて、この子を……」
声にならぬ嗚咽をこらえながら、彼は二人を包み込むように抱き寄せた。
***
セレナは女児を出産し、名前を「リアナ」と名付けた。
出産の知らせを聞きつけて、ララとペニーがお見舞いに駆けつけ、小さなリアナを覗き込み、頬をゆるませる。
「まあ……なんて可愛らしいの!」
「セレナさんに似て、すでに美人の予感!!」
ララがそっと小さな手を握ると、リアナの指がきゅっと握り返し、ペニーが歓声を上げた。
「きゃっ! 今、私の指を掴んだわ!」
病室は笑いに包まれ、セレナは疲れの中でも穏やかに微笑んだ。
「あなたたちが来てくれて嬉しいわ。お姉ちゃん二人に囲まれて、この子は幸せね」
「もちろんです!!リアナちゃんは、みんなの宝物です」
二人の祝福に、ユーグは深く頭を下げた。
「ありがとう。君たちに見守ってもらえるなら、リアナはきっと幸せに育つよ」
夜。リアナが眠りについたあと、二人は並んでその寝顔を見つめていた。
ユーグはセレナの手を握り、真っ直ぐな眼差しで彼女の瞳を見つめる。
「君と、リアナと……これからの人生を守り抜く。それが私のすべてだ」
「ユーグ…ありがとう」
リアナの寝息を聞きながら、二人は寄り添い、静かに唇を重ねる。
それは――新たな家族の誕生を祝う、永遠の約束だった。
***
ーー三年後。
三歳になったリアナの小さな手には色とりどりの積み木が握られ、声を弾ませながら笑う姿は、まるでセレナそのものだった。
「パパー!見て見て!こんなに高く積めたよ!」
リアナは両手を広げ、得意げに積み木の塔を見せる。
ユーグはその光景を見て、思わず目を細めて微笑んだ。
「おお、リアナ!すごいなぁ……パパより上手かもしれないぞ」
その言葉にリアナはますます嬉しそうに跳ね、ユーグの胸に飛び込む。
ユーグはやさしく腕で娘を抱き上げながら囁く。
「……リアナは世界で一番可愛いな。パパの宝物だよ」
その横でセレナは朝の支度を整えていた。腰まである長い髪を束ねながら、ユーグとリアナの様子を微笑ましく見つめる。
「ユーグ、そろそろ支度しないと仕事に遅れてしまうわ」
小さく注意しつつも、その目は優しく光っていた。
「ああ、ごめん。リアナが可愛すぎて…つい支度が疎かになってしまうな」
ユーグは苦笑いしながらも明るい声で答える。朝、娘を愛おしむひとときは、彼にとって欠かせない習慣になっていた。
朝食の時間、リアナはお気に入りの小さな椅子に座り、ユーグが作ったスクランブルエッグやフルーツを嬉しそうに口に運ぶ。
「おいしい!パパの作るたまご、いちばん!」
「そうか、嬉しいな……じゃあ、もっと食べようか」
ユーグは自分も少しだけ口にしながら、娘の笑顔を目に焼き付けるように見つめていた。
セレナもまた、ユーグが用意した食卓に座り、微笑みながら食事を始める。
「本当に、ユーグは毎日忙しいのに、こうして私たちのために料理までしてくれて、ありがとう……」
「当たり前だよ。君とリアナが笑ってくれるのが、私の一番のご褒美だからね」
セレナは少し頬を赤らめ、ユーグの手をそっと握る。ユーグもその手を優しく包み込み、目を合わせて微笑むと、そっとお互いの唇を重ねた。
「あー!パパとママ、またチューしてる!」
リアナに指摘され、二人は少し照れながら笑った。
「パパとママは仲良しなんだ。もちろん、リアナもその真ん中にいるよ」
「うん!」
元気よく返事をするリアナに、二人は顔をほころばせる。
*
工房も大きく変わった。
新しい従業員を迎え入れ、建物は建て替えられ、以前よりずっと広く、活気に満ちている。
だが、工房の隣に寄り添うように建つ住まいは、あの日のままの小さな家だった。
「ねえ、ユーグ?」
ある夕暮れ、セレナは第二子を宿したお腹をそっと撫でながら言った。
「子どもが増えるし……そろそろ家を建て直したほうがいいかしら」
ユーグは一瞬考え込む素振りを見せ、それから穏やかに首を横に振った。
「いや……このままでいいと思う」
「え?」
彼は窓の向こうで遊ぶリアナを見つめながら、静かに続けた。
「大きな家よりも、この小さな家のほうがいい。声も笑いも、すぐに届く。家族の気配をいつでも感じていたいんだ。……子どもたちが小さいうちは、このままでいたい」
その言葉に、セレナは思わず吹き出した。
「ふふっ…昔、大邸宅を用意した人の言葉とは思えないわね?」
「……あの頃は、形ばかりのものにこだわっていた。今は違う。必要なのは広さじゃない。君と子どもたちと過ごす、この温もりだけだから」
セレナは笑みを浮かべ、彼の肩に身を寄せた。胸の奥に広がる安らぎは、あの日夢見ながら、手にできなかった幸せそのものだった。
その日の夜。
眠るリアナの傍らで、セレナとユーグは寄り添い、静かに語り合っていた。
「……昔、君と別れたあの時は一度、すべてを失った気がした」
ユーグがぽつりとつぶやく。
「ええ……私も。あの別れは、心に大きな傷を残したわ」
セレナは遠い日を思い出すように、静かに目を伏せる。
だが、やがて彼女は微笑んだ。
「でも……こうしてまた出会えた。愛が戻ってきた。あの時間も、無駄じゃなかったのね」
ユーグはセレナの手を握り返し、深くうなずく。
「君がそばにいる。それだけで、もう何もいらない。――いや、違うな。今はこの子もいる。そしてお腹の子も。かけがえのない幸せを手に入れたんだ」
見つめ合う二人の瞳に、迷いも後悔もなかった。
十五年の歳月を越え、再び重なり合った心は、かつてよりも強く結ばれている。
二人は互いの手を取り合い、そっと目を合わせる。
「もう離さない。永遠に」
幼い寝息、温かな手のぬくもり。
すべてが愛おしく、かけがえのない証だった。
――こうしてセレナとユーグの物語は、希望と新しい命を胸に――未来へと続く新たな章を刻み始めた。
(おわり)
※ もう一つの物語if~十二年後~を
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
ユーグの息子、アドリアンとジュリアの物語「【R18】ずっと、君のそばに」を書きました。
全五話になります。読んでいただけたら嬉しいです。
この作品は感想を受け付けておりません。
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