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エドガー・ヴァレンが退いたことで、ハロルド・クレインの土地問題は、表向きには決着を迎えた。
「……ありがとうございます。本当に……ありがとうございます」
ハロルドは、何度も頭を下げ、ついには堪えきれずに涙をこぼした。
長く張り詰めていたものが、ようやく解けたのだ。
「土地が守れた……父の代からの土地が……」
その姿に、事務所の空気もやわらぐ。
「法的に立場の弱い者を守るのが、私の仕事です」
クロードは淡々と言った。
誇示も謙遜もない、ただ事実としての言葉だった。
だが、その背中を見つめるマティアスの目は、熱を帯びていた。
「クロード先生っ。さすがです」
憧れは、もう隠しきれていなかった。
「メガネ先生は、やっぱ立派だなぁ」
リセラも、素直にそう言って頷く。
アデルも同じ気持ちだった。
この人のそばで働けていることが、誇らしくさえあった。
「……一件落着、ですね」
そう言いかけたアデルに、ロイクが静かに声をかける。
「ハロルドさんの件は、な。でも……姉さんは別だ」
その言葉に、アデルは小さく息を吸った。ロイクは厳しい表情を緩めずに続ける。
「油断しないでいこう。狙われている事実は、変わらない」
「……ええ」
アデルは、静かに頷いた。
*
――その夜。
屋根裏の部屋に戻ると、簡素な仕切りの向こうから、もう規則正しい寝息が聞こえてきた。
リセラは早かった。
夕食を終え、少し雑談をしたかと思うと、
「明日は早ぇからな」と言って、さっさと自分の寝台に潜り込んでしまったのだ。
木の梁を伝って、かすかな鼾が響く。
無防備で、疑いのない眠り。
(……リセラは、本当に強い)
アデルは、そう思う。
同じ屋根裏。
同じ不安を抱えているはずなのに、リセラは、眠ることで今日をきちんと終わらせる。
一方で、アデルはまだ、椅子に腰掛けたままだった。
小さな卓。
壁際に寄せた簡易の寝台。
灯りは、必要最低限。
屋根裏の窓からは、夜の気配が薄く滲み、遠くの街灯が、ぼんやりと梁の影を揺らしている。
ここは、仮の住まいだ。
けれど――
今の自分には、確かに「帰る場所」でもあった。
自分が目覚めてから、もう半年が過ぎていた。あまりに慌ただしくて、立ち止まる余裕すらなかった。
だからだろうか。
思い出さないようにしていた名前が、
静けさに紛れて、胸の奥から滲み出てくる。
(……ルイ)
どうして、今なのだろう。
あなたは今、何を考えているの?
私が眠っている間に、心変わりしたの?
それとも……もっと前から?
問いかけても、答えは返らない。
会いたい。
声を聞きたい。
顔を見て、確かめたい。
でも――
(……怖い)
もし、あなたの瞳に、
もう私が映っていなかったら。
もし、優しさが、
かつてのものではなかったら。
私は、それに耐えられるだろうか。
いつから、こんなに臆病になったのだろう。
以前の自分なら、迷わず会いに行ったはずなのに。
(……今さら、何を話すというの)
もう、道は分かれてしまった。
あなたには、あなたの人生があり、私には、私の生き方がある。
頭では、分かっている。
それでも――
胸の奥に残る、この未練だけが、どうしても、消えてくれない。
アデルは、そっと胸元を押さえた。
痛みはない。
ただ、鈍く、温度のある何かが、そこにある。
(……私は、まだ)
最後まで言葉にできず、アデルは、静かに目を閉じた。
涙は、流れなかった。
けれど、心は、確かに――
あの人の名を、手放せずにいた。
――と、その時。
屋根裏の扉が、控えめにノックされた。
こんな時間に?
アデルは一瞬、身構えたが、次の瞬間、聞き慣れた低い声がした。
「……アデル嬢。起きているか」
扉を開けると、そこに立っていたのはクロードだった。
ランプの淡い光に照らされ、眼鏡の奥の瞳が静かにこちらを見ている。
「夜分にすまない」
そう言ってから、少しだけ間を置く。
「……一杯、付き合わないか」
一瞬、言葉に詰まった。
だが、その声には軽さも、下心もないのがわかる。
「下の階だ。中の階段は普段は塞いでいるが……もし大丈夫なら、そこから来てくれ。無理なら、断ってくれて構わない」
「……いえ」
アデルは、首を振った。
「行きます」
クロードは、ほんのわずかに安堵したように頷いた。
*
外階段を使って下りた先。
クロードの部屋は、思っていた以上に静かだった。
扉を開けた瞬間、まず目に入るのは――本。
壁一面に近い書棚。
床にも、机の脇にも、積まれた書籍。
法律書だけではない。
歴史、哲学、古い判例集、手記のようなものまで混じっている。
「……書斎みたいですね」
「ああ。書斎で暮らしているようなものだな」
クロードは目を細めて答える。
部屋の奥には、簡素な寝台。
飾り気はなく、実用一辺倒だ。
中央には、二人掛けの小さなテーブル。
そこに、すでに用意されていたグラスと酒瓶があった。
「改めて、夜分にすまない」
クロードは椅子を引きながら言った。
「まだ起きている気配がしたから」
アデルは、はっとして首を振る。
「……足音、うるさかったでしょうか…」
「いや、騒音は、なかった」
即答だった。
その言い方が妙に真剣で、アデルは少し気恥ずかしくなり、視線を落とす。
二人は向かい合って座った。
グラスに注がれた酒は、強すぎない香りがした。
「……アデル嬢」
クロードが、ゆっくりと言葉を選ぶ。
「君を呼んだのは、これからの話をしたかったからだ」
アデルは、背筋を正した。
「ハロルドの件は、ひとまず片がついた。だが――」
一拍、間を置く。
「敵は、まだ全貌を見せていない」
クロードの視線は、揺れない。
「表に出た駒は崩れた。だが、盤の外にいる者たちは、まだ動いていない」
指先が、テーブルの縁に触れる。
「君の身辺は、これからさらに騒がしくなるかもしれない」
それは、脅しではなく、現実を正確に伝えるための声音だった。
「だからこそ、共有しておきたかった」
アデルは、グラスを両手で包みながら、静かに聞いていた。
「怖がらせたいわけじゃない」
クロードはそう前置きしてから、続けた。
「だが、覚悟は必要だ。君が進んでいる道は、もう“巻き戻せる場所”ではない」
言葉は重い。
それでも、不思議と――逃げたい気持ちは湧かなかった。
アデルは、ゆっくりと顔を上げる。
「……大丈夫です」
一拍置いて、声を整えた。
「逃げないと、決めましたから」
まっすぐな視線。
揺れも、迷いもない。
クロードは、その目から視線を外さなかった。
ほんの一瞬、言葉を探すように間が生まれ、それからグラスに口をつける。
「……そうだな」
低く、確かめるような声音だった。
「君の覚悟を、もう一度聞いておきたかった」
視線が、再び重なる。
いつもより、ほんの少しだけ長く。
「私は――」
そこで、言葉が切れた。
だがすぐに、静かに続く。
「私は、それを支える役目だから」
余計な感情は、口にしない。
けれど、その声には、ただの職務以上の“重み”があった。
そのことに、アデルは気づいていない。
ただ胸の奥で、名もない感情が、静かに揺れただけだった。
夜は、まだ深い。
だが、この部屋には、不思議と闇が入り込まない。
――それは、安心か。
それとも、始まりか。
アデルには、まだ分からなかった。
「……ありがとうございます。本当に……ありがとうございます」
ハロルドは、何度も頭を下げ、ついには堪えきれずに涙をこぼした。
長く張り詰めていたものが、ようやく解けたのだ。
「土地が守れた……父の代からの土地が……」
その姿に、事務所の空気もやわらぐ。
「法的に立場の弱い者を守るのが、私の仕事です」
クロードは淡々と言った。
誇示も謙遜もない、ただ事実としての言葉だった。
だが、その背中を見つめるマティアスの目は、熱を帯びていた。
「クロード先生っ。さすがです」
憧れは、もう隠しきれていなかった。
「メガネ先生は、やっぱ立派だなぁ」
リセラも、素直にそう言って頷く。
アデルも同じ気持ちだった。
この人のそばで働けていることが、誇らしくさえあった。
「……一件落着、ですね」
そう言いかけたアデルに、ロイクが静かに声をかける。
「ハロルドさんの件は、な。でも……姉さんは別だ」
その言葉に、アデルは小さく息を吸った。ロイクは厳しい表情を緩めずに続ける。
「油断しないでいこう。狙われている事実は、変わらない」
「……ええ」
アデルは、静かに頷いた。
*
――その夜。
屋根裏の部屋に戻ると、簡素な仕切りの向こうから、もう規則正しい寝息が聞こえてきた。
リセラは早かった。
夕食を終え、少し雑談をしたかと思うと、
「明日は早ぇからな」と言って、さっさと自分の寝台に潜り込んでしまったのだ。
木の梁を伝って、かすかな鼾が響く。
無防備で、疑いのない眠り。
(……リセラは、本当に強い)
アデルは、そう思う。
同じ屋根裏。
同じ不安を抱えているはずなのに、リセラは、眠ることで今日をきちんと終わらせる。
一方で、アデルはまだ、椅子に腰掛けたままだった。
小さな卓。
壁際に寄せた簡易の寝台。
灯りは、必要最低限。
屋根裏の窓からは、夜の気配が薄く滲み、遠くの街灯が、ぼんやりと梁の影を揺らしている。
ここは、仮の住まいだ。
けれど――
今の自分には、確かに「帰る場所」でもあった。
自分が目覚めてから、もう半年が過ぎていた。あまりに慌ただしくて、立ち止まる余裕すらなかった。
だからだろうか。
思い出さないようにしていた名前が、
静けさに紛れて、胸の奥から滲み出てくる。
(……ルイ)
どうして、今なのだろう。
あなたは今、何を考えているの?
私が眠っている間に、心変わりしたの?
それとも……もっと前から?
問いかけても、答えは返らない。
会いたい。
声を聞きたい。
顔を見て、確かめたい。
でも――
(……怖い)
もし、あなたの瞳に、
もう私が映っていなかったら。
もし、優しさが、
かつてのものではなかったら。
私は、それに耐えられるだろうか。
いつから、こんなに臆病になったのだろう。
以前の自分なら、迷わず会いに行ったはずなのに。
(……今さら、何を話すというの)
もう、道は分かれてしまった。
あなたには、あなたの人生があり、私には、私の生き方がある。
頭では、分かっている。
それでも――
胸の奥に残る、この未練だけが、どうしても、消えてくれない。
アデルは、そっと胸元を押さえた。
痛みはない。
ただ、鈍く、温度のある何かが、そこにある。
(……私は、まだ)
最後まで言葉にできず、アデルは、静かに目を閉じた。
涙は、流れなかった。
けれど、心は、確かに――
あの人の名を、手放せずにいた。
――と、その時。
屋根裏の扉が、控えめにノックされた。
こんな時間に?
アデルは一瞬、身構えたが、次の瞬間、聞き慣れた低い声がした。
「……アデル嬢。起きているか」
扉を開けると、そこに立っていたのはクロードだった。
ランプの淡い光に照らされ、眼鏡の奥の瞳が静かにこちらを見ている。
「夜分にすまない」
そう言ってから、少しだけ間を置く。
「……一杯、付き合わないか」
一瞬、言葉に詰まった。
だが、その声には軽さも、下心もないのがわかる。
「下の階だ。中の階段は普段は塞いでいるが……もし大丈夫なら、そこから来てくれ。無理なら、断ってくれて構わない」
「……いえ」
アデルは、首を振った。
「行きます」
クロードは、ほんのわずかに安堵したように頷いた。
*
外階段を使って下りた先。
クロードの部屋は、思っていた以上に静かだった。
扉を開けた瞬間、まず目に入るのは――本。
壁一面に近い書棚。
床にも、机の脇にも、積まれた書籍。
法律書だけではない。
歴史、哲学、古い判例集、手記のようなものまで混じっている。
「……書斎みたいですね」
「ああ。書斎で暮らしているようなものだな」
クロードは目を細めて答える。
部屋の奥には、簡素な寝台。
飾り気はなく、実用一辺倒だ。
中央には、二人掛けの小さなテーブル。
そこに、すでに用意されていたグラスと酒瓶があった。
「改めて、夜分にすまない」
クロードは椅子を引きながら言った。
「まだ起きている気配がしたから」
アデルは、はっとして首を振る。
「……足音、うるさかったでしょうか…」
「いや、騒音は、なかった」
即答だった。
その言い方が妙に真剣で、アデルは少し気恥ずかしくなり、視線を落とす。
二人は向かい合って座った。
グラスに注がれた酒は、強すぎない香りがした。
「……アデル嬢」
クロードが、ゆっくりと言葉を選ぶ。
「君を呼んだのは、これからの話をしたかったからだ」
アデルは、背筋を正した。
「ハロルドの件は、ひとまず片がついた。だが――」
一拍、間を置く。
「敵は、まだ全貌を見せていない」
クロードの視線は、揺れない。
「表に出た駒は崩れた。だが、盤の外にいる者たちは、まだ動いていない」
指先が、テーブルの縁に触れる。
「君の身辺は、これからさらに騒がしくなるかもしれない」
それは、脅しではなく、現実を正確に伝えるための声音だった。
「だからこそ、共有しておきたかった」
アデルは、グラスを両手で包みながら、静かに聞いていた。
「怖がらせたいわけじゃない」
クロードはそう前置きしてから、続けた。
「だが、覚悟は必要だ。君が進んでいる道は、もう“巻き戻せる場所”ではない」
言葉は重い。
それでも、不思議と――逃げたい気持ちは湧かなかった。
アデルは、ゆっくりと顔を上げる。
「……大丈夫です」
一拍置いて、声を整えた。
「逃げないと、決めましたから」
まっすぐな視線。
揺れも、迷いもない。
クロードは、その目から視線を外さなかった。
ほんの一瞬、言葉を探すように間が生まれ、それからグラスに口をつける。
「……そうだな」
低く、確かめるような声音だった。
「君の覚悟を、もう一度聞いておきたかった」
視線が、再び重なる。
いつもより、ほんの少しだけ長く。
「私は――」
そこで、言葉が切れた。
だがすぐに、静かに続く。
「私は、それを支える役目だから」
余計な感情は、口にしない。
けれど、その声には、ただの職務以上の“重み”があった。
そのことに、アデルは気づいていない。
ただ胸の奥で、名もない感情が、静かに揺れただけだった。
夜は、まだ深い。
だが、この部屋には、不思議と闇が入り込まない。
――それは、安心か。
それとも、始まりか。
アデルには、まだ分からなかった。
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