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伝統あるモントレー伯爵家の次男として、モーリスは生まれた。
長男であるエドモンは、誰の目にも分かるほど恵まれていた。
端正な顔立ちに、聡明な頭脳。学園時代の成績は常に上位で、教師からの信頼も厚い。
穏やかな気質で、人当たりも良く、自然と人の輪の中心に立つ男だった。
欠点を挙げるとすれば――人が良すぎること。それくらいしか、思いつかない。
両親がエドモンを可愛がるのは、当然のことだった。
一方、次男であるモーリスも、決して出来が悪かったわけではない。
顔立ちはむしろ兄より整っており、学園での成績も十分に優秀だった。
だが、兄と違い、彼の内側には常に鬱屈とした影があった。
どれほど努力しても、モントレー伯爵家を継ぐのは兄だ。それは、最初から決まっている。
自分に残されるのは、伯爵家が持つ従属爵位――ドルン男爵位だけ。
爵位はあるが、領地はない。
名は残るが、実権はない。
その未来を思うたび、胸の奥に苦いものが溜まっていった。
学園在学中、婚約話が持ち上がったことがある。
侯爵家の一人娘で、条件は「婿入り」。
爵位も財も一気に手に入る、願ってもない話だった。
だが、顔合わせの席で彼は失望した。
あまりにも――令嬢が醜かった。
無遠慮に肥えた体、品のない笑い方。
視線を向けるだけで、不快感が込み上げた。
モーリスは、その縁談を断った。
両親からは激しく叱責された。
将来を投げ捨てる愚行だと。
だが、その時、兄のエドモンだけが彼を庇った。
「無理に結ぶものじゃない。結婚は、人生だ」
その言葉が、余計に胸に刺さった。
やがて、モーリスはヴァレリアと出会う。
子爵家の次女で、家格は高くない。
だが、その美しさは圧倒的だった。
他の条件など、どうでも良くなった。
卒業後、二人は結婚し、モーリスはドルン男爵位を継承する。
それから二十年近く、月日は流れた。
生活は、決して豊かとは言えなかった。
モントレー伯爵家の事業の下請けとして仕事を回され、給与を得て暮らす日々。
「貴族と言っても、名ばかりね」
ヴァレリアは、よくそう口にした。
「モントレー伯爵家なんて、もっと酷い暮らしをしているそうじゃない?」
「父上が亡くなってから、領地は災害続きだ。兄は馬鹿正直だから、領民と同じ生活をしている」
「ああ、嫌だわ。平民みたいな暮らしなんて。ソフィア義姉様、よく耐えられるわね」
「兄嫁も、似たような性格だからな」
夫婦は、そう言って兄一家を嘲笑った。
だが、モーリスの胸の奥では、常に別の感情が燻っていた。
――なぜ、兄だけが伯爵なのか。
――なぜ、自分はここにいるのか。
そして、四年前。
その夜、モーリスは執務机の前で一人、書類を睨んでいた。
執事が控えめに扉を叩く。
「旦那様。書簡が一通、届いております」
「差出人は?」
「……記されておりません」
怪訝に思いながらも、受け取った。
封蝋はなく、装飾もない。
上質だが、過剰ではない紙。
中を開き、短い文面に目を走らせた。
【あなたは、無能ではない。
ただ、運と配置を誤っただけだ】
モーリスの顔が、みるみる険しくなる。
「……誰だ」
怒声は、誰に向けたものでもなかった。
愚弄でも、慰めでもない。
同情ですらない。
断定的で、踏み込んだ言葉。
「ふざけるな……!」
紙を握り潰し、その場で破り捨てる。
こんなものに、耳を貸す理由などない。
――それから、数日が過ぎた。
モーリスは、あの書簡のことを忘れたつもりでいた。破り捨てた紙切れは、すでに灰になっている。
机の上には、いつも通り、煩雑な帳簿と事業報告書。
だが、心のどこかに、引っかかりは残っていた。
【運と配置を誤っただけだ】
あまりにも、断定的だった。
慰めの言葉なら腹も立たない。
だが、あの文は違った。
まるで――事情を知っている者の口ぶりだった。
その夜。
再び、執事が書簡を持って現れた。
「旦那様。……また、書簡が届いております」
モーリスは顔を上げる。
「また?」
「はい。差出人は、やはり不明です」
一瞬、拒絶しようとして、指が止まった。
無言で受け取り、執事を下がらせる。
封は、前回と同じ。
簡素で、無駄がない。
封筒を開く。
【あなたは、今夜、腹を立てている。
理由は、帳簿の数字ではない】
モーリスの眉が、ぴくりと動いた。
文章には、続きがあった。
【兄が正しいのではない。
あなたが、選ばれなかっただけだ。
だが、選ばれる方法はある】
喉の奥が、ひくりと鳴った。
「……戯言だ」
そう呟きながらも、紙を破らなかった。
【一つ、試してみるといい。来月の契約更新。条件を飲むな。向こうは、必ず折れる】
そこまで読んで、モーリスは鼻で笑った。
「……馬鹿馬鹿しい、なんだこの手紙は」
来月更新の契約。
モントレー伯爵家の下請けの一つだ。
条件は悪く、これ以上強気に出れば切られる可能性もある。
だが。
――必ず折れる。
その言葉が、妙に引っかかった。
翌朝。
何気ない顔で、モーリスは執事に指示を出した。
「例の契約だが……条件の一部を修正しろ。こちらの要求を入れた案を出せ」
「……よろしいのですか?旦那様。先方は強硬ですが……」
「いい。出せ」
理由は言わなかった。
結果は、三日後に出た。
先方は、折れた。
完全ではないが、こちらの要求が通った。
モーリスは、執務机の前で、しばらく動けずにいた。
「……偶然だ」
そう言い聞かせた。
その日の夕方。
屋敷に戻り、家族で晩餐を囲んでいるとリゼットが、何気ない調子で口を開いた。
「お父様、少しお疲れのようですね」
「……ここ最近、忙しかったからな」
「顔色が…あまり…。お身体が心配です」
顔を俯かせ、心配するリベットの様子にモーリスは宥めるように言葉を返す。
「リゼットは優しいな。確かに疲れてるな…契約更新というのは、新規よりも骨が折れる」
「旦那様。お仕事のお話は、食事中は控えてくださいまし」
ヴァレリアが鋭い視線を向けると、モーリスは小さく息を吐いた。
「おお、すまない……」
一拍の静けさのあと、リゼットが再び口を開く。
「お父様……あまり、無理に折れなくてもよろしいのではありませんか」
モーリスは、思わず顔を上げた。
「……どういう意味だ?」
「交渉相手というのは……強く出ている時ほど、引けないだけのことも多いのではないでしょうか」
穏やかな声音だった。
「一歩踏み出してみれば……案外、向こうが譲ることもありますわ」
柔らかな言葉遣い。
あくまで、娘としての何気ない助言だった。
だが――
その内容は、モーリスの脳裏に焼き付いていた文面と、あまりにも重なっていた。
必ず折れる。
モーリスは、笑みを作ろうとした。
だが、口元はわずかに引きつったままだった。
「……ああ、そうだな」
それ以上、何も言わなかった。
その夜。
執務机の上に、三通目の書簡が置かれていた。
簡素な紙。
飾り気のない文字。
【当たっただろう。あなたは、もう知っている】
モーリスは、無言で紙を握りしめた。
今度は――
破り捨てなかった。
長男であるエドモンは、誰の目にも分かるほど恵まれていた。
端正な顔立ちに、聡明な頭脳。学園時代の成績は常に上位で、教師からの信頼も厚い。
穏やかな気質で、人当たりも良く、自然と人の輪の中心に立つ男だった。
欠点を挙げるとすれば――人が良すぎること。それくらいしか、思いつかない。
両親がエドモンを可愛がるのは、当然のことだった。
一方、次男であるモーリスも、決して出来が悪かったわけではない。
顔立ちはむしろ兄より整っており、学園での成績も十分に優秀だった。
だが、兄と違い、彼の内側には常に鬱屈とした影があった。
どれほど努力しても、モントレー伯爵家を継ぐのは兄だ。それは、最初から決まっている。
自分に残されるのは、伯爵家が持つ従属爵位――ドルン男爵位だけ。
爵位はあるが、領地はない。
名は残るが、実権はない。
その未来を思うたび、胸の奥に苦いものが溜まっていった。
学園在学中、婚約話が持ち上がったことがある。
侯爵家の一人娘で、条件は「婿入り」。
爵位も財も一気に手に入る、願ってもない話だった。
だが、顔合わせの席で彼は失望した。
あまりにも――令嬢が醜かった。
無遠慮に肥えた体、品のない笑い方。
視線を向けるだけで、不快感が込み上げた。
モーリスは、その縁談を断った。
両親からは激しく叱責された。
将来を投げ捨てる愚行だと。
だが、その時、兄のエドモンだけが彼を庇った。
「無理に結ぶものじゃない。結婚は、人生だ」
その言葉が、余計に胸に刺さった。
やがて、モーリスはヴァレリアと出会う。
子爵家の次女で、家格は高くない。
だが、その美しさは圧倒的だった。
他の条件など、どうでも良くなった。
卒業後、二人は結婚し、モーリスはドルン男爵位を継承する。
それから二十年近く、月日は流れた。
生活は、決して豊かとは言えなかった。
モントレー伯爵家の事業の下請けとして仕事を回され、給与を得て暮らす日々。
「貴族と言っても、名ばかりね」
ヴァレリアは、よくそう口にした。
「モントレー伯爵家なんて、もっと酷い暮らしをしているそうじゃない?」
「父上が亡くなってから、領地は災害続きだ。兄は馬鹿正直だから、領民と同じ生活をしている」
「ああ、嫌だわ。平民みたいな暮らしなんて。ソフィア義姉様、よく耐えられるわね」
「兄嫁も、似たような性格だからな」
夫婦は、そう言って兄一家を嘲笑った。
だが、モーリスの胸の奥では、常に別の感情が燻っていた。
――なぜ、兄だけが伯爵なのか。
――なぜ、自分はここにいるのか。
そして、四年前。
その夜、モーリスは執務机の前で一人、書類を睨んでいた。
執事が控えめに扉を叩く。
「旦那様。書簡が一通、届いております」
「差出人は?」
「……記されておりません」
怪訝に思いながらも、受け取った。
封蝋はなく、装飾もない。
上質だが、過剰ではない紙。
中を開き、短い文面に目を走らせた。
【あなたは、無能ではない。
ただ、運と配置を誤っただけだ】
モーリスの顔が、みるみる険しくなる。
「……誰だ」
怒声は、誰に向けたものでもなかった。
愚弄でも、慰めでもない。
同情ですらない。
断定的で、踏み込んだ言葉。
「ふざけるな……!」
紙を握り潰し、その場で破り捨てる。
こんなものに、耳を貸す理由などない。
――それから、数日が過ぎた。
モーリスは、あの書簡のことを忘れたつもりでいた。破り捨てた紙切れは、すでに灰になっている。
机の上には、いつも通り、煩雑な帳簿と事業報告書。
だが、心のどこかに、引っかかりは残っていた。
【運と配置を誤っただけだ】
あまりにも、断定的だった。
慰めの言葉なら腹も立たない。
だが、あの文は違った。
まるで――事情を知っている者の口ぶりだった。
その夜。
再び、執事が書簡を持って現れた。
「旦那様。……また、書簡が届いております」
モーリスは顔を上げる。
「また?」
「はい。差出人は、やはり不明です」
一瞬、拒絶しようとして、指が止まった。
無言で受け取り、執事を下がらせる。
封は、前回と同じ。
簡素で、無駄がない。
封筒を開く。
【あなたは、今夜、腹を立てている。
理由は、帳簿の数字ではない】
モーリスの眉が、ぴくりと動いた。
文章には、続きがあった。
【兄が正しいのではない。
あなたが、選ばれなかっただけだ。
だが、選ばれる方法はある】
喉の奥が、ひくりと鳴った。
「……戯言だ」
そう呟きながらも、紙を破らなかった。
【一つ、試してみるといい。来月の契約更新。条件を飲むな。向こうは、必ず折れる】
そこまで読んで、モーリスは鼻で笑った。
「……馬鹿馬鹿しい、なんだこの手紙は」
来月更新の契約。
モントレー伯爵家の下請けの一つだ。
条件は悪く、これ以上強気に出れば切られる可能性もある。
だが。
――必ず折れる。
その言葉が、妙に引っかかった。
翌朝。
何気ない顔で、モーリスは執事に指示を出した。
「例の契約だが……条件の一部を修正しろ。こちらの要求を入れた案を出せ」
「……よろしいのですか?旦那様。先方は強硬ですが……」
「いい。出せ」
理由は言わなかった。
結果は、三日後に出た。
先方は、折れた。
完全ではないが、こちらの要求が通った。
モーリスは、執務机の前で、しばらく動けずにいた。
「……偶然だ」
そう言い聞かせた。
その日の夕方。
屋敷に戻り、家族で晩餐を囲んでいるとリゼットが、何気ない調子で口を開いた。
「お父様、少しお疲れのようですね」
「……ここ最近、忙しかったからな」
「顔色が…あまり…。お身体が心配です」
顔を俯かせ、心配するリベットの様子にモーリスは宥めるように言葉を返す。
「リゼットは優しいな。確かに疲れてるな…契約更新というのは、新規よりも骨が折れる」
「旦那様。お仕事のお話は、食事中は控えてくださいまし」
ヴァレリアが鋭い視線を向けると、モーリスは小さく息を吐いた。
「おお、すまない……」
一拍の静けさのあと、リゼットが再び口を開く。
「お父様……あまり、無理に折れなくてもよろしいのではありませんか」
モーリスは、思わず顔を上げた。
「……どういう意味だ?」
「交渉相手というのは……強く出ている時ほど、引けないだけのことも多いのではないでしょうか」
穏やかな声音だった。
「一歩踏み出してみれば……案外、向こうが譲ることもありますわ」
柔らかな言葉遣い。
あくまで、娘としての何気ない助言だった。
だが――
その内容は、モーリスの脳裏に焼き付いていた文面と、あまりにも重なっていた。
必ず折れる。
モーリスは、笑みを作ろうとした。
だが、口元はわずかに引きつったままだった。
「……ああ、そうだな」
それ以上、何も言わなかった。
その夜。
執務机の上に、三通目の書簡が置かれていた。
簡素な紙。
飾り気のない文字。
【当たっただろう。あなたは、もう知っている】
モーリスは、無言で紙を握りしめた。
今度は――
破り捨てなかった。
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