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2.一学期はすべての布石のために
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「まずい話なんて何一つしていないわ。でも、生徒会室の会話が漏れ聞こえるというのはまずいわね。だってここで会話する内容は、必ずしも一般の生徒に聞かれて良い話ばかりというわけにはいかないんですもの。だから、今度からはきちんと扉をノックして、自分の名前を告げてね? そうじゃないと今みたいにびっくりしちゃうから」
そう言って優しげに微笑んだ一花はまさしく生徒会長そのものだった。
それも尊敬できる素敵な先輩ってタイプの。
一花の言葉に伊織は少し肩を落として、
「すみませんでした」
そんな伊織を不憫に思ったのか、一花は彼女をフォローする。
「次から気を付けてくれれば大丈夫だから。それにほら、今は生徒会の話をしていたわけではないから安心して」
「そうよ、だから私もここにいるわけだし」
里奈もそう言ったことで伊織の表情も明るくなる。
そのタイミングで、私は彼女に話しかけた。
「何か用があったのではない?」
「あ、そうでした! あの、実は夢乃さんのファンクラブを作りたいという要望が多数寄せられていまして……」
そう言うと、彼女は手に持っていた書類を一花に差し出した。
「これは、部活動申請の書類ですね」
「はい。どうやら夢乃ファンクラブという部活なら公式に活動できるのではと考えたようです。それが駄目なら同好会でも構わない、とも言っていました」
あらあらあら。
何だか素敵な方向に話が進んでいるようね。
これは彼女が白か黒かを見極めるチャンスでもあり、仮に白であった場合、彼女が使える人材であるのかを判断するチャンスでもあるわ。
そう言って優しげに微笑んだ一花はまさしく生徒会長そのものだった。
それも尊敬できる素敵な先輩ってタイプの。
一花の言葉に伊織は少し肩を落として、
「すみませんでした」
そんな伊織を不憫に思ったのか、一花は彼女をフォローする。
「次から気を付けてくれれば大丈夫だから。それにほら、今は生徒会の話をしていたわけではないから安心して」
「そうよ、だから私もここにいるわけだし」
里奈もそう言ったことで伊織の表情も明るくなる。
そのタイミングで、私は彼女に話しかけた。
「何か用があったのではない?」
「あ、そうでした! あの、実は夢乃さんのファンクラブを作りたいという要望が多数寄せられていまして……」
そう言うと、彼女は手に持っていた書類を一花に差し出した。
「これは、部活動申請の書類ですね」
「はい。どうやら夢乃ファンクラブという部活なら公式に活動できるのではと考えたようです。それが駄目なら同好会でも構わない、とも言っていました」
あらあらあら。
何だか素敵な方向に話が進んでいるようね。
これは彼女が白か黒かを見極めるチャンスでもあり、仮に白であった場合、彼女が使える人材であるのかを判断するチャンスでもあるわ。
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