その女、女狐につき。2

高殿アカリ

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終章

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 夢乃はそのまま学校を去っていった。

 またまた、アメリカの学校へ行くんだとか。



 本当かどうかは甚だ怪しいところだけど。



 始めは夢乃の転校に、嘆き憂いていた生徒たちも、三学期になるころには夢乃の存在なんて忘れてしまったみたいに落ち着きを取り戻していた。 



 夢乃が学校を去らない可能性も考えて、私は二年前の事件のことを警察に話した。

 だけど、結局、警察は動かなかった。



 そんな事件なんてまるでなかった、みたいに。

 加賀美満吉なんて人はいなかった、みたいに。



 警察内に何らかの大きな力が働いているのかもしれない。

 そして、その力が夢乃と無関係、なんてこともないはずで。



 ……彼女は一体何者だったのかしら。



 そんな風に考えて、けれど全ては終わったことだと自分を納得させた。



 だけどこのとき、私は気付いていなかった。

 これが物語の終焉などではなく、ただの序章にしか過ぎないことに。




 三学期。

 雪がちらついて、吐く息が白く染まる。



 私たちは、冬の間に計画を立てていた。

 来年の夏休みの旅行についての計画を。



「ねぇ、愛美」

「何? 一花」



「来年の旅行はさ、フウガくんたちと愛美の他に、里奈や伊織も一緒に行けたらいいな、って思うの」



 一花のこの一言で旅行には黒閻メンバーの他に、現生徒会メンバーが加わることとなった。



 一花がこの手の要望を言うのは珍しかった。

 私は肩眉を上げて、訝しがったものだ。



 そんな私の様子にも、このときの一花はただ曖昧に微笑んでいただけだっけ。



 もしかしたら、この頃から既に何かの兆候はあったのかもしれない。

 私たちがただ見落とし、そして一花が異変を伝えようとしなかっただけで。
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