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春、高校二年生になった俺たちは今年も今年とて、一緒に足並みを揃えて高校の校門をくぐった。

誰がそうしようと言い出した訳ではなかったし、小学校低学年の頃こそ、親に一緒に行くように言われていたが、この歳にもなって誰かに強制されている訳ではない。
ただ、俺たちは三人で一緒にあまりにも多くの時を過ごしてきた。

一緒に入らなければ、新しい年が始まった気がしないのだ。
と、一人で思っている。

校門から校舎に向かう時、俺たちは注目の的になる。

それもそのはずだ。
学校一のイケメン二人が僕を真ん中にして登校しているのだから。

「あ、斗真君よ」
「ほんとだ、今日も素敵ね。物憂げで、切なげで、一体どんなことを考えているのかしら」

……お弁当の中身について考えているだろうよ。
それか、今日の夜ご飯のことか。
どちらにしても変わりはない。

「いつ見てもカッコいいわ、翔琉君」
「あれで女遊びなんてまるで聞かないんだから、本当に素敵よね」

……多分、好きな子にアプローチかけられないだけだろ。
翔琉なんてヘタレの塊みたいなもんだし。

聞こえてくる周りの声に一々突っ込みを入れてしまうのが俺の日課になっている。
中々的外れなことを言うものだから、これがまた面白いのだ。

一人で笑いそうになるのを堪える。

もしも俺が女の子だったらきっとこんな悠長な気分でいれないだろうな。
針のむしろというか、きっと他の女の子たちからの嫉妬の視線にかなり苦しめられたはずだ。
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