上 下
14 / 29

14

しおりを挟む
 ある日、どかどかと足音を鳴り響かせながら、レナが家にやって来た。



 そして、俺たち三人の腕を取り、ちゃぶ台の前まで連れてくる。



「はい、そこに正座」



 レナはどこか怒った口調だった。

 俺たちはそのことに疑問を持ちながらも、彼女の指示に従った。



 ほら、あれだ。

 触らぬJKにほにゃららら、というやつだ。



 彼女は怒りによる興奮を抑えると、その整った顔を盛大に歪めて、



「ねぇ、『追放命令』って何よ」



 低い声色でそう言った。



「「「……」」」



「……答えなさいよ」



「いや、えっと……。そ、そういや今日の晩飯は何だったっけ、裕也」



「お、俺に振るなよ。ま、雅也は何が食べたい?」



「え、えーっと。そ、そうだ! レナちゃんも一緒に食べない?」



 俺たちのしどろもどろな話題転換に、彼女のこめかみがピクピクと動く。



 それから、ふぅぅぅっと長い溜息を吐いて、レナは顔を上げた。



「まぁ、いいわ。そのことについては、あいつらから直接聞かされたしね。あいつらが醜いと思う人を、たったそれだけのことでチームから追い出すんですってね。……次はあんたたち三人だって言ってたわよ。『醜い奴らは、チームにふさわしくない』って笑いながらね」
しおりを挟む

処理中です...