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まるで水の中にいるみたいだ。
呼吸さえままならない。
苦しくて、苦しくて。
息も出来ずにただ死を待つのみで。

ふとした気の緩みで、身体中を満たしている泡という生命力が流れ出てしまいそうだ。

こんな風に生きてゆくのなら、僕はもういっそ死んでいきたい。
隣に君がいない世界なんて、どうせ耐えられやしないのだから。
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