8 / 40
第一章 日常
8★
しおりを挟む
(……誕生日? あ! 誕生日じゃん!)
その瞬間、はっと視界が鮮明になる。愛生は周の瞳を見つめて、満面の笑みを浮かべた。
「今日、周の誕生日じゃん!」
周は一瞬だけ怪訝な表情をしていたようにも見えたが、すぐに気づいたように笑顔を返した。
「あーー、そういえば、そうだったっけ。……忘れて、た」
へらりと笑う周の顔がどこかすぐれないように見えるのは、忘れていたことが気まずいからだろう。愛生はそう結論付けると、周の唇にそっとキスを贈った。
「ハッピーバースデー、周~」
「ありがとう、愛生」
ふっと笑った周が愛生にキスを返す。だが、その表情を見て、愛生は強い違和感に襲われた。
『■■のレアな笑顔ゲットー! そんなんでちゃんと仕事できるの?』
『うるせぇ、ちゃんと仕事ではやれてるし』
周と重なる姿が見える。あれは、周――? いや、でも。
混乱する愛生の唇を周が強く吸い付いた。混乱は容易く快感への予兆へと変化する。
「じゃあ、今日はこのままずっと一緒にいようよ」
周の甘い問いかけに、頬を染めた愛生はこくりと頷いた。
「――うん。なんかもうわけわかんないから、ぐちゃぐちゃにして」
周の首に縋りつきながら愛生はなんだか泣きたくなった。
周が愛生の唇に噛みつく。愛生はそのまま自分が食べられてしまうような気がして、少しだけ怖かった。一方で、甘い予感に身体を震わせてもいた。
「知らないからな」
ひとしきり愛生の唇を堪能したあと、周の唇がゆっくりと下に降りていく。ちゅ、と軽いリップ音がこれからの情事を思い起こさせるので、愛生は無性に恥ずかしさを感じる。
愛生のTシャツがするりとあっけなく脱がされてしまうと、そのまま周は愛生を抱き上げた。それからリビングにあるソファに優しく愛生の身体を下ろす。
ふっと微笑んだ周の瞳には切羽詰まった情欲が溢れ、愛生はきゅうと自分の胸が締め付けられるのを感じた。
「ん、」
再び唇を吸い合いながら、周の手のひらが愛生の全身を優しく撫でていく。細くも骨ばった周の指先が愛生は大好きだった。
周の手が愛生の腹を滑り、徐々に上がっていく。そのまま上半身に色づく薄桃色の突起物に辿り着くと、既に固くしこっていたそこを押し込んだ。
「っあ」
たったそれだけで背中を快感が駆けていく。目を開いて周を見ると、彼は雄の顔で愛生を見つめ返していた。流し目の色気が駄々洩れていて、この人とこれからもっと大胆なことをするのだ、と愛生は一人で頬を染めた。
周が愛生の首筋に顔を埋める。ちゅうっとリップ音と共に軽い痛みが愛生の首に訪れる。
(あ、キスマーク……)
愛生が理解すると同時に、周の唇が下りていく。やがて周は余っていたもう一つの突起物に辿り着く。そのまま唇を寄せて、そっと舌を出した。
温かい周の舌が愛生のそこに触れると、愛生は思わず腰を浮かせた。自分が求めていたのはこの温かさだったのだと本能で感じ取ったのだ。
「ん、やぁ……あ」
「ふ、可愛い」
周の吐息が乳首にかかる。もどかしいようなじれったいような快感が愛生をぞくぞくとさせている。
周が自身の服を脱ぎ捨てると、細身でありながらもしっかりと筋肉のついた体躯が現れた。ぽっと愛生の頬が染まる。
その隙に周は再び覆い被さりながら、愛生のズボンに手をかけた。カチャカチャとベルトの外れる音がして、あっという間に下半身は下着だけになってしまった。
「ここ、もうこんなになってるね」
周が興奮したように愛生の下半身を見ていた。そこはしっかりと起っているだけでなく、少し先走りで下着に濃いシミが広がっていた。猛烈に恥ずかしさがこみあげてきて、愛生は自分の顔を腕で隠した。
「やめっ。……見ない、で」
「どうして? こんなに可愛いのに」
周が愛生の屹立に手を伸ばす。そこは既に固くあつく、天を向いていた。
「っつ、あ!」
周の手が愛生のそこに沿う。ゆっくりと愛生の気持ちいい部分を攻めるように指や手のひら全体でいやらしく触られる。ぐちゅぐちゅと愛生の耳に水っぽい音が聞こえ、それは卑猥さを伴って愛生の耳を犯した。
前が気持ちよくなってくると、後ろの穴もぐずぐずと解れてくるのが分かった。
「っ、あま、ね……うし、ろも……」
とろんとした目で愛生が周に懇願する。くっと喉を鳴らして、周は愛生の首に顔を埋めた。それから自身の指を愛生の尻に添えると、甘く香りひくひくと周を誘うそこに指を入れた。
その瞬間、はっと視界が鮮明になる。愛生は周の瞳を見つめて、満面の笑みを浮かべた。
「今日、周の誕生日じゃん!」
周は一瞬だけ怪訝な表情をしていたようにも見えたが、すぐに気づいたように笑顔を返した。
「あーー、そういえば、そうだったっけ。……忘れて、た」
へらりと笑う周の顔がどこかすぐれないように見えるのは、忘れていたことが気まずいからだろう。愛生はそう結論付けると、周の唇にそっとキスを贈った。
「ハッピーバースデー、周~」
「ありがとう、愛生」
ふっと笑った周が愛生にキスを返す。だが、その表情を見て、愛生は強い違和感に襲われた。
『■■のレアな笑顔ゲットー! そんなんでちゃんと仕事できるの?』
『うるせぇ、ちゃんと仕事ではやれてるし』
周と重なる姿が見える。あれは、周――? いや、でも。
混乱する愛生の唇を周が強く吸い付いた。混乱は容易く快感への予兆へと変化する。
「じゃあ、今日はこのままずっと一緒にいようよ」
周の甘い問いかけに、頬を染めた愛生はこくりと頷いた。
「――うん。なんかもうわけわかんないから、ぐちゃぐちゃにして」
周の首に縋りつきながら愛生はなんだか泣きたくなった。
周が愛生の唇に噛みつく。愛生はそのまま自分が食べられてしまうような気がして、少しだけ怖かった。一方で、甘い予感に身体を震わせてもいた。
「知らないからな」
ひとしきり愛生の唇を堪能したあと、周の唇がゆっくりと下に降りていく。ちゅ、と軽いリップ音がこれからの情事を思い起こさせるので、愛生は無性に恥ずかしさを感じる。
愛生のTシャツがするりとあっけなく脱がされてしまうと、そのまま周は愛生を抱き上げた。それからリビングにあるソファに優しく愛生の身体を下ろす。
ふっと微笑んだ周の瞳には切羽詰まった情欲が溢れ、愛生はきゅうと自分の胸が締め付けられるのを感じた。
「ん、」
再び唇を吸い合いながら、周の手のひらが愛生の全身を優しく撫でていく。細くも骨ばった周の指先が愛生は大好きだった。
周の手が愛生の腹を滑り、徐々に上がっていく。そのまま上半身に色づく薄桃色の突起物に辿り着くと、既に固くしこっていたそこを押し込んだ。
「っあ」
たったそれだけで背中を快感が駆けていく。目を開いて周を見ると、彼は雄の顔で愛生を見つめ返していた。流し目の色気が駄々洩れていて、この人とこれからもっと大胆なことをするのだ、と愛生は一人で頬を染めた。
周が愛生の首筋に顔を埋める。ちゅうっとリップ音と共に軽い痛みが愛生の首に訪れる。
(あ、キスマーク……)
愛生が理解すると同時に、周の唇が下りていく。やがて周は余っていたもう一つの突起物に辿り着く。そのまま唇を寄せて、そっと舌を出した。
温かい周の舌が愛生のそこに触れると、愛生は思わず腰を浮かせた。自分が求めていたのはこの温かさだったのだと本能で感じ取ったのだ。
「ん、やぁ……あ」
「ふ、可愛い」
周の吐息が乳首にかかる。もどかしいようなじれったいような快感が愛生をぞくぞくとさせている。
周が自身の服を脱ぎ捨てると、細身でありながらもしっかりと筋肉のついた体躯が現れた。ぽっと愛生の頬が染まる。
その隙に周は再び覆い被さりながら、愛生のズボンに手をかけた。カチャカチャとベルトの外れる音がして、あっという間に下半身は下着だけになってしまった。
「ここ、もうこんなになってるね」
周が興奮したように愛生の下半身を見ていた。そこはしっかりと起っているだけでなく、少し先走りで下着に濃いシミが広がっていた。猛烈に恥ずかしさがこみあげてきて、愛生は自分の顔を腕で隠した。
「やめっ。……見ない、で」
「どうして? こんなに可愛いのに」
周が愛生の屹立に手を伸ばす。そこは既に固くあつく、天を向いていた。
「っつ、あ!」
周の手が愛生のそこに沿う。ゆっくりと愛生の気持ちいい部分を攻めるように指や手のひら全体でいやらしく触られる。ぐちゅぐちゅと愛生の耳に水っぽい音が聞こえ、それは卑猥さを伴って愛生の耳を犯した。
前が気持ちよくなってくると、後ろの穴もぐずぐずと解れてくるのが分かった。
「っ、あま、ね……うし、ろも……」
とろんとした目で愛生が周に懇願する。くっと喉を鳴らして、周は愛生の首に顔を埋めた。それから自身の指を愛生の尻に添えると、甘く香りひくひくと周を誘うそこに指を入れた。
5
あなたにおすすめの小説
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる