その女、女狐につき。

高殿アカリ

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予告的序章

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 一人の少女が空港のターミナルから出てきた。



 その少女は、短い金色の髪を弾ませて。

 その少女は、青い色の瞳を輝かせて。

 その少女は、儚く可憐に微笑んで。



「愛美ちゃん、私が戻ったって知ったら驚くかなぁ」



 心底愉快そうに、彼女は歩き始めた。



 何も知らない私たちは、その日、三学期を迎えていた。
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