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第1章
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飛び出した時は夜だった。
飛び出した先は闇だった。
すやすやと健やかな寝息をたてているキキをそっと眺めて、私は家を出た。
十三歳と数ヶ月のことだったと思う。
世界中に飽和している汚染された大気が一日中空を覆っていて、日付という体感を人類が失ってしまってから随分と久しい。
先日、無意味な日付と天気を表示するだけのモニターもついに壊れてしまった。
今は数日前の時刻を定時したまま、少しのノイズを走らせているだけだ。
修理するアンドロイドはまだ、来ない。
終焉の足音は確実に私達の元へと聞こえてきている。
完璧に彩られたこのワンルームにも、その手を伸ばし始めた。
終わりはもうすぐだった。
唐突に配布されることになったアンドロイドに関しても不信感を抱いてはいる。
小さな王国に囚われ、情報という情報が遮断されたとしても、私には考える力があるのだから。
でも、だからこそ。
私には「生きる意味」が必要だった。
怠惰にただ死んでいくだけの生命は、本当に生きていると言えるのだろうか。
その生き方に胸を張れるのだろうか。
その生き方を誇りに思えるのだろうか。
そんな時、下層居住区にて噂になっているテロ組織暁の首謀者、モグラがこんなことを言っていた。
「生きる意味を持って初めて、その生命は輝く……か」
モグラの言葉を一人つぶやき、私は生ごみを排出するダクトに自らの身を滑り込ませた。
臭くて汚くてどうしようもないほどに醜い場所へとつながっている。
だからこそ、この入り口は私の命の始まりだと思えた。
いつも生ごみを捨てる時もそんな風に思っていた。
生きる意味についてキキが考えていないことは明白だった。
彼女にそれを考える必要があるのかどうかも私にはわからなかった。
もしかしたら考えなくてもただ生きるだけで幸せなのかもしれないけれど、私は違った。
私は「生きる意味」という概念を与えられたその瞬間からそれが必要なことだと思ったから。
クローゼットに押し込んでいた人一人が入れるぐらいの小さなポッドを取り出して、私はそこに入った。
緊急時用に最終手段として与えられた脱出ポッドだ。
私の代わりにやってくる黒猫のマリーを注文して私はダクトに入った。
歴史の授業で習った大型レジャー施設のウォータースライダーに乗り込む人間とたぶん同じ気持ちだ。あるいは、ロケットに乗り込む宇宙飛行士かも。
とにかく、怖さと覚悟と、それを上回る期待感に高揚していた。生まれて初めての武者震いってやつだ。
乗り込んだあとは、暗くてじめじめしとしていて臭いも酷かったけれど私はただ身を任せるしかなかった。
そのまま滑り落ちて、どのぐらいの時間が経っただろう。
終わりの見えない出口が唐突にやってきた。
とてつもない衝撃が体を抜け、私は出口にやっとたどり着いたと知った。
下層居住区に続くダクトから私の乗っている脱出ポッドが産み落とされた。
その衝撃で脱出ポッドの扉が空いて、私は外に飛び出した。
「うわぁぁぁ」
どすん、と尻もちを着いたのは幸運にも柔らかい汚物の上だった。
酷い臭気と大気汚染された空気が混ざり合って、ここは地獄だと思った。
臀部への痛みを我慢し、私は一刻も早く行動した。
ここでは一分一秒が命取りになるのだ。
あたふたしながらも懐に忍び込ませていたガスマスクを取り出して装着する。
それから深呼吸をひとつ。
「落ち着け、落ち着け」
右も左も分からないのは仕方がないことだ。
私が知っている常識や価値観はここに来れば何一つ通用しないことなど分かりきっていたじゃない。
未来に対する漠然たる不安に震える脚を叱咤して、よろよろと立ち上がる。
「命があっただけ儲け、かな……」
それから、ダクト付近に近づいて脱出ポットの細々とした機器が壊れたのを確認した。
使えるものはない、と思われた。
上を見上げ、ガスの向こうに聳えたつ上層居住区を目に焼き付けた。
これが、最後だ。
全ての愛おしいものを置いてきた。
もう戻ることは許されない、そう知っていながら。
「ばいばい、キキ……」
そう呟いて背中を向けた。
こうして、私は下層居住区へと降り立った。
汚物塗れの上をどのくらい歩いただろう。
しばらくすると、私の足元から汚物は消えていた。
その反面、ちらほらと姿を現しはじめたのは瓦礫の山だった。
処分されたモノ、モノ、モノ。
アンドロイドたちの光を喪った目が私を見つめ返す。
部屋にあった中で一番に頑丈な服を着ていても、鋭利な瓦礫の中に埋もれてしまえば簡単に切り裂かれるだろう。
その中にある虚弱な肉体など言うまでもない。
私は細心の注意を払って、瓦礫の頂点へと向かった。
高さこそ知れているが、一度でも足を滑らせれば怪我をすることは明白だったし、こんな不衛生な場所で怪我をしようものならば、呆気なく私は死んでしまうだろう。
それが上層居住区に住むという事なのだから。
上層居住区から来た私そのものこそが、予定調和に満たされた楽園でしか生きられない、そんな悲しい生き物である事の何よりの証明だった。
額から滴り落ちる汗が目に入る。
マスクの中で呼吸が荒くなる。
使い慣れていない筋肉たちが悲鳴を上げていくのが分かった。
それでも身体を動かし続けなければならない。
登るのをやめれば私は簡単に死ぬから。
死ぬ為に落ちてきたわけではないのだから。
私が息を切らして瓦礫の上に立った時には、空が紅色に染まり始めていた。
荒い呼吸と震える手足を叱咤して、私は下層居住区を見渡した。
見渡す限りにあるのは廃墟と瓦礫の山だけだった。
そこに誰かが住んでいるような気配は一切しない。
「……っはは」
私の中から出てきたのは乾いた笑い声だけだった。
騙された……?
こんな場所に人は住めない。
そんな事くらい私にも分かる。
下層居住区に人はいなかった。
暁もいない。いるはずがない。
だってこんな身を傷つける物ばかりしかない冷たい世界で活動できるなんて、そんな――――。
それは、だって……。
そこまで考えた時だった。
空虚な世界に拍手の音が響いた。
「誰……⁉」
勢いよく振り返った先に居たのは、一人の青年だった。
空色に淡く煌めく髪に、陽だまりのような明るい橙色の瞳をしていた。
彼の肌は、上層居住区に住んでいると言われても違和感がないほどに真っ白だった。
その静謐さはまるで天使のようであった。
彼は柔和な笑みを浮かべて、私の方に歩み寄ってきた。
その時間、〇.五秒ほど。
俊足すぎる俊足だったのだが、その事に気づくよりも先に私の身体はとうに限界を超えていた。
当然の事ながら、彼がガスマスクを着けていないことにも気付いてはいない。
闇の中に落ちていく身体と思考をふわりと名前も知らぬ彼に抱きとめられたのであるが、互いに触れ合った場所から彼の体温を感じることはなかった。
固くて冷たくて鋭くて、まるでこの世界みたいな――――。
私の意識はそこで途絶えた。
それから、どこか嘘くさい世界線で私は夢を見ていた。
マリーとキキが海に向かって走ってゆく。
私は本物の海というものを知らない。だけど確かにそこは海辺だった。
キラキラと太陽が乱反射していて眩しい。
カモメが空高く飛んでいる。
凪いだ青に包まれて、笑い合った私達は夢の中で唯一幸福だった。
その全てが輝き、煌めき、愛おしい――――。
飛び出した先は闇だった。
すやすやと健やかな寝息をたてているキキをそっと眺めて、私は家を出た。
十三歳と数ヶ月のことだったと思う。
世界中に飽和している汚染された大気が一日中空を覆っていて、日付という体感を人類が失ってしまってから随分と久しい。
先日、無意味な日付と天気を表示するだけのモニターもついに壊れてしまった。
今は数日前の時刻を定時したまま、少しのノイズを走らせているだけだ。
修理するアンドロイドはまだ、来ない。
終焉の足音は確実に私達の元へと聞こえてきている。
完璧に彩られたこのワンルームにも、その手を伸ばし始めた。
終わりはもうすぐだった。
唐突に配布されることになったアンドロイドに関しても不信感を抱いてはいる。
小さな王国に囚われ、情報という情報が遮断されたとしても、私には考える力があるのだから。
でも、だからこそ。
私には「生きる意味」が必要だった。
怠惰にただ死んでいくだけの生命は、本当に生きていると言えるのだろうか。
その生き方に胸を張れるのだろうか。
その生き方を誇りに思えるのだろうか。
そんな時、下層居住区にて噂になっているテロ組織暁の首謀者、モグラがこんなことを言っていた。
「生きる意味を持って初めて、その生命は輝く……か」
モグラの言葉を一人つぶやき、私は生ごみを排出するダクトに自らの身を滑り込ませた。
臭くて汚くてどうしようもないほどに醜い場所へとつながっている。
だからこそ、この入り口は私の命の始まりだと思えた。
いつも生ごみを捨てる時もそんな風に思っていた。
生きる意味についてキキが考えていないことは明白だった。
彼女にそれを考える必要があるのかどうかも私にはわからなかった。
もしかしたら考えなくてもただ生きるだけで幸せなのかもしれないけれど、私は違った。
私は「生きる意味」という概念を与えられたその瞬間からそれが必要なことだと思ったから。
クローゼットに押し込んでいた人一人が入れるぐらいの小さなポッドを取り出して、私はそこに入った。
緊急時用に最終手段として与えられた脱出ポッドだ。
私の代わりにやってくる黒猫のマリーを注文して私はダクトに入った。
歴史の授業で習った大型レジャー施設のウォータースライダーに乗り込む人間とたぶん同じ気持ちだ。あるいは、ロケットに乗り込む宇宙飛行士かも。
とにかく、怖さと覚悟と、それを上回る期待感に高揚していた。生まれて初めての武者震いってやつだ。
乗り込んだあとは、暗くてじめじめしとしていて臭いも酷かったけれど私はただ身を任せるしかなかった。
そのまま滑り落ちて、どのぐらいの時間が経っただろう。
終わりの見えない出口が唐突にやってきた。
とてつもない衝撃が体を抜け、私は出口にやっとたどり着いたと知った。
下層居住区に続くダクトから私の乗っている脱出ポッドが産み落とされた。
その衝撃で脱出ポッドの扉が空いて、私は外に飛び出した。
「うわぁぁぁ」
どすん、と尻もちを着いたのは幸運にも柔らかい汚物の上だった。
酷い臭気と大気汚染された空気が混ざり合って、ここは地獄だと思った。
臀部への痛みを我慢し、私は一刻も早く行動した。
ここでは一分一秒が命取りになるのだ。
あたふたしながらも懐に忍び込ませていたガスマスクを取り出して装着する。
それから深呼吸をひとつ。
「落ち着け、落ち着け」
右も左も分からないのは仕方がないことだ。
私が知っている常識や価値観はここに来れば何一つ通用しないことなど分かりきっていたじゃない。
未来に対する漠然たる不安に震える脚を叱咤して、よろよろと立ち上がる。
「命があっただけ儲け、かな……」
それから、ダクト付近に近づいて脱出ポットの細々とした機器が壊れたのを確認した。
使えるものはない、と思われた。
上を見上げ、ガスの向こうに聳えたつ上層居住区を目に焼き付けた。
これが、最後だ。
全ての愛おしいものを置いてきた。
もう戻ることは許されない、そう知っていながら。
「ばいばい、キキ……」
そう呟いて背中を向けた。
こうして、私は下層居住区へと降り立った。
汚物塗れの上をどのくらい歩いただろう。
しばらくすると、私の足元から汚物は消えていた。
その反面、ちらほらと姿を現しはじめたのは瓦礫の山だった。
処分されたモノ、モノ、モノ。
アンドロイドたちの光を喪った目が私を見つめ返す。
部屋にあった中で一番に頑丈な服を着ていても、鋭利な瓦礫の中に埋もれてしまえば簡単に切り裂かれるだろう。
その中にある虚弱な肉体など言うまでもない。
私は細心の注意を払って、瓦礫の頂点へと向かった。
高さこそ知れているが、一度でも足を滑らせれば怪我をすることは明白だったし、こんな不衛生な場所で怪我をしようものならば、呆気なく私は死んでしまうだろう。
それが上層居住区に住むという事なのだから。
上層居住区から来た私そのものこそが、予定調和に満たされた楽園でしか生きられない、そんな悲しい生き物である事の何よりの証明だった。
額から滴り落ちる汗が目に入る。
マスクの中で呼吸が荒くなる。
使い慣れていない筋肉たちが悲鳴を上げていくのが分かった。
それでも身体を動かし続けなければならない。
登るのをやめれば私は簡単に死ぬから。
死ぬ為に落ちてきたわけではないのだから。
私が息を切らして瓦礫の上に立った時には、空が紅色に染まり始めていた。
荒い呼吸と震える手足を叱咤して、私は下層居住区を見渡した。
見渡す限りにあるのは廃墟と瓦礫の山だけだった。
そこに誰かが住んでいるような気配は一切しない。
「……っはは」
私の中から出てきたのは乾いた笑い声だけだった。
騙された……?
こんな場所に人は住めない。
そんな事くらい私にも分かる。
下層居住区に人はいなかった。
暁もいない。いるはずがない。
だってこんな身を傷つける物ばかりしかない冷たい世界で活動できるなんて、そんな――――。
それは、だって……。
そこまで考えた時だった。
空虚な世界に拍手の音が響いた。
「誰……⁉」
勢いよく振り返った先に居たのは、一人の青年だった。
空色に淡く煌めく髪に、陽だまりのような明るい橙色の瞳をしていた。
彼の肌は、上層居住区に住んでいると言われても違和感がないほどに真っ白だった。
その静謐さはまるで天使のようであった。
彼は柔和な笑みを浮かべて、私の方に歩み寄ってきた。
その時間、〇.五秒ほど。
俊足すぎる俊足だったのだが、その事に気づくよりも先に私の身体はとうに限界を超えていた。
当然の事ながら、彼がガスマスクを着けていないことにも気付いてはいない。
闇の中に落ちていく身体と思考をふわりと名前も知らぬ彼に抱きとめられたのであるが、互いに触れ合った場所から彼の体温を感じることはなかった。
固くて冷たくて鋭くて、まるでこの世界みたいな――――。
私の意識はそこで途絶えた。
それから、どこか嘘くさい世界線で私は夢を見ていた。
マリーとキキが海に向かって走ってゆく。
私は本物の海というものを知らない。だけど確かにそこは海辺だった。
キラキラと太陽が乱反射していて眩しい。
カモメが空高く飛んでいる。
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