97 / 104
第97話 アカシに向かう
しおりを挟む
シグマのエネルギー充填が出来たので、ユグイゾーラに向けて出発した。
「ガンダルフ。どれくらいの時間が掛かりそうだ?」
「おい。カイン。今のメンバーって誰も世界樹の小枝を持って無いんじゃないか?」
「あ、そうだ。参ったな。だが異動速度はそんなに早く無さそうだし、前回行った辺りまで行けば、上空から見たら解るんじゃないのか?」
「取り敢えずそれで、向かって見る」
前回ユグイゾーラに向かった時には、聖教国の遥か北側にある針葉樹の森の中だったので、その辺りに向かって出発した。
オメガの中でお茶を飲みながら話していると、ジュウベエが聞いて来た。
「カイン。古代遺跡の場所をアルファは知っていたけど、ダンジョンの場所も全部知ってたりするのかな?」
「ん? どうだろ。聞いてみよう。アルファ。ちょっといいか?」
「ご主人様何でございましょうか?」
「ダンジョンの場所って、アルファ達は知っているのか?」
「お答えします。ダンジョンと呼ばれる場所のデータは御座いません」
「そうなんだ。もしかして、アルファ達の作られた時代には、ダンジョンが無かったとか?」
「お答えします。私たちが造り出された当時のデータは、文字識別以外の知識は一通りインプットされていますので、恐らく存在していなかった筈です」
「って事は、ダンジョンは古代文明の次代から、現在に至るまでの間に出来たと言う事か。今の世界史で記述があるのは精々ここ三千年の間の歴史だけだから。空白期間が7000年くらいはある筈だ。その間にダンジョン発生に繋がる何らかの事象が起こったって事だな」
「ふーん。誰かが造ったのかな? まぁダンジョンの場所はギルドに聞けばその地方に存在してるダンジョンなら教えて貰えるから、別に問題は無いよね?」
「まぁそうだな」
でも、一体古代文明は何で滅び去ったのかが気になるな。
現在のダンジョンの発生と全く関係ないとも思えない。
三時間程の飛行で、前回ユグイゾーラが存在していた場所まで辿り着く。
そこで、見た光景に目を疑う事になった……
あの巨大な世界樹の島の本体ともいえる、TB亀が回転しながら浮かび上がっていたのだ。
「すっごい迫力だね。ハイエルフ様たちって、あの亀の上で目を回したりしないのかな?」
「だが、あの状態だと俺達が上陸するのも不可能だな。ガンダルフ。見失わない様に、追跡してくれ」
「解った。しかしあの亀が飛ぶ仕組みを、突き止めたいぞ。解剖してみたいな」
「ガンダルフ…… 絶対それハイエルフ様たちを敵に回すからやめた方が良いと思うぞ?」
「残念じゃな」
そのまま北の海上に飛んで行くTB亀を追跡して行くと、海上が氷に覆われた辺りで、漸く氷の上へと着陸した。
手足を引っ込めた状態で、TB亀が氷上を滑る。
「僕こんなのどっかで見た事あるな。箒で進行方向掃きながら、陣取りするゲーム。確か『カーリング』だっけ?」
「あれはこんなに石がでかくねぇだろ!」
「って言うかさ亀って氷の上で行動できるのか? 冬眠しそうだな」
動きの止まったTB亀の側にオメガも着陸させて、俺達はアイシャとナディアに会いに行った。
アイシャに、爺ちゃんが旅立った事を伝えたが「お父様は、旅立つ時にこちらにもお知らせくださいました。「賢者を受け継ぐ者」として精進します」とメガネの中の瞳が力強い決意をしていた。
シュタットガルドから、絶対記憶を受け継いだお陰で、古代エルフ語の理解は、ナディアと共に随分と捗っているそうだ。
この調子なら、一年は掛からないだろうって事だった。
不思議な事に、極寒の地に来てるのだが、TB亀の上だけは別段寒くも無く、普段通りの生活が出来そうだ。
「世界樹の結界の中では、何処へ行こうと安定した気温の中で生活が可能です」とハイエルフのミカエル様が教えてくれた。
「ミカエル様。ユグイゾーラの行き場所は、ミカエル様たちの意志では決められないのですか?」
「そうです。世界樹を宿すTB亀の赴くままですね。流石に今回のような星の極点に来た事は今までで初めてですが、何か大きな変化が起こる前触れかも知れません」
「ハイエルフ様たちの間でも、古代文明の崩壊とダンジョンの発生に関しては、言い伝えは無いのでしょうか」
「カイン達は、それを知り、どうしたいと言うのですか?」
「解りません。今はまだ」
「そうですか…… あなた達が何を成したいのか決まれば、話を聞きましょう」
ミカエル様はきっと何かを知っているのかもしれないな?
と思ったが、取り敢えずは俺達もやりたい事が盛りだくさんだし、今は抱え込む事を止めておいた方が良いだろう。
俺達は予定通りにアケボノ国を目指して飛び立った。
「ジュウベエ。クラーケンと戦った事はあるのか?」
「いや…… あいつは、俺とは相性が悪い」
「まさか絶壊刀では切れないのか?」
「そうだ……」
「魔法攻撃だと倒しやすいとは聞いたけどな」
「魔法か…… 爺ちゃんが居ない今だと、俺の生活魔法か、フィルの聖魔法くらいしか無いな」
「カイン。忘れて無い? シグマなら普通に倒せると思うよ」
「お、レオネア。それ採用! じゃぁさっさと片付けて、レオネアの希望の魔国の古代遺跡を目指そうぜ」
「カイン。アカシも海の幸ではエドの街以上に名品が溢れているからな。美味い魚を仕入れて料理作ってくれよ」
「それも楽しみだな。最近はヨミノクニとか古代遺跡ばかりだから、全然新しい食材と出会えてないし、俺的にも禁断症状が出始めてた所だ」
折角だから、俺はまだ食べた事の無い、クラーケンを料理してみたいと思い、まだ見ぬ敵の姿を想像しながら、アカシの街に辿り着いた。
「ガンダルフ。どれくらいの時間が掛かりそうだ?」
「おい。カイン。今のメンバーって誰も世界樹の小枝を持って無いんじゃないか?」
「あ、そうだ。参ったな。だが異動速度はそんなに早く無さそうだし、前回行った辺りまで行けば、上空から見たら解るんじゃないのか?」
「取り敢えずそれで、向かって見る」
前回ユグイゾーラに向かった時には、聖教国の遥か北側にある針葉樹の森の中だったので、その辺りに向かって出発した。
オメガの中でお茶を飲みながら話していると、ジュウベエが聞いて来た。
「カイン。古代遺跡の場所をアルファは知っていたけど、ダンジョンの場所も全部知ってたりするのかな?」
「ん? どうだろ。聞いてみよう。アルファ。ちょっといいか?」
「ご主人様何でございましょうか?」
「ダンジョンの場所って、アルファ達は知っているのか?」
「お答えします。ダンジョンと呼ばれる場所のデータは御座いません」
「そうなんだ。もしかして、アルファ達の作られた時代には、ダンジョンが無かったとか?」
「お答えします。私たちが造り出された当時のデータは、文字識別以外の知識は一通りインプットされていますので、恐らく存在していなかった筈です」
「って事は、ダンジョンは古代文明の次代から、現在に至るまでの間に出来たと言う事か。今の世界史で記述があるのは精々ここ三千年の間の歴史だけだから。空白期間が7000年くらいはある筈だ。その間にダンジョン発生に繋がる何らかの事象が起こったって事だな」
「ふーん。誰かが造ったのかな? まぁダンジョンの場所はギルドに聞けばその地方に存在してるダンジョンなら教えて貰えるから、別に問題は無いよね?」
「まぁそうだな」
でも、一体古代文明は何で滅び去ったのかが気になるな。
現在のダンジョンの発生と全く関係ないとも思えない。
三時間程の飛行で、前回ユグイゾーラが存在していた場所まで辿り着く。
そこで、見た光景に目を疑う事になった……
あの巨大な世界樹の島の本体ともいえる、TB亀が回転しながら浮かび上がっていたのだ。
「すっごい迫力だね。ハイエルフ様たちって、あの亀の上で目を回したりしないのかな?」
「だが、あの状態だと俺達が上陸するのも不可能だな。ガンダルフ。見失わない様に、追跡してくれ」
「解った。しかしあの亀が飛ぶ仕組みを、突き止めたいぞ。解剖してみたいな」
「ガンダルフ…… 絶対それハイエルフ様たちを敵に回すからやめた方が良いと思うぞ?」
「残念じゃな」
そのまま北の海上に飛んで行くTB亀を追跡して行くと、海上が氷に覆われた辺りで、漸く氷の上へと着陸した。
手足を引っ込めた状態で、TB亀が氷上を滑る。
「僕こんなのどっかで見た事あるな。箒で進行方向掃きながら、陣取りするゲーム。確か『カーリング』だっけ?」
「あれはこんなに石がでかくねぇだろ!」
「って言うかさ亀って氷の上で行動できるのか? 冬眠しそうだな」
動きの止まったTB亀の側にオメガも着陸させて、俺達はアイシャとナディアに会いに行った。
アイシャに、爺ちゃんが旅立った事を伝えたが「お父様は、旅立つ時にこちらにもお知らせくださいました。「賢者を受け継ぐ者」として精進します」とメガネの中の瞳が力強い決意をしていた。
シュタットガルドから、絶対記憶を受け継いだお陰で、古代エルフ語の理解は、ナディアと共に随分と捗っているそうだ。
この調子なら、一年は掛からないだろうって事だった。
不思議な事に、極寒の地に来てるのだが、TB亀の上だけは別段寒くも無く、普段通りの生活が出来そうだ。
「世界樹の結界の中では、何処へ行こうと安定した気温の中で生活が可能です」とハイエルフのミカエル様が教えてくれた。
「ミカエル様。ユグイゾーラの行き場所は、ミカエル様たちの意志では決められないのですか?」
「そうです。世界樹を宿すTB亀の赴くままですね。流石に今回のような星の極点に来た事は今までで初めてですが、何か大きな変化が起こる前触れかも知れません」
「ハイエルフ様たちの間でも、古代文明の崩壊とダンジョンの発生に関しては、言い伝えは無いのでしょうか」
「カイン達は、それを知り、どうしたいと言うのですか?」
「解りません。今はまだ」
「そうですか…… あなた達が何を成したいのか決まれば、話を聞きましょう」
ミカエル様はきっと何かを知っているのかもしれないな?
と思ったが、取り敢えずは俺達もやりたい事が盛りだくさんだし、今は抱え込む事を止めておいた方が良いだろう。
俺達は予定通りにアケボノ国を目指して飛び立った。
「ジュウベエ。クラーケンと戦った事はあるのか?」
「いや…… あいつは、俺とは相性が悪い」
「まさか絶壊刀では切れないのか?」
「そうだ……」
「魔法攻撃だと倒しやすいとは聞いたけどな」
「魔法か…… 爺ちゃんが居ない今だと、俺の生活魔法か、フィルの聖魔法くらいしか無いな」
「カイン。忘れて無い? シグマなら普通に倒せると思うよ」
「お、レオネア。それ採用! じゃぁさっさと片付けて、レオネアの希望の魔国の古代遺跡を目指そうぜ」
「カイン。アカシも海の幸ではエドの街以上に名品が溢れているからな。美味い魚を仕入れて料理作ってくれよ」
「それも楽しみだな。最近はヨミノクニとか古代遺跡ばかりだから、全然新しい食材と出会えてないし、俺的にも禁断症状が出始めてた所だ」
折角だから、俺はまだ食べた事の無い、クラーケンを料理してみたいと思い、まだ見ぬ敵の姿を想像しながら、アカシの街に辿り着いた。
1
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる