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第三七話 龍そのものの力
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「お前らのその能力普通じゃねえな……俺はこれでも勇武生だったことがあるんだ。飛び抜けて異質な候補生、久々に見たぜ」
「な……ヒーロー志望がなんでヴィランなんかに……!」
目の前でニヤニヤと笑ってるポイズンクローの突然のカミングアウトに少し動揺する……確かに授業でも教えられていたが、ヒーローがなんらかの理由でヴィランへと転向してしまうことは割と多く、それは攻撃的かつ有用な才能の持ち主が日常生活をきちんと送ることが難しい、ということが原因とされている。
強い才能はその分人を傷つけてしまうことも容易だ、本人が意図せずに人を傷つけ、そして殺めてしまうと言うことも過去には何度も発生している。
さらにヒーローといえども人間だ……日々の生活に追われ、やむなくその才能を一般人へと向けてしまうというケースも存在している。
そして攻撃能力の高さは犯罪組織にとっても魅力的に写る……その力を悪用しようとする人間も後を絶たない。
それ故に勇武では道徳教育について念入りに行っていると聞いているし、ヒーローとして活動する免許制という制度において道徳についての再教育などもされているくらいなのだ。
それでもヴィランとなってしまうヒーローは少なからず存在する……それによりマスコミの批判の対象ともなり得る存在なのだ。
「……俺の能力を開示してやる。俺の力は相手に毒を与える……ちょっと苦しむ程度から、致死量まで自由自在だ」
「な、なんでそれを……」
「爪で傷をつけた場所から注入できる……つまり、お前は俺の爪に当たると死ぬってことだ? おい、ヘヴィメタルは小僧に手を出すな」
能力の開示を行うということは確実に相手を殺す、という意思表示に近い……つまりポイズンクローは僕をこれから殺しに来ると言っているのだ。
ヘヴィメタルと呼ばれた女性ヴィランはポイズンクローの言葉につまらなさそうな顔で頬を軽く掻くと、七緒さんを見て軽く手招きをしている。
「お嬢ちゃん、アタシと遊ぼう……アンタには名乗ってなかったね。アタシはヘヴィメタル、死を呼ぶアーティストさね」
「千裕っち……」
「七緒さん、僕は大丈夫だから気をつけて」
心配そうに僕をみつめる七緒さんだったが、僕は彼女に微笑むとポイズンクローとの一騎打ちに挑むべく少し離れた場所へと移動していく。
そんな様子を見ながらポイズンクローは満足そうに頷くと、僕の真正面へと立ち軽く手をバキバキと鳴らして笑う。先ほどの交錯で感じたが、このヴィランは格闘戦が恐ろしく洗練されている。
確実に正規の格闘術、しかも超高レベルにまで磨き上げられた本物の戦士だと思える……対する僕は自分の能力を全て解放できたわけでもない単なる学生。
「それでも……負けられないっ!」
「いい目だ、お前みたいなヒーローを殺さなきゃいけねえのは残念だが……死ねっ!」
その巨体に見合わない恐ろしく鋭い突進……そして渾身の右ストレートが繰り出される。僕はその拳を腕を使って受け流すと、体を回転させてポイズンクローの顔面に向かって裏拳を繰り出す。
だがその攻撃を左手の甲を使って受け止めたヴィランは、振り抜いた右腕を無造作に払うように振り、僕に叩きつけてくる……背中に強い衝撃が走り、僕の体が大きく跳ね飛ばされる。
「攻撃が素直すぎるんだよォ! ガキがっ!」
「ぐっ……」
僕は空中でくるりと猫のように回転すると、勢いを殺しながら地面を滑るように着地し再び突進する……息を深く、深く……全身に漲らせるように浸透させていく。
僕の体の表面に黄金の稲妻が走ると、僕はもう一段階加速する……地面を蹴り飛ばし、ポイズンクローが反応できないレベルの超加速で彼の死角へと移動すると、そのまま右拳を振り抜く。
「な……ぐううううううっ!」
ポイズンクローの脇腹に僕の渾身の一撃が叩き込まれる……だがその鋼のように鍛え上げられた肉体が、龍使いの呼吸を駆使した拳を受け止め、致命的なダメージを防いでいる。
まるで金属の板を殴りつけているような感覚に陥り、僕は顔を顰めるが……その僅かな隙を狙ってポイズンクローの一撃、拳ではなく左手に鋭く伸びた爪が僕の肩口に突き刺さる。
鋭い痛みと同時に無理やり肉体へと何か異物を詰め込まれるような感覚、そして冷たい何かが傷から入ってくる感触に襲われ、僕は全身を強く震わせる。
「ぐあ……あ……」
「小僧、お前はあまりに危険すぎる……致死性の毒をプレゼントだ。未来を奪うことを許せ」
次の瞬間、まるで皮膚の下に這いずり回る無数の虫がいるかのような悍ましい感覚と共に、耐え難い痛みが全身の自由を奪う……それは憎しみとも怒りとも、悲しみとも取れない複雑な感情の入り混じった凄まじい激痛。
僕は声を上げることも許されずに一瞬で目の前が真っ暗になっていくのを感じ、なんとか意識を繋げようと争うも僕の意識は完全に闇の中へと堕ちていく。
「ああ……これが死ぬって感覚なのか?」
「違うね、正確にはまだ死んでない」
いきなり僕の意識がはっきりとする……体は動かないし、視界はぼんやりとしているが僕は暗闇の中に浮かんでいるような感覚で何やら気持ち悪さを感じている。
さっきから話しかけている人は……僕は左右を見渡すが、そこには誰も姿を見せておらず正直どこから聞こえてきているのかわからないまま、ちょっと気持ち悪さを感じている。
僕はポイズンクローの攻撃で致死量の毒を注入された……ものの数分で死ぬのだろうし、死ぬ前に幻覚でも見ているのかもしれないな……一応声の主に話しかけてみる。
「あなたは誰なんですか?」
「先代も僕と面会した時に同じセリフを口にしたよ、龍使いはみんな同じことを考えるね」
急にぼんやりとした視界の中に笑顔で僕を見つめる一人の少年が立っている……不思議な印象を持つ少年だ、非常に整っているが歳の頃は僕より下、一〇歳前後のようにも見える。
黒髪に浅黒い肌をしており、異様なのはその目が明らかに人の目ではない、ということだろうか? 瞳孔は縦に長く虹彩はエメラルドのような色を帯びている。
「先代? 千景さんが言ってた……」
「そうそう竜胆 刃って言ってね、そりゃもちろん強かったよぉ?」
少年はカラカラと笑うとその異様な輝きをもつ眼を興味深そうに僕へと向ける……なんだろう爬虫類のように思える眼だ。まるで西洋の伝説に出てくる竜のような不気味な眼をしている。
じっと僕を見つめていた少年は、ふむ、と何か納得したかのような顔をすると僕の額に軽くパチン! と指を当てる。
「なあ千裕くん、君……強くなりたいのかい? それとも強くなれると思ってないのかい?」
「それはどういう……」
「君はもう龍使いだろ? 毒如きで死にかけるとかありえないんだけど。しかもあの程度の筋肉に阻まれるし……」
少年は呆れ返ったような顔で僕を見ているが、言っている意味が分からない……強くなりたいと思って勇武に転入した、千景さんの地獄のような訓練にも耐えた、ヴィランとも戦った……強くなりたくないなんて思ったりはしていないはずだ。
しかし少年はまるでつまらないものを見るかのような目で、じっと僕を見つめる……その眼光は冷たく、まるで僕の心の中を見通すような、そんな冷たい光を帯びている。
「だからさ……ちょっと借りるよ、君の体」
「え? 借りるってどういうことですか?!」
僕の質問に答える気がなさそうに、非常に冷たい笑みを浮かべた少年はその姿を大きく変えていく……ずるりと巨大な肉体が闇の中から現れていく。
巨大な頭には二本の大きな角が生えており、黄金の輝きを放つその巨体は伝説の中にあるような龍、そのものの姿をしている。長く伸びた細い胴体と鋭い爪を持った太い脚、そしてその目は先ほどまで僕を見つめていたあの、縦に長い瞳孔を持ったエメラルドグリーンの目をしている。
僕を見てニヤリと笑った龍はまるで宣言するかのように僕に向かって大きく口を開く。
「龍使い、それは龍そのものの力だ……お前は選ばれたのだからな? 祖として、ここで死ぬことは許さぬ」
「な……ヒーロー志望がなんでヴィランなんかに……!」
目の前でニヤニヤと笑ってるポイズンクローの突然のカミングアウトに少し動揺する……確かに授業でも教えられていたが、ヒーローがなんらかの理由でヴィランへと転向してしまうことは割と多く、それは攻撃的かつ有用な才能の持ち主が日常生活をきちんと送ることが難しい、ということが原因とされている。
強い才能はその分人を傷つけてしまうことも容易だ、本人が意図せずに人を傷つけ、そして殺めてしまうと言うことも過去には何度も発生している。
さらにヒーローといえども人間だ……日々の生活に追われ、やむなくその才能を一般人へと向けてしまうというケースも存在している。
そして攻撃能力の高さは犯罪組織にとっても魅力的に写る……その力を悪用しようとする人間も後を絶たない。
それ故に勇武では道徳教育について念入りに行っていると聞いているし、ヒーローとして活動する免許制という制度において道徳についての再教育などもされているくらいなのだ。
それでもヴィランとなってしまうヒーローは少なからず存在する……それによりマスコミの批判の対象ともなり得る存在なのだ。
「……俺の能力を開示してやる。俺の力は相手に毒を与える……ちょっと苦しむ程度から、致死量まで自由自在だ」
「な、なんでそれを……」
「爪で傷をつけた場所から注入できる……つまり、お前は俺の爪に当たると死ぬってことだ? おい、ヘヴィメタルは小僧に手を出すな」
能力の開示を行うということは確実に相手を殺す、という意思表示に近い……つまりポイズンクローは僕をこれから殺しに来ると言っているのだ。
ヘヴィメタルと呼ばれた女性ヴィランはポイズンクローの言葉につまらなさそうな顔で頬を軽く掻くと、七緒さんを見て軽く手招きをしている。
「お嬢ちゃん、アタシと遊ぼう……アンタには名乗ってなかったね。アタシはヘヴィメタル、死を呼ぶアーティストさね」
「千裕っち……」
「七緒さん、僕は大丈夫だから気をつけて」
心配そうに僕をみつめる七緒さんだったが、僕は彼女に微笑むとポイズンクローとの一騎打ちに挑むべく少し離れた場所へと移動していく。
そんな様子を見ながらポイズンクローは満足そうに頷くと、僕の真正面へと立ち軽く手をバキバキと鳴らして笑う。先ほどの交錯で感じたが、このヴィランは格闘戦が恐ろしく洗練されている。
確実に正規の格闘術、しかも超高レベルにまで磨き上げられた本物の戦士だと思える……対する僕は自分の能力を全て解放できたわけでもない単なる学生。
「それでも……負けられないっ!」
「いい目だ、お前みたいなヒーローを殺さなきゃいけねえのは残念だが……死ねっ!」
その巨体に見合わない恐ろしく鋭い突進……そして渾身の右ストレートが繰り出される。僕はその拳を腕を使って受け流すと、体を回転させてポイズンクローの顔面に向かって裏拳を繰り出す。
だがその攻撃を左手の甲を使って受け止めたヴィランは、振り抜いた右腕を無造作に払うように振り、僕に叩きつけてくる……背中に強い衝撃が走り、僕の体が大きく跳ね飛ばされる。
「攻撃が素直すぎるんだよォ! ガキがっ!」
「ぐっ……」
僕は空中でくるりと猫のように回転すると、勢いを殺しながら地面を滑るように着地し再び突進する……息を深く、深く……全身に漲らせるように浸透させていく。
僕の体の表面に黄金の稲妻が走ると、僕はもう一段階加速する……地面を蹴り飛ばし、ポイズンクローが反応できないレベルの超加速で彼の死角へと移動すると、そのまま右拳を振り抜く。
「な……ぐううううううっ!」
ポイズンクローの脇腹に僕の渾身の一撃が叩き込まれる……だがその鋼のように鍛え上げられた肉体が、龍使いの呼吸を駆使した拳を受け止め、致命的なダメージを防いでいる。
まるで金属の板を殴りつけているような感覚に陥り、僕は顔を顰めるが……その僅かな隙を狙ってポイズンクローの一撃、拳ではなく左手に鋭く伸びた爪が僕の肩口に突き刺さる。
鋭い痛みと同時に無理やり肉体へと何か異物を詰め込まれるような感覚、そして冷たい何かが傷から入ってくる感触に襲われ、僕は全身を強く震わせる。
「ぐあ……あ……」
「小僧、お前はあまりに危険すぎる……致死性の毒をプレゼントだ。未来を奪うことを許せ」
次の瞬間、まるで皮膚の下に這いずり回る無数の虫がいるかのような悍ましい感覚と共に、耐え難い痛みが全身の自由を奪う……それは憎しみとも怒りとも、悲しみとも取れない複雑な感情の入り混じった凄まじい激痛。
僕は声を上げることも許されずに一瞬で目の前が真っ暗になっていくのを感じ、なんとか意識を繋げようと争うも僕の意識は完全に闇の中へと堕ちていく。
「ああ……これが死ぬって感覚なのか?」
「違うね、正確にはまだ死んでない」
いきなり僕の意識がはっきりとする……体は動かないし、視界はぼんやりとしているが僕は暗闇の中に浮かんでいるような感覚で何やら気持ち悪さを感じている。
さっきから話しかけている人は……僕は左右を見渡すが、そこには誰も姿を見せておらず正直どこから聞こえてきているのかわからないまま、ちょっと気持ち悪さを感じている。
僕はポイズンクローの攻撃で致死量の毒を注入された……ものの数分で死ぬのだろうし、死ぬ前に幻覚でも見ているのかもしれないな……一応声の主に話しかけてみる。
「あなたは誰なんですか?」
「先代も僕と面会した時に同じセリフを口にしたよ、龍使いはみんな同じことを考えるね」
急にぼんやりとした視界の中に笑顔で僕を見つめる一人の少年が立っている……不思議な印象を持つ少年だ、非常に整っているが歳の頃は僕より下、一〇歳前後のようにも見える。
黒髪に浅黒い肌をしており、異様なのはその目が明らかに人の目ではない、ということだろうか? 瞳孔は縦に長く虹彩はエメラルドのような色を帯びている。
「先代? 千景さんが言ってた……」
「そうそう竜胆 刃って言ってね、そりゃもちろん強かったよぉ?」
少年はカラカラと笑うとその異様な輝きをもつ眼を興味深そうに僕へと向ける……なんだろう爬虫類のように思える眼だ。まるで西洋の伝説に出てくる竜のような不気味な眼をしている。
じっと僕を見つめていた少年は、ふむ、と何か納得したかのような顔をすると僕の額に軽くパチン! と指を当てる。
「なあ千裕くん、君……強くなりたいのかい? それとも強くなれると思ってないのかい?」
「それはどういう……」
「君はもう龍使いだろ? 毒如きで死にかけるとかありえないんだけど。しかもあの程度の筋肉に阻まれるし……」
少年は呆れ返ったような顔で僕を見ているが、言っている意味が分からない……強くなりたいと思って勇武に転入した、千景さんの地獄のような訓練にも耐えた、ヴィランとも戦った……強くなりたくないなんて思ったりはしていないはずだ。
しかし少年はまるでつまらないものを見るかのような目で、じっと僕を見つめる……その眼光は冷たく、まるで僕の心の中を見通すような、そんな冷たい光を帯びている。
「だからさ……ちょっと借りるよ、君の体」
「え? 借りるってどういうことですか?!」
僕の質問に答える気がなさそうに、非常に冷たい笑みを浮かべた少年はその姿を大きく変えていく……ずるりと巨大な肉体が闇の中から現れていく。
巨大な頭には二本の大きな角が生えており、黄金の輝きを放つその巨体は伝説の中にあるような龍、そのものの姿をしている。長く伸びた細い胴体と鋭い爪を持った太い脚、そしてその目は先ほどまで僕を見つめていたあの、縦に長い瞳孔を持ったエメラルドグリーンの目をしている。
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