VR『異世界』より

キリコ

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11.知らない間に魔力使ってたらしい。なにそれ怖い


  因みに薬師レベルは4になりました。覚えたスキルは撹拌。フードプロセッサーに似た感じ。材料をボウルに入れて、蓋をするとみじん切りにしてくれる。使う秒数を長くすると多分最後は液体になる。これのおかげで一気に終わりました。このくらいまではすぐ上がる感じなのかな。生産職と言えば脳死作業周回だし、次上がったくらいからマゾくなっていくのかしら。

 カップや鍋、ナイフを洗いながらでも、先を想像するのは楽しい。なんでゲームの中でまで仕事してんだっけ? と少々我にかえりつつ。

 じゃあいよいよ試してみますかね、中級を。

 えーと、水4カップに刻んだ薬草を中サイズの計量器(コーヒー用の計量スプーンみたいなやつ)で一杯。火を付けて、黄色になったら関繋材をカップ一杯足して、緑になったら火を止め、薄い青になるまで混ぜ、漉し器で漉す。おっけー、覚えたよ。一応スキルのレシピは開いとくけどね。

 それと注意事項が、必ず調薬専用の混ぜ棒を使う事? 最初から使ってるこれかな?



鑑定

調薬用撹拌棒(一級品)
高魔力伝導率のミスリルを使用している為、撹拌しながら自動的に魔力を流す事ができる。


 なんと。という事は僕、魔力使ってたの? 怖。全然気が付かなかったのもどうなの? もしかして僕の危機管理機能お亡くなりになってますか? 魔法使う才能ないとか言わないよね。・・・・・・ちょっと魔力が動く感じを気にしながら作ってみようかな。 っていうかこれ、知らない内に魔力使ってたらぶっ倒れるやつなんじゃないの? 僕なんかやっちゃいましたかを悪い意味で言う羽目になる。気を付けないと!

 えーと気を取り直して。薬草は先に撹拌で刻んでおこう。スキルである程度一気に。一々インベントリに出し入れすれば劣化もしないよね? 一先ずこのくらい。

 鍋だけど、最終的に5カップ入れる事になるなら、ミルクパンはやめとこう。同じ形のちょっとサイズアップした鍋を棚から出して、水を4カップ。で、みじん切りの薬草を計量スプーンでひと匙。まぜまぜ。あっ色変わってきた。そろそろかな? これ黄色? あっやば、ちょっと黄緑になりそう! 関繋材を・・・・・・間に合ったっぽい? 緑になったらいいんだっけ。火を止めて、混ぜ続ける・・・・・・、意外とかかるね? 

 さっきまでが結構サクサク作業が進んでいたから、時間がかかっているように感じるのかな。って言うか、魔力勝手に注がれていくの、何となく間隔が掴めてきたかも。結構きついかも知れない。

 続けて混ぜ続けていると、だんだん色が薄く青みがかってきた。

 ・・・・・・よし、これでいいでしょう。瓶にロウトと漉し器をセットし注いでいく。

 とっても綺麗な水色。ブルーハワイのシロップを薄めたみたいな、すごく爽やかな色。クロード様の目の色に似てるかも。クロード様、全然ロマンチックじゃないものに例えてすみません。もっと、何ちゃらの宝石の色に似て~とか言えればいいんだけど、全然出てこない。ああいうの咄嗟に考えられるのも才能だよね。

 ダラダラと余所事を考えている間に完成っと。あ、電球きた! あれ、レベル二つ上がってる。推奨レベルが高いやつ作ったからかな? 

 ついにレベル6ですよ。 覚えたスキルは分析。5に上がった恩恵はなかったのか。今までのゲームの経験則からして、もしかしてこれ、スキル覚える間隔、レベル上がる度開いていく感じのタイプなのかなぁ。ハードモードはご勘弁願いたいですが。もしそうなら次スキル覚えるのは8に上がった時? ・・・・・・考えないようにしよう。

 早速鑑定してみましょうかね。

鑑定

中級ヒーリングポーション(品質:良)
体組織を再生し傷を修復する効果がある。
回復量⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎(50ml)

 なるほど? 50ml、・・・・・・ああ、試験管か。試験管一本につきって事かな。確か使用制限があるんだっけ。クールタイム的なのが必要なんだよね? 

 ま、これなら一応上級騎士様方にも使えるはず。そうと決まれば量産! こんな簡単なのに、どうしてあまり出回ってないとかいう事態になるのかは気になるけど。プレイヤーだから簡単に思えるだけとかなのかな?

 あっ! 違う。魔力だ。一般市民の魔力ってもっと低いのかも知れない。だって僕、プレイヤーだから魔力は高めって言われたのに、体が重だるいんだもん。これ多分魔力結構使ったんだと思う。

 あーあ、ステータスオープンってやつが使えればなぁ。そしたら分かりやすいのに! なんで使えないんですかユグ様。はい、ゲームじゃなくて『異世界』だからですよね。文句言ってごめんなさい。

 なんで使えないと分かったか? ええ、もちろんこっそり試しましたが何か?

 まぁいいや。続きをしましょう。・・・・・・あと一回くらいいけそうかな。

 ・・・・・・ん、二回目も危なげなく完成。ただし体がめっちゃくちゃだるい。これ以上はやばい気がするのでここで終了!

 あ、チップのアプリで時計を見るともうすぐお茶の時間だ。

 これで完成した中級ポーションは最初のも合わせて大瓶に半分くらい。試験管に換算すると20×2で40本分! そしてレベルは7に上がったけどやっぱり新しいスキルは無し。

 あ、お茶に持っていくのは無粋だけどクルト様に見てもらおう。

 使った部材を洗って片付けて、素材も瓶もしまって、と。そういえばいつの間にかクロードさんは退出していたみたい。僕が集中していたから声をかけなかったのかしら。いや、全然いいんだけど。

 扉をノックされ、応えを返すとリオルだった。

「ユーリ様、お茶にされませんか」
「ありがとう。クルト様を誘いに行って大丈夫そうか分かる?」
「はい。クルト様の手は空いているそうで、クラウス様は大丈夫と仰ってました。ただ、毎回はユーリ様が息が詰まるでしょうから無理には、と」
「ふふ。大丈夫。おしゃべりする相手がいた方が嬉しいし。お気遣いは受け取っておくね」

 ほんとこの師弟は気が効くんだから。美形をお茶請けに出来るなんて贅沢な事、図々しくも僕はちゃんと価値を分かってますからね。

そうと決まれば、早速クルト様を誘いに行きましょう。
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