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12.×クール眼鏡 ◯溺愛系美形
※なんか違うってなったのでちょっと展開を変えました。ごめんなさい。
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昼食時に執務室へ訪ねた際に、休憩室側から勝手に入ってよいと許可されたので、今回からは休憩室を通り抜けます。
「えっクルト様!」
休憩室の窓際に設置されたカフェテーブルに、クルト様がすでに着席していた。
「今回は私が早かったな。リオルがユーリを呼びに行ってくれていたから、先にここで待っている事にしたんだ。さあ、こちらへ」
わざわざ立ち上がって回り込み椅子を引いてくれる。返事を返しクルト様の向かいの席へ。窓からは中庭が見えて、少し開放感がある。
「珍しいですね。ひと段落ついた感じですか? いつも少し無理やり切り上げてますでしょう」
「ああ、この所少しずつ補佐神官に振れる案件の権限レベルを少し上げたんだ」
「ではクロード様達が頑張ってくれているんですね」
「どうだろうか。頑張るという程もなく、すぐ終るんじゃないか。皆優秀だからな」
クルト様は、目を伏せカップを持ち上げながら、口元は少し笑っている。信頼してるんだ。でも、そうしないといけなくなったのって僕のせいなのでは。
「なぜこのタイミングだったのですか? もしかして僕が来たから手が回らなくなったとかでしょうか」
「いや、そうじゃない。爺様達のサインがやっと集まったんだ。私のところで決裁していたものを簡単なものとは言え下に振るという事は、そこで決裁され私は彼等の報告でしか知る事はないという事。それは結構重大な変更だからな。爺様達全員のサインが必要だったんだ。皆居付かないものだから中々集まらなくて。それがやっと集まったから早速、ホイホイ仕事を振ってきたというわけだ。お姫様を待たせるわけにはいかないからな」
え゛っ。それって僕の事じゃないよね?? いつも待ってるから違うよね。
ていうかそれなら、今頃執務室では皆さんが張り切って仕事をこなしている事でしょうね! 皆もっと手伝いたかったみたいだったし。
「なるほど! クルト様の仕事量、大変な事になってましたものね。いい事だと思いますよ。あのままだといつ倒れるか、皆心配していたんですから」
もちろん最後のセリフは無かった事にしますが何か?
「はは! ふ、くく。すまない。まぁでも、道理でクラウスが休憩をとれとうるさい訳だ」
あーん、そんないたずらっ子みたいな顔で笑わないで! 僕の性癖が狂っちゃうでしょ! いや、大丈夫。僕が好きなのは女の子だから。うん。
「と言う事は、なんだ。ユーリがいつも誘ってくれるのもクラウスの差し金か。悲しいな」
「ひええ」
クルト様はそんな事言わない! だって、だって、お堅い頭脳派クール眼鏡なのに。
「ん?」
ばかぁっ!! その優しげな甘い「ん?」はラブラブなカップル間でしか許されない「ん?」であって! そういう彼氏仕草を繰り出すのはおやめください! こちとら耐性の無い一般通過モブなんですからね! 終いには泣きますよ!
「はっはっは。りんごのようになってしまったな。なるほど、ユーリにもちゃんと効果があるのか。いいことを知った」
だから距離感バグ~~~~~!!! 指の背で頬を撫でていいのはお母さんか彼氏だけなんだよ!
そんで、なんで手を振り払う気にならないのか僕よ。
「なっ! こんな事やってたらいつか刺されますよ!」
「おや、ユーリは私を刺すのか?」
「や、だから僕じゃなくて、そう言うのにときめいちゃう女の子達の話です!」
「それなら大丈夫だ。ユーリにしかしない」
「ひゃああ」
もう無理。無理です。なす術なし。
顔を覆う手すら赤くなってる気がする。
僕そんなに面食いだったっけ・・・・・・。なんで。男性にこんな事言われても今までならギャグで流せてたのに。男友達相手の時なんか、やめろって手をはたく事すらしてたのに。
やっぱクルト様が美形すぎるから!!! ちくしょー! この美形め!! ちょっと、いや、大分顔がいいからって! モブをもて遊びおって!
「うう」
「悪かった。もうしないから可愛い顔を見せてくれ」
「だからそれぇ、言ったそばからしてますっ」
「ああ、すまない。言わないように気を張っていたから、反動かも知れない」
「な、言わないようにって、何を」
「ユーリを可愛いと思っている事をだが」
「は、はい??」
「だから、ユーリが可愛くていつも近くに置いておきたいし、可愛がりたいと思っている事をだが」
「え、全然話が見えないんですけど」
クルト様は、背凭れにギッと背を預け、整髪剤で流している自身の髪を軽くかきあげた。
「ユーリをひとめ見た時から、私にはとんでもなく可愛いくみえて仕方がないんだ。魅了魔法でもかけられたのかと思ったくらいな」
「え、ええええぇ。初対面で??? 何のために??」
なんかクルト様も困ってる顔してて、どう反応すれば良いのか分かんないんだけど。
「く、はは、まぁユーリならそうだろうな。私としては残念だが」
クルト様はそこで言葉を切ると、ため息をついてお茶を一口のみ、視線をカップに落とした。
「他の者であれば、目的は恐らく、私の地位と金目当てかこの顔だな。これまで生きてきて、そういう輩は腐るほどいると知っている」
ああ、やっぱり苦労してきたんだ。そうだよね、これ程のイケメンなら。ちょっと人間不信にもなってそう。あ、でも部下の皆さんには心を許してるように見えた。
「それなのに、可愛いと思ったユーリは、近付けば頬を染めてくれるのに全然その気は無さそうだった」
いや、それはそう。好きなのはずっと女の子だったし。まぁ美しいものは大体何でも好きだから、近づく度に内心アワアワしてましたけどね。
「そんな初心な状態で、降り立って右も左も分からない内にこの様な事を言われては、ユーリは華奢だし、尚更恐ろしいだろう」
えっ。もしかして今までのあれそれはガチで言ってた感じ??? 僕鈍感系主人公だったの? 未だ男しか見てないのにそんな事ある?? ここってBL世界だったっけ???(錯乱)
「だからずっと口に出てしまわないようにしていたんだ」
クール眼鏡じゃ無かっただと!?? まさか溺愛系美形でしたとかそんな事ある!? しかも健気系だし! あ、外的要因の不憫要素もあるし、ってこれ以上は性癖が渋滞しちゃう!
いや、でもクルト様が僕を、なんて信じらんない。あれじゃないの、子供って可愛いじゃん。それかも知れないし。
「えと、それって、小さい子可愛い的な意味で合ってますか?」
「それなんだが、実は私にもよく分かっていないんだ」
えええ。それ、自分に靡いてないのが珍しいだけじゃないの? おもしれー女(男)ムーブの一種でしょ。
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