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雨の都の日常
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雨の都
「あ、てんき雨。」
7月。
じめじめとした暑さも鬱陶しくなる季節。
私、萩村 光は雨が好きだ。
――――――
―――
――
私が生まれてから16年間暮らす、青天井市(あおてんじょうし)。
青天井という名前に見合わず、雨が降り続ける。
そんななか、てんき雨はなかなか見ることが出来ない
島の珍しい現象の一つになっている。
晴天は10年に一度あるか、無いかという具合だ。
雨の都、青天井市。
この島だけでなく世界からそう呼ばれている。
それほど有名で、奇怪なのだ。
雨が降り続けるのは青天井市だけで、満天星島(どうだんつつじしま)の他の市に行くと境界線ですっぱりと晴天が広がる。
市民は誰も違和感を抱いていないが、外の世界は雨が降り続けることに異常を感じている。
専門家などが入ることを嫌がり研究は進んでいないが市民はそれでいいと平穏な生活を送っていた。
..................................................................................................................................................................
この満天星島は4つの都市に分かれていてそのうちの一つが青天井市だ。
右隣が雨催い市
左隣が雨天市
反対側が雨空市
この島には謎が沢山ある。
まず、名前から不可思議だ。
この市で長老のうめばぁに聞いてみたら
「わたしもねぇ、小さい頃ひいばぁちゃんに聞いたことがあるだけだから確かではないのだけどねぇ。
昔、それはもう大昔。
この市は雨が降らずに作物が育たないことで有名だったんさ。だから、村の人々全員で雨乞いを行ったのだそうだ。
それが今につながっているんやと
ひいばぁちゃんに聞いたんさ。」
とのことで、
確実性は無きにしもあらずという感じだ。
まぁ、住んでるほうとしてはこれが当たり前なのだから
謎などはどうでもいい
でも、面白そうな伝承がいくつかあってぜひ紹介させて欲しい。
七不思議というほど数は多くないが
まず一つ目
晴天の日、飛天が現れ私たちの元に姿を現すというもの。
二つ目
てんき雨の間に
こだま森から躑躅(つつじ)を摘んで神社の境内に置くと狐の精霊が願いを叶えてくれるというもの。
三つ目
この島から出て3年以内に帰ってこないと神隠しに合うというもの。
四つ目
狐日和から曇天、好天へと天候が良くなることが続くと世界の均衡も崩れるというもの。
前者二つは昔からあった伝承だが、
後者二つはたぶんここで生活して少しづつ噂が広大化していったのだろう。
あまり、信じ難い伝承だが
島を出て3年以上たった人で連絡がついたものは1人もいない。
ほら、ちょっと怖くなったでしょ?
まぁ、島から出ようなんて人は極少数だし、3年以内に1度でも帰ればいいので
故郷へ戻ってくる理由になる。
この伝承もなかなか良い働きをする。
前者二つは謎ばかりだが、今現在わかっていることは
晴天の日に空から天女が降りてきて
そのまま鈞天(きんてん)に連れていかれるということだ。
帰ってきた者がいるかは定かではないが、記録の中にはいないみたいだ。
もう一つは
そのままだ。
説明がめんどくさくなったわけではなく、
あの伝承のままお願いを叶えてくれるそうだ。
これは実際に叶った者がいて伝承というかみんな知っている事実という感じだ。
四つ目は、、ちょっと意味わからないが
世界が崩れるという事だ。
結構、嘘臭いが私はこういうネタが割と好きだ。
まぁ、こんな感じで私好みな島だ。
..................................................................................................................................................................
青天井高校
全校生徒200人強の普通の公立高校だ。
そこの1年生である私。
この間までは中坊です。。。
将来は取り敢えず家業を継ぐ、かな。
家では居酒屋「雨宿り」をしている。
なかなか洒落た名前でしょ。
小さい頃からお手伝いしててわたしはずっとこんな生活なんだと思ってたし今も思っている。
卒業したら、手伝いしつつ専門学校で調理師免許の取得が目標だ。
今の生活はとても充実している。
まぁ、だからって授業に集中できるかっていうと別の話だけどね。
私は雨が好き。
いつまでも見つめていられる。
毎日が幸せな生活だ。
「おーい、ひかりー。」
はー、どうして雨にこんなに惹かれるんだろう。
遺伝?とかじゃないような
お母さん雨好きだっけ?
「ひかりー」
あ、
「蛍ちゃん!!」
「何回呼ばせんのよー
今日もボケっとしちゃって」
「いつものことじゃない」
ヘラヘラと笑ってごまかす。
みんな雨の│こと(・・)でうんざりしているのに
雨が好きなんて言ったら変人扱いだ。
「取り敢えず、帰るよー」
「うん」
脱靴場へと向かいつついつも通りかっぱを着る。
「うわー、今日もすごい雨だねー」
ザーザーとすごい音を聞きながら蛍ちゃんが叫ぶようにいう。
「そうだね
梅雨は終わったっけ?」
「どうだろー
梅雨さえ終わればまだましになるんだけど」
「夏休みももうすぐだしすぐに梅雨明けかもね」
雨がすごくてみんなが半ば叫ぶように話しているのが面白くてニヤニヤしてしまう。
「何笑ってんのよー」
「べつにー」
ふふふ
帰りましょ。
雨の中15分くらい歩いたら見慣れた看板「雨宿り」が見えてくる。
「蛍ちゃん今日よってく?」
「ん、いや、今日はちょっと用事があるから」
「あら、もしかしてコレ?」
ニヤニヤしながら小指をたてる。
「何馬鹿なこといってんのよ!
しかもそれじゃ彼女じゃない!!」
「ごめんごめんって
それじゃ、じゃーねー!!
蛍ちゃん!!」
「ばいばーい!!」
ふーっと息を吐きながらドアを開ける。
ガラガラ
「お母さんただいまー」
「あら、お帰り
今日は蛍ちゃんは?」
「今日は用事があるんだって」
「あらあら、コレかしら?」
ニヤニヤと笑いながら小指をだす
親子だな。
私が言うのもなんだけど。
........................................................................................................................................................................................................................
ビバ!!夏休みー!!
....と言いたいところだけど
「ほらー光、かっぱ着て」
今日も学校。。。
まぁ、普通科の高校ってこんなもんだよね。
補習補習。
期末ギリギリだったし
まぁ、仕方がない。
「あっついねー
あ、カエル!!」
「うわっカエルじゃんー
早く行こ!!
ん?何、あれ?
車たくさん止まってる」
「うわっまた、専門家とかそういうやつじゃない?
もっと市民の意見をそんちょーしろー」
軽く右腕を上げて二人で笑っていると
前の方にいた大人がちょっと睨んできた
「怖っ!!
ちょっ光ちゃん急ごー」
「う、うん」
カエルもいつの間にかいなくなっていて、
これからもこういうことが増えるのかと思うと
何だか嫌な気持ち。
あーぁ、夏休みがこんな感じでスタートかぁ
なんかやるせない
8月はもうほとんど休みだから気が楽なんだけどね。
「蛍ちゃん絶対夏休み、雨天市で遊ぼうね!!」
「うん、プールプール!!
ショッピングも!!」
「おっいいねー!!
美味しいもの食べよー」
「光ちゃんはいつもそれなんだから」
うふふ
幸せな日々。
彼氏も欲しいけど今はこのままで充分、だな
............................................................................................................
恋愛はじわじわ入れてきます!
「あ、てんき雨。」
7月。
じめじめとした暑さも鬱陶しくなる季節。
私、萩村 光は雨が好きだ。
――――――
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――
私が生まれてから16年間暮らす、青天井市(あおてんじょうし)。
青天井という名前に見合わず、雨が降り続ける。
そんななか、てんき雨はなかなか見ることが出来ない
島の珍しい現象の一つになっている。
晴天は10年に一度あるか、無いかという具合だ。
雨の都、青天井市。
この島だけでなく世界からそう呼ばれている。
それほど有名で、奇怪なのだ。
雨が降り続けるのは青天井市だけで、満天星島(どうだんつつじしま)の他の市に行くと境界線ですっぱりと晴天が広がる。
市民は誰も違和感を抱いていないが、外の世界は雨が降り続けることに異常を感じている。
専門家などが入ることを嫌がり研究は進んでいないが市民はそれでいいと平穏な生活を送っていた。
..................................................................................................................................................................
この満天星島は4つの都市に分かれていてそのうちの一つが青天井市だ。
右隣が雨催い市
左隣が雨天市
反対側が雨空市
この島には謎が沢山ある。
まず、名前から不可思議だ。
この市で長老のうめばぁに聞いてみたら
「わたしもねぇ、小さい頃ひいばぁちゃんに聞いたことがあるだけだから確かではないのだけどねぇ。
昔、それはもう大昔。
この市は雨が降らずに作物が育たないことで有名だったんさ。だから、村の人々全員で雨乞いを行ったのだそうだ。
それが今につながっているんやと
ひいばぁちゃんに聞いたんさ。」
とのことで、
確実性は無きにしもあらずという感じだ。
まぁ、住んでるほうとしてはこれが当たり前なのだから
謎などはどうでもいい
でも、面白そうな伝承がいくつかあってぜひ紹介させて欲しい。
七不思議というほど数は多くないが
まず一つ目
晴天の日、飛天が現れ私たちの元に姿を現すというもの。
二つ目
てんき雨の間に
こだま森から躑躅(つつじ)を摘んで神社の境内に置くと狐の精霊が願いを叶えてくれるというもの。
三つ目
この島から出て3年以内に帰ってこないと神隠しに合うというもの。
四つ目
狐日和から曇天、好天へと天候が良くなることが続くと世界の均衡も崩れるというもの。
前者二つは昔からあった伝承だが、
後者二つはたぶんここで生活して少しづつ噂が広大化していったのだろう。
あまり、信じ難い伝承だが
島を出て3年以上たった人で連絡がついたものは1人もいない。
ほら、ちょっと怖くなったでしょ?
まぁ、島から出ようなんて人は極少数だし、3年以内に1度でも帰ればいいので
故郷へ戻ってくる理由になる。
この伝承もなかなか良い働きをする。
前者二つは謎ばかりだが、今現在わかっていることは
晴天の日に空から天女が降りてきて
そのまま鈞天(きんてん)に連れていかれるということだ。
帰ってきた者がいるかは定かではないが、記録の中にはいないみたいだ。
もう一つは
そのままだ。
説明がめんどくさくなったわけではなく、
あの伝承のままお願いを叶えてくれるそうだ。
これは実際に叶った者がいて伝承というかみんな知っている事実という感じだ。
四つ目は、、ちょっと意味わからないが
世界が崩れるという事だ。
結構、嘘臭いが私はこういうネタが割と好きだ。
まぁ、こんな感じで私好みな島だ。
..................................................................................................................................................................
青天井高校
全校生徒200人強の普通の公立高校だ。
そこの1年生である私。
この間までは中坊です。。。
将来は取り敢えず家業を継ぐ、かな。
家では居酒屋「雨宿り」をしている。
なかなか洒落た名前でしょ。
小さい頃からお手伝いしててわたしはずっとこんな生活なんだと思ってたし今も思っている。
卒業したら、手伝いしつつ専門学校で調理師免許の取得が目標だ。
今の生活はとても充実している。
まぁ、だからって授業に集中できるかっていうと別の話だけどね。
私は雨が好き。
いつまでも見つめていられる。
毎日が幸せな生活だ。
「おーい、ひかりー。」
はー、どうして雨にこんなに惹かれるんだろう。
遺伝?とかじゃないような
お母さん雨好きだっけ?
「ひかりー」
あ、
「蛍ちゃん!!」
「何回呼ばせんのよー
今日もボケっとしちゃって」
「いつものことじゃない」
ヘラヘラと笑ってごまかす。
みんな雨の│こと(・・)でうんざりしているのに
雨が好きなんて言ったら変人扱いだ。
「取り敢えず、帰るよー」
「うん」
脱靴場へと向かいつついつも通りかっぱを着る。
「うわー、今日もすごい雨だねー」
ザーザーとすごい音を聞きながら蛍ちゃんが叫ぶようにいう。
「そうだね
梅雨は終わったっけ?」
「どうだろー
梅雨さえ終わればまだましになるんだけど」
「夏休みももうすぐだしすぐに梅雨明けかもね」
雨がすごくてみんなが半ば叫ぶように話しているのが面白くてニヤニヤしてしまう。
「何笑ってんのよー」
「べつにー」
ふふふ
帰りましょ。
雨の中15分くらい歩いたら見慣れた看板「雨宿り」が見えてくる。
「蛍ちゃん今日よってく?」
「ん、いや、今日はちょっと用事があるから」
「あら、もしかしてコレ?」
ニヤニヤしながら小指をたてる。
「何馬鹿なこといってんのよ!
しかもそれじゃ彼女じゃない!!」
「ごめんごめんって
それじゃ、じゃーねー!!
蛍ちゃん!!」
「ばいばーい!!」
ふーっと息を吐きながらドアを開ける。
ガラガラ
「お母さんただいまー」
「あら、お帰り
今日は蛍ちゃんは?」
「今日は用事があるんだって」
「あらあら、コレかしら?」
ニヤニヤと笑いながら小指をだす
親子だな。
私が言うのもなんだけど。
........................................................................................................................................................................................................................
ビバ!!夏休みー!!
....と言いたいところだけど
「ほらー光、かっぱ着て」
今日も学校。。。
まぁ、普通科の高校ってこんなもんだよね。
補習補習。
期末ギリギリだったし
まぁ、仕方がない。
「あっついねー
あ、カエル!!」
「うわっカエルじゃんー
早く行こ!!
ん?何、あれ?
車たくさん止まってる」
「うわっまた、専門家とかそういうやつじゃない?
もっと市民の意見をそんちょーしろー」
軽く右腕を上げて二人で笑っていると
前の方にいた大人がちょっと睨んできた
「怖っ!!
ちょっ光ちゃん急ごー」
「う、うん」
カエルもいつの間にかいなくなっていて、
これからもこういうことが増えるのかと思うと
何だか嫌な気持ち。
あーぁ、夏休みがこんな感じでスタートかぁ
なんかやるせない
8月はもうほとんど休みだから気が楽なんだけどね。
「蛍ちゃん絶対夏休み、雨天市で遊ぼうね!!」
「うん、プールプール!!
ショッピングも!!」
「おっいいねー!!
美味しいもの食べよー」
「光ちゃんはいつもそれなんだから」
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