異世界に転生して性転換したけどとりあえず生きてる

仙人掌(さぼてん)

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泉の幽霊

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「あー水ぅ」

 早足で水辺へ寄り、手で水をすくって飲む。

「あー結構美味しい、フィアは飲まないのー?」

 少し離れた所にいるフィアに声をかけるがフィアは興味なさそうに答える。

「いや、我は…いい」

「そうかぁ」

 ユウキの手が小さく少量しかすくえないので満足するまで時間がかかっている。

「やっぱり水だけじゃ腹が膨らむ程度だな…」



「危ない!」

 フィアが突然警告し、頭を上げると水が勢いよく渦を巻いて自分に向かってきていた。

「ファイア!」

 無意識ながらとっさに右手から炎を出して水を蒸発させて消滅させる。ここに居てはまた攻撃を受けるかもしれないのでフィアのいる所へ向かこうと振り向いたらフィアが倒れていた。

「何があったの!」

 慌てて声を上げ、フィアのもとに駆け寄る。

「うぅ…この体が飛べない事を忘れておった……」

「………」

 急いで助けに来てくれようとしたのが意外だったのとそれにより転倒してしまったので更に可愛いと思ってしまった。



「人間の体というのはかなり不便じゃのう、空も飛べなけば泳げもせん、かといって早く走れないし、この柔らかさでは防御もできん」

 土を払いながら不満気に立ち上がる。

「町へ行ったらさ、何故人がこうなったのか教えてあげられると思うよ」

「なぜ今ではないのじゃ?」

「口で説明するより見ながら説明したほうがわかりやすいと思うし、少なくともここで立ち話もどうかと」

 道具を使うように進化した(だったと思う)事を説明するためには何も持っていない今の状態ではできないだろう。

「むーむぅ、まぁ別によいか」

 ユウキとフィアが話している間も水の渦が何度か向かってくるがフィアが片手間で炎の壁を出し無効化していた。

「……さすがに鬱陶しくなってきたの」

 怒り気味にフィアが湖の方を向き吠える。

「姿を曝さぬか、この湖の水を全て消すぞ!」

 フィアの大声が湖に響きわたる。

 ユウキ達の目の前の水面から、全体が半透明で白い肌に青髪青目の10代後半位の少女がすごく悔しそうな顔でこちらを睨みながら出てきた。

「なんで効かないのよ!」

「あの程度は大した事はないわ」

「あれだけの魔法を放っておいて平気なんてあり得ないわ!」

「そうなの?」

 横にいるフィアに聞いてみるが…。

「しらん」

 と、どうでもよさそうだ。

「こんな所に何しに来たの、ここは結界で来れないハズなのに!」

「そんなのあったっけ?」

「なにやら壁に当たった感じはしたが弱かったのでな、特に害はないと思って無視したぞ?」

 2人とも首をかしげる。

「え、そんな結界が…効いて、ない?……あなた達は何しにこの湖に来たの?」

 半透明な少女の顔が段々と青ざめていく。



「喉が乾いて水が飲みたかったから」

「ユウキについていっておっただけじゃ」

「はぇ…それ、だけ?」
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