異世界に転生して性転換したけどとりあえず生きてる

仙人掌(さぼてん)

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身から出た錆

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 翌日。

「またへんな夢を見たような気がする……」

寝ぼけた体で腕を伸ばして時計を確認すると登校する予定の時間まであと2時間ほどある。



「あーアニメが視たい…」

 叶う事のない願いが思ったより大きな声になり部屋中に響き、虚しく消える。

「とりあえず朝ご飯作るか」

 ゆっくりと体を起こしてまだ使われた事がないかのような新品同様な状態のキッチンへ向かう、建物自体はそれなり長く使われいるようだ。

「全く…最近の若者は自炊せんのか…」

 ユウキも十分若いのだが寝ぼけていたせいでなぜか関西弁の愚痴を言う。





「ふああぁふあよう…」(お母さんおはよう)

「おはよ、ちょうど朝ご飯できたよ」

「顔洗ってく…」

 言い切るまえに両手に水を溜めて一気に顔にぶつける、水がしっかりとコントールできているようで床には水が一滴も落ちていなかった。

「ここで洗わないの」

「あーすっきりした、大丈夫だって水一滴たりともこぼしてないよ」

「リビングでじゃなくて洗面所でやってよ…」

「明日からそうする~、メニューは?」

「ご飯と筍の味噌汁に魚の丸焼き」

「お母さん、凄く美味しそうだけど…何かあったの?」

 ユウキはもともと広く浅くいろんな物を趣味にしていたがこの世界ではもう行えないような趣味も多数あるが料理に関してはこちらの世界でもできる事なので、ストレス発散のために無駄に凝った料理をすることがある。





「さぁ今日こそ、そのゴーレムについて教えていただきますわよ!」

 授業が終わり放課後、ユウキには逃げ場はなかった、特に用事があるわけでもなくかといって断ってしまえばまたしつこく迫ってくるか、最悪孤立しかねない、フィアの力を使えば楽にこの場からは逃れられるだろうが、しかしその異様は能力は周り化け物扱いされてしまう危険性がある、そして本当の事を教えた所で信用してくれるわけがないだろう。

「え、えーっとぉ……」

 そこまで暑くもない空調の整った屋内なはずなのにユウキには滝ような汗を流していた。

「大丈夫ですか?、かなり体調が悪いみたいですけど?」

「そ、そうだね、体調悪いからまたこここんどね」

 ミルシアの心配をよそにユウキは逃げるように一目散に帰っていった。



「ただいまってお母さん大丈夫?!」

玄関の扉を開け帰宅したマキナの目の前には玄関先で倒れているユウキがいた。

「お母さん大丈夫!?、お母さん!?」

 マキナは今まで横になっているのは寝ている時でしか見たことがないので、すぐにこれは異常事態と判断して必死にユウキに問いかける。

「ごめんね、自分で自爆しちゃった…」

 緊張による大量の発汗と急激な運動で一気に体力を消耗、いわゆる自業自得なのだがそれを知らないマキナは倒れているユウキの姿が人だったころのマキナの記憶を想起させる。

「あ、あああ……」

 いつの間にかマキナの方が重症になり体が震え始める。

「大丈夫だから、ね?…とにかく冷蔵庫のポカリもって…きてありがと」

 冷蔵庫の飲み物を要求するとマキナの目が大きく見開き姿が少し揺らいだと思ったらいつの間にか手には飲み物があった、ただし最大サイズで。
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