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第零章:破壊編
膨らむ質量、折れゆく心
約束の翌日、天童は宣言通りに現れた。
昨日よりもさらに冷酷で、嗜虐的な光を瞳に宿して。
「さあ、昨日の続きだ。
今日は2本、しっかり君の体に覚え込ませよう」
機械音と共に再び大きく開かれた脚の間へ、天童が容赦なく指を差し込む。
昨日、1本でさえ黒崎を絶望させた侵入。
それが2本になった瞬間、内壁が無理やり引き裂かれるような、圧倒的な「質量」の恐怖が黒崎を襲う。
「……ッ、あ……が……痛い……! 痛い!!」
これまでの強気はどこへ行ったのか。
内側を強引に広げられ、抉られる異物感に、黒崎はなりふり構わず叫んだ。
「やめろ! お願いだから、もう……やめてくれ……っ!!」
しかし、その必死の懇願こそが天童の最も好む蜜であった。
喘ぎ、震え、自分に縋るように許しを乞う美しい「獲物」。
天童は愉悦に口角を歪め、さらに深く、執拗に指を動かした。
蹂躙が終わり、黒崎がぐったりと呼吸を乱していると、天童はおもむろに銀色のニードルを取り出した。
それは、これまでのものよりも長く、鋭い殺気を放っている。
「次はここだ。
君の胸に、私の名前を刻む代わりにこの銀を贈ろう」
天童の指先が、恐怖に粟立つ黒崎の左の乳首を逃がさぬよう強く摘み上げた。
「……嫌だ! やめろ!! それだけは、っ……!!」
黒崎は狂ったように頭を振り、泣き喚いた。
しかし四肢を固定された彼にできるのは、無様にシーツを汚すことだけ。
「いい声だ、黒崎。もっと鳴きなさい」
天童は愉悦の表情を浮かべたまま、一切の迷いなくニードルを突き立てた。
「あ……が、あああああああああああああああッ!!!」
薄い皮膚と敏感な神経が密集する場所を、太い針が貫通する。
脳を直接焼かれるような激痛に、黒崎の背中が弓なりに跳ね上がった。
銀のリングが通され、カチリと冷たい音が響く。
その音は、黒崎の「人間としての誇り」がまた一つ、物理的に破壊された音であった。
乳首に刻まれた銀の重みに、黒崎は涙も枯れ果てるほどの衝撃を受ける。
「素晴らしい……。白磁のような肌に、この銀の輝き。
君は期待以上の傑作だよ」
天童は満足げに、激痛とショックで意識が朦朧としている黒崎の頬を撫でた。
泣き喚き、絶望に染まったその瞳こそが、彼にとっての最高のスパイスだった。
天童は上機嫌な足取りで、再び自分の王国へと戻っていく。
あとに残されたのは、身体のあちこちから流れる熱い血の感覚と、自分という人間が粉々に壊されていく音を聞いた黒崎だけであった。
「……あ、……ぁ……」
茫然自失。
あんなに強く抱いていた「逃げる」という意志さえ、今は霧の向こう側へ消えてしまったかのようだ。
ただ、貫かれた場所がドクドクと脈打ち、焼けるような痛みを訴え続けていた。
そこへ、再びあの老執事が静かに入ってきた。
その手が持つトレイには、整然と並べられた消毒薬と清潔なガーゼがある。
「……殺せ……。いっそ、殺してくれ……」
黒崎が掠れた声で漏らしても、執事の表情は石像のように動かない。
彼は手慣れた手つきで、黒崎の傷口のケアを始める。
「それはできかねます。天童様は、あなたを『最高の状態』で展示することを望んでおられますから」
冷たい消毒液が、耳、唇、そして貫かれたばかりの乳首に注がれる。
「っ……あ、……う、ぅ……ッ!!」
傷口に染みる鋭い痛み。
しかし執事は、一切の妥協なく丁寧に汚れを拭い、銀のピアスを清潔に保つための処置を施していく。
それは優しさなどではなかった。
化膿して傷跡が残ったり、高熱を出して死なせたりしては、天童の「コレクション」としての価値が下がるからだ。
徹底した衛生管理。
それは、黒崎が死ぬことさえ許されず、永遠にこの地獄で美しく磨かれ続けなければならないという、冷酷な宣告だった。
黒崎は、自分がただの「肉」として、精密に管理されている事実に絶望を深めていく。
昨日よりもさらに冷酷で、嗜虐的な光を瞳に宿して。
「さあ、昨日の続きだ。
今日は2本、しっかり君の体に覚え込ませよう」
機械音と共に再び大きく開かれた脚の間へ、天童が容赦なく指を差し込む。
昨日、1本でさえ黒崎を絶望させた侵入。
それが2本になった瞬間、内壁が無理やり引き裂かれるような、圧倒的な「質量」の恐怖が黒崎を襲う。
「……ッ、あ……が……痛い……! 痛い!!」
これまでの強気はどこへ行ったのか。
内側を強引に広げられ、抉られる異物感に、黒崎はなりふり構わず叫んだ。
「やめろ! お願いだから、もう……やめてくれ……っ!!」
しかし、その必死の懇願こそが天童の最も好む蜜であった。
喘ぎ、震え、自分に縋るように許しを乞う美しい「獲物」。
天童は愉悦に口角を歪め、さらに深く、執拗に指を動かした。
蹂躙が終わり、黒崎がぐったりと呼吸を乱していると、天童はおもむろに銀色のニードルを取り出した。
それは、これまでのものよりも長く、鋭い殺気を放っている。
「次はここだ。
君の胸に、私の名前を刻む代わりにこの銀を贈ろう」
天童の指先が、恐怖に粟立つ黒崎の左の乳首を逃がさぬよう強く摘み上げた。
「……嫌だ! やめろ!! それだけは、っ……!!」
黒崎は狂ったように頭を振り、泣き喚いた。
しかし四肢を固定された彼にできるのは、無様にシーツを汚すことだけ。
「いい声だ、黒崎。もっと鳴きなさい」
天童は愉悦の表情を浮かべたまま、一切の迷いなくニードルを突き立てた。
「あ……が、あああああああああああああああッ!!!」
薄い皮膚と敏感な神経が密集する場所を、太い針が貫通する。
脳を直接焼かれるような激痛に、黒崎の背中が弓なりに跳ね上がった。
銀のリングが通され、カチリと冷たい音が響く。
その音は、黒崎の「人間としての誇り」がまた一つ、物理的に破壊された音であった。
乳首に刻まれた銀の重みに、黒崎は涙も枯れ果てるほどの衝撃を受ける。
「素晴らしい……。白磁のような肌に、この銀の輝き。
君は期待以上の傑作だよ」
天童は満足げに、激痛とショックで意識が朦朧としている黒崎の頬を撫でた。
泣き喚き、絶望に染まったその瞳こそが、彼にとっての最高のスパイスだった。
天童は上機嫌な足取りで、再び自分の王国へと戻っていく。
あとに残されたのは、身体のあちこちから流れる熱い血の感覚と、自分という人間が粉々に壊されていく音を聞いた黒崎だけであった。
「……あ、……ぁ……」
茫然自失。
あんなに強く抱いていた「逃げる」という意志さえ、今は霧の向こう側へ消えてしまったかのようだ。
ただ、貫かれた場所がドクドクと脈打ち、焼けるような痛みを訴え続けていた。
そこへ、再びあの老執事が静かに入ってきた。
その手が持つトレイには、整然と並べられた消毒薬と清潔なガーゼがある。
「……殺せ……。いっそ、殺してくれ……」
黒崎が掠れた声で漏らしても、執事の表情は石像のように動かない。
彼は手慣れた手つきで、黒崎の傷口のケアを始める。
「それはできかねます。天童様は、あなたを『最高の状態』で展示することを望んでおられますから」
冷たい消毒液が、耳、唇、そして貫かれたばかりの乳首に注がれる。
「っ……あ、……う、ぅ……ッ!!」
傷口に染みる鋭い痛み。
しかし執事は、一切の妥協なく丁寧に汚れを拭い、銀のピアスを清潔に保つための処置を施していく。
それは優しさなどではなかった。
化膿して傷跡が残ったり、高熱を出して死なせたりしては、天童の「コレクション」としての価値が下がるからだ。
徹底した衛生管理。
それは、黒崎が死ぬことさえ許されず、永遠にこの地獄で美しく磨かれ続けなければならないという、冷酷な宣告だった。
黒崎は、自分がただの「肉」として、精密に管理されている事実に絶望を深めていく。
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