未来が分かるチートな日記を手に入れた〜だけど悲惨な未来が降り注ぐので、タイムリープで全力回避しようと思います!〜

カツラノエース

文字の大きさ
5 / 80

第5話【俺の手柄は?】

しおりを挟む

「――はい、ではこの依頼で決定致しますね。」
「あぁ、よろしく頼む」

 受け付けのお姉さんは依頼内容が間違っていないか最終確認を取った後、俺たちの名前を依頼の書かれた紙に書き足し、赤いハンコを押した。
 スライムを3匹討伐するという依頼を遂に俺たちは正式に受ける事が決まったのだ。

 遂に……遂にだ……っ!!今まで、俺は依頼を受けに行く父の背中を見る事しか出来なかった。
 何度かついて行こうとした事もあったが「危ないから家にいろ」そう言われ続けて来た。

 だがっ!!そんな過去の自分とは今日でさらばっ!!俺はこれからモンスターを討伐し、この町の人たちを守るんだ!!(まぁ倒すモンスターは被害のほとんど無いスライムだが)

 それに、デスティニーレコードにも「スライムを討伐」と記されていたからこれはもう勝ったも同然!!あー気が楽だぜ!

「ちなみに皆さん、このヴェロッサ森の場所というのは――」
「あぁ、それは分かるから大丈夫だ。」
「そうですか、では行ってらっしゃいませ。」
「おうっ!!よし行くぞ!!」
「おーっ!」「……おー、」

 こうして俺たち3人は初依頼の舞台へと歩いて行った。

 ♦♦♦♦♦

 ヴェロッサ森、それは俺たちの居るフレイラの西出入口から続く砂利道をしばらく歩くと右側に見えてくる比較的木々の隙間はあるが、膨大な面積量があるという森だ。
 木々の隙間が多い事もありこの森にはスライムやワーウルフ。小さなゴブリンの住処があったりもする。ここはオーガなどの大型モンスターを天敵とする下級モンスターにとっては理想的な場所なのだ。

 ――しかし、人間たちにとってそこにモンスターたちが多く生息するのは良いことでは無かった。
 なぜなら、本来ヴェロッサ森は山菜などが生い茂る場所であり、その山菜を売って生活している人も居るからだ。最近では山菜を収穫中にモンスターに襲われたという事例も増えて来ており、ヴェロッサ森を対象としたモンスター討伐以来も増えて来ている。――――

「――と、こんなところだったでしょうか。」

 そこで、一旦セリエラのヴェロッサ森の概要説明がストップした。――って、い、いくらなんでも詳しすぎないか……?こいつ、この町に来たのは確か比較的最近だろ?

「いや、十分過ぎると思うが、逆によくそれだけ知っていたな。」
「はい、まぁここら一帯の事はフレイラに来る前から学習していましたから。」
「さすがエルフって感じだねっ!なんにも考えてないハヤトとは大違いだよ~」

 くっ……ケティのやつめ……そんな俺が冒険者に賭けてる思いが無いみたいに言いやがって……
 ふんっ!良いもんね!俺なんか今日無事にスライムを討伐出来るって知ってるもんね!!

「って、あ!!見えてきたよ~あれじゃない?」
「ん?――お、」

 するとそこで砂利道の向こうをケティが指さす。
 その先を見てみるとそこには数え切れない程の木々が生い茂った森――ヴェロッサ森の姿が見えて来ていた。


「ここがヴェロッサ森だな」
「ずっと近付くなって言われてたから私少し怖かったんだけど……案外普通の森だね」

 俺たちはヴェロッサ森の木々を切り開いて作ったのであろう砂利道を歩いて中へと入って行く。
 そこは先程のセリエラの説明通りで、光もよく差し込みとても危険な場所だとは思えなかった。

「当然です。この森は少し前まで子供も山菜を取りに来る様な場所だったのですから。」
「――それが大型モンスターに追いやられた下級モンスターたちが住み着いたせいで、危なくなったって訳だよな」
「はい」

 まぁモンスターにも事情はあるんだろうが――俺たちは人間、お構い無しに討伐させてもらうぜ――っと、

 するとその瞬間、両サイドに生い茂る木々のうち左側から水色のベタベタとしたものが砂利道に姿を現した。

「早速姿を現したか……!スライム……!」

 俺は直ぐに背中から剣を抜くと構える。
 すると、スライム側もそれに応える様に更に木々の間から2匹のスライムが姿を現した。
 これで3対3って訳か!!

「ほら!!ケティ!セリエラ!早く構えろ!!」

 俺は後ろを向きながらそう叫ぶ。――が、

「って、ありゃ?」

 そこに居たのはケティだけで、セリエラの姿は無かった。って、まさか……!?
 その途端、パスパスパスンッ!!3回、何かが貫かれる音が聞こえる。

 すぐに前を振り返ると、もう既にスライムたちは3匹ともベチャッと無気力に地面に広がり、湯気を放ちながら蒸発し始めていた。

「よし、討伐完了です。」

 気がつくと左側の木の枝の上で弓を構えていたセリエラが相変わらずの無表情でそう呟く。って、

「おいぃぃ!?おいしいところ全部持ってくんじゃねぇよ!?ここはリーダーの俺が全部かっこよく切り伏せるところだろうが!?」
「おいしいところ、ですか。なら大丈夫ですよ。だってほら――」

 するとそこでセリエラは俺の後ろに視線を向ける。
 ん?なんだ?
 すぐに俺はセリエラの視線の先を追いかけるとそこにはなんと更に5匹のスライムが木々の間から姿を現していた。

 くっ……!!やっぱりそう都合よく3匹だけ現れて終わってはくれねぇよな……!!

 よっしゃ……!!今度こそ俺が華麗に切り伏せて――

「ウォーターボール!!」

 しかし、そうしようとした途端、それよりも先にケティが杖から水の玉をスライムたちに放ち、そのまま5匹とも全てを爆発させた。

「やったぁ!!ハヤト!!セリエラちゃん!!見た!?私倒したよ!!」
「おぉ、魔法のセンス、あるんじゃないんですか?」
「えへへ……私呪文の詠唱が苦手だったんだけど――杖なら無詠唱で良いって事忘れちゃってたよ~」

「……はぁ、」

 こうして手柄を全て2人に取られ、初めての依頼は幕を閉じた。(まぁ安全に、デスティニーレコード通り終わったからよしとしよう)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

洗脳機械で理想のヒロインを作ったら、俺の人生が変わりすぎた

里奈使徒
キャラ文芸
 白石翔太は、いじめから逃れるため禁断の選択をした。  財閥令嬢に自作小説のヒロインの記憶を移植し、自分への愛情を植え付けたのだ。  計画は完璧に成功し、絶世の美女は彼を慕うようになる。  しかし、彼女の愛情が深くなるほど、翔太の罪悪感も膨らんでいく。  これは愛なのか、それとも支配なのか?  偽りの記憶から生まれた感情に真実はあるのか?  マッチポンプ(自作自演)の愛に苦悩する少年の、複雑な心理を描く現代ファンタジー。 「愛されたい」という願いが引き起こした、予想外の結末とは——

召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

think
ファンタジー
ざっくり紹介 バトル! いちゃいちゃラブコメ! ちょっとむふふ! 真面目に紹介 召喚獣を繰り出し闘わせる闘技場が盛んな国。 そして召喚師を育てる学園に入学したカイ・グラン。 ある日念願の召喚の儀式をクラスですることになった。 皆が、高ランクの召喚獣を選択していくなか、カイの召喚から出て来たのは リビングメイルだった。 薄汚れた女性用の鎧で、ランクもDという微妙なものだったので契約をせずに、聖霊界に戻そうとしたが マモリタイ、コンドコソ、オネガイ という言葉が聞こえた。 カイは迷ったが契約をする。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...