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第46話【終わりの極楽花時雨】
しおりを挟む「では、死んでもらいます。さようなら、ハヤトさん。」
いつもと同じ様な静かな、しかし冷たい声色でイザベルは俺に抜いた剣を向けた。――って、!?!?
ちょ、ちょっと待ってくれどういう事だよ!?俺今なんかヤバい事言ったか!?
「お、おい……!?いきなりどうしたんだよ――って!?危ねぇッ!?」
俺はいきなり殺意を剥き出しにしてきたイザベルを何とか落ち着かせようと言葉を並べようとするが、それすらイザベルはさせてくれない様だ。
俺が喋り終わる前に一気にこちらへ踏み込んでくると横一線。剣でこちらを薙ぎ払ってきた。
……ッ!!!なんとか後ろに踏み込んで避ける事が出来たが、、空を斬った剣の軌道的に俺が今動いていなければ完全に首が飛んでたぞ。
しかも……寸前で止める気も無かった様に見える。
……これは先程の『死んでもらう』と言うセリフが単なる脅し言葉では無いと言う事を感じるには十分だった。
「どうして……どうして避けたのですか……?」
「あ、当たり前だろ!?」
クソ……絶対おかしい、イザベルはこんな奴じゃなかった……!!
どうする……?誰かに助けを求めて取り押さえてもらうか……?いや、でも今は周りに俺たち以外誰も居ない。
それなら――
「……ッ!!」
そこで俺は直ぐにイザベルから踵を返すと数十メートル先にある冒険者ギルドへ走り出した。
ギルドなら……きっと武装をした冒険者が居るはずだ!!――――だが、
「どこへ逃げるおつもりですか?」
「な……っ!?」
これがこの町でもトップ3に入る冒険者の実力なのか、イザベルは一瞬で俺まで追い付くと、冒険者ギルドへの道を塞ぐように立ち――そして「絶対に逃がさない」そう言わんばかりにこちらへ剣を構えた。
クソ……こりゃ逃げる事も出来なければ助けを呼ぶ事も出来なそうだな。
正直ヤバい、ヤバすぎる。なんでこうなったのか意味が分からなすぎるが、、それでも、諦める事だけは出来ない。
俺は……みんなで楽しい冒険者ライフを送ると誓ったんだ。こんなところで終わってたまるかよ……!!
「身体強化ッ!!」
だから俺はそこで体内の魔力を燃やし、一時的に身体能力を飛躍させる魔法、身体強化を使った。
前までは数分も持たなかったが、今は違う。何度も実戦でも使っているんだ、なんとか体力が切れるまでにイザベルを止める……ッ!!
「来い……!!イザベル……!!」
「……では、死んでください。」
そうしてイザベルによる俺に対する一方的な攻撃が始まった。
そしてそれから数分間。俺は必死にイザベルへ何度も声をかけ続けた。
「イザベルッ!!落ち着いてくれ――ッ!!」
「……」
俺は身体強化により飛躍した身体能力でイザベルの猛攻を避け、いなす。
しかし、やはり俺の声は全く届いていない様で、攻撃が始まってからその手が緩まっている感じは一切無かった。
どうすりゃ……良いんだよッ!!
「クッ、――――ふんっ!!」
「……ッ、」
とにかく、一度彼女の動きを止めなければ。
そこで俺は両足に力を込めると、何度も攻撃してくるイザベルの隙を見て一気に懐へ潜り込み、タックルでなんとか押し倒した。
「頼む、一度冷静になるんだ!!なんでこんな事になったのかも聞いてやるし俺に出来る事ならなんでもする!!」
俺はイザベルの両手を地面に押さえつけると、必死に必死にそう訴えかける。
「……無理です。私は先生に言われた事に従うだけ。」
「……ッ、だから、なんなんだよその先生って!!――――うぐッ!?」
しかし、そこで俺は一瞬隙を見せてしまい、押し返されると腹部に蹴りを一撃食らい、後ろへ吹き飛んだ。
「はぁ……はぁ……」
まだ武器があればもっと楽だったのかも知れないが、、さすがに素手だと身体強化を使っているとは言えキツイな。
それに魔力の方も体力の方も……こうずっとイザベルの鋭く速い攻撃を避け続けていると流石にしんどい、身体強化がいつ切れてもおかしくない。そんな状態だった。
すると、そこで更に追い討ちをかけてくる様にそこでイザベルは先程とは違う行動に出る。
手に持っている剣を空に伸ばすと、目を瞑りゆっくりと空気を吸い始めたのだ。
「……ッ、!?まさか、」
そう、そして俺はこの行動が何かを知っていた。
忘れる事も出来ない、共にオーガ討伐へ行った時、オーガ討伐後に俺たちへ襲いかかって来たオークを一瞬にして蹴散らした技「極楽花時雨」の準備の行動だ。
その証拠に、もう既に周囲の気温が下がって来ているのを肌で感じる事が出来た。
「氷結、極楽花時雨」
イザベルがそう呟くと、更に周囲の気温がガクンと下がる。
クソ……もう地面の小さな石や葉が浮き始めたぞ……!?これはマジでヤバい……!!
そして、その浮き上がった石や葉はすぐに氷に覆われ、ガラスの破片の様な形状に変わるとイザベルを中心にしてゆっくりと速度を上げながら回り始めた。
それに対して流石に俺も死を覚悟する。――――が、その瞬間、ひとりの冒険者がギルドから飛び出るように出てきた。
「イザベルッッッッ!!!」
「……ッ!!レイバーッ!!」
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