43 / 101
夢から逃げられない
しおりを挟む
夢、それは、人が寝ている中で見るもの。
もしその夢が、何かを意味していたらどうするだろう――。
朝目を覚ますと、私は服まで汗で濡れていた。
嫌な夢を見た気がするのに思い出せない。
そんな日が数日続いたある日、私はこのことを友達に話した。
「うーん、同じ夢を見てるのかな?」
「わからない。でも、凄く怖い夢だったことは覚えてる。何か眠るのが最近怖くて」
そんな私に友達が提案したのは、夢を紙にメモること。
人は寝てるときに途中で目を覚ましたりすることがあるが、その時は夢を覚えていたりする。
なので忘れてしまうなら、覚えているうちにメモをとればいいのではないかと提案してくれた。
私はその夜友達に言われた通り、枕元に紙とボールペンを置いて眠りについた。
翌朝目を覚ますと、またも服は汗でぐっしょり。
変わらず夢の内容は覚えていない。
枕元に置いていた紙に視線を向けると、書いた覚えはないが文字が書かれている。
「黒、刃物……死」
単語だけ書かれていた言葉の最後に『死』と書かれてあり、何だか不気味に感じた。
それに、前の二つの言葉も気になる。
その日の夜も、昨夜と同じ様に枕元に紙とボールペンを置き眠る。
翌朝紙に書いてあったのは「フード、夜、死」の文字。
これだけでは同じ夢なのかすらわからないため、毎晩続けた。
そして繰り返すうちに一つ気づいてしまった。
必ず最後に『死』という文字だけが変わらず書かれていることに。
そんな日々を繰り返すうちに、私の体調は悪くなっていく。
学校帰りの駅のホーム。
すでに空は暗くなり始めていた。
立っていると目眩がし始め、意識が遠退く感覚に危ないと感じたとき、後ろから誰かがぶつかる。
顔だけを後ろに向けると、黒いフードを被った青年の姿。
ニヤリと笑みを浮かべた青年が離れると、その手には赤く染まったナイフ。
「思い出した……」
フラフラとした足取りで私の身体は線路へと背中から落ちる。
その瞬間私の視界に映ったのは綺麗なお月様と、横から迫りくる光だった。
それは、夢で見た光景そのもの。
《完》
もしその夢が、何かを意味していたらどうするだろう――。
朝目を覚ますと、私は服まで汗で濡れていた。
嫌な夢を見た気がするのに思い出せない。
そんな日が数日続いたある日、私はこのことを友達に話した。
「うーん、同じ夢を見てるのかな?」
「わからない。でも、凄く怖い夢だったことは覚えてる。何か眠るのが最近怖くて」
そんな私に友達が提案したのは、夢を紙にメモること。
人は寝てるときに途中で目を覚ましたりすることがあるが、その時は夢を覚えていたりする。
なので忘れてしまうなら、覚えているうちにメモをとればいいのではないかと提案してくれた。
私はその夜友達に言われた通り、枕元に紙とボールペンを置いて眠りについた。
翌朝目を覚ますと、またも服は汗でぐっしょり。
変わらず夢の内容は覚えていない。
枕元に置いていた紙に視線を向けると、書いた覚えはないが文字が書かれている。
「黒、刃物……死」
単語だけ書かれていた言葉の最後に『死』と書かれてあり、何だか不気味に感じた。
それに、前の二つの言葉も気になる。
その日の夜も、昨夜と同じ様に枕元に紙とボールペンを置き眠る。
翌朝紙に書いてあったのは「フード、夜、死」の文字。
これだけでは同じ夢なのかすらわからないため、毎晩続けた。
そして繰り返すうちに一つ気づいてしまった。
必ず最後に『死』という文字だけが変わらず書かれていることに。
そんな日々を繰り返すうちに、私の体調は悪くなっていく。
学校帰りの駅のホーム。
すでに空は暗くなり始めていた。
立っていると目眩がし始め、意識が遠退く感覚に危ないと感じたとき、後ろから誰かがぶつかる。
顔だけを後ろに向けると、黒いフードを被った青年の姿。
ニヤリと笑みを浮かべた青年が離れると、その手には赤く染まったナイフ。
「思い出した……」
フラフラとした足取りで私の身体は線路へと背中から落ちる。
その瞬間私の視界に映ったのは綺麗なお月様と、横から迫りくる光だった。
それは、夢で見た光景そのもの。
《完》
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ウインタータイム ~恋い焦がれて、その後~
さとう涼
恋愛
カレに愛されている間だけ、
自分が特別な存在だと錯覚できる……
◇◇◇
『恋い焦がれて』の4年後のお話(短編)です。
主人公は大学生→社会人となりました!
※先に『恋い焦がれて』をお読みください。
※1話目から『恋い焦がれて』のネタバレになっておりますのでご注意ください!
※女性視点・男性視点の交互に話が進みます
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる