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第壱武将 休日は地獄
7 休日は地獄
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皆で文を出し、その中で添い遂げたいと思う人物一人に返事を書くよう伝えられた姫だったが、その文が届いた翌日、姫のいた城は炎に包まれ命を落とした。
その後武将達が知った事実。
城が炎に包まれた前の晩、姫は誰かに文を書いていたという新たな情報を得た。
すでにこの世にいない姫に聞くこともできず、書かれていた文の中身も送る相手もわからないまま武将達は散っていった。
ミニ武将達が私の目の前に現れたことが偶然とは思えない。
姫への想いを残したまま散っていった武将達。
その未練が今の現状に関係しているとしたら、姫が書いたとされる文が誰に送られるものだったのかということと書かれていた内容が、今もこの世を彷徨っている武将達の未練に違いない。
だが私に前世の記憶はない。
真実は知りようもない。
これ以上考えたところでわかるはずもなく、姫に恋文を書いた武将を思い出していく。
武田 信玄、伊達 政宗、上杉 謙信、織田 信長。
こう考えると前世とはいえ、自分は凄い人達を相手にしていたんだなと思う。
いつの間にか時間は過ぎていき、考えながら眠ってしまっていた私を起こしたのは帰宅したお母さんだった。
結局日曜日もゆっくり過ごせたとはいえないものとなり、お風呂とご飯を済ませると部屋に戻る。
扉を開けた私の目に飛び込んできたのは、いつの間にかキッチンから持ってきたと思われるチョコなどのお菓子を食べているミニ武将達の姿。
「アンタ達いつの間に……。てかそこ私のベッド」
人の布団の上でお菓子を食べている武将達を摘まみ上げ机の上に置くと、信玄が突然才蔵の名を口にした。
視線を向ければいつの間にか信玄の横には佐助の姿がある。
どうやら私が寝ている間に佐助から今日の事を聞き、ミニ武将達は皆知っているようだ。
才蔵が現れた今、隠す必要もないだろうと信玄は自分達が知る情報を私に話す。
ことの始まりは佐助から聞いた通りで、姫に恋文を出した武将が揃い踏みでこの世界に現れた。
なら、信長もこの世界のどこかにいるかも知れないという考えから佐助を私の護衛につけていたようだ。
その予想は的中。
信長は欲しいもののためなら手段を選ばない人物。
何をしてくるかわかったものではないため、これからは更に佐助の護衛が厳しくなる。
元の大きさなら兎も角、小さい武将ならたいして怖くはないが、才蔵が現れたとき私は気づくことすらできなかった。
相手が刃物などを持っていれば、いくらミニ武将相手とはいえ危険。
何より、皆が心配してくれているのが伝わってくる。
きっと自分の前世の姫は、皆から大切にされ、思われていたに違いない。
明日から学校が始まる。
少しの不安を残しながらも眠りにつき、慌ただしく、ゆっくりできなかった休日は過ぎていく。
その後武将達が知った事実。
城が炎に包まれた前の晩、姫は誰かに文を書いていたという新たな情報を得た。
すでにこの世にいない姫に聞くこともできず、書かれていた文の中身も送る相手もわからないまま武将達は散っていった。
ミニ武将達が私の目の前に現れたことが偶然とは思えない。
姫への想いを残したまま散っていった武将達。
その未練が今の現状に関係しているとしたら、姫が書いたとされる文が誰に送られるものだったのかということと書かれていた内容が、今もこの世を彷徨っている武将達の未練に違いない。
だが私に前世の記憶はない。
真実は知りようもない。
これ以上考えたところでわかるはずもなく、姫に恋文を書いた武将を思い出していく。
武田 信玄、伊達 政宗、上杉 謙信、織田 信長。
こう考えると前世とはいえ、自分は凄い人達を相手にしていたんだなと思う。
いつの間にか時間は過ぎていき、考えながら眠ってしまっていた私を起こしたのは帰宅したお母さんだった。
結局日曜日もゆっくり過ごせたとはいえないものとなり、お風呂とご飯を済ませると部屋に戻る。
扉を開けた私の目に飛び込んできたのは、いつの間にかキッチンから持ってきたと思われるチョコなどのお菓子を食べているミニ武将達の姿。
「アンタ達いつの間に……。てかそこ私のベッド」
人の布団の上でお菓子を食べている武将達を摘まみ上げ机の上に置くと、信玄が突然才蔵の名を口にした。
視線を向ければいつの間にか信玄の横には佐助の姿がある。
どうやら私が寝ている間に佐助から今日の事を聞き、ミニ武将達は皆知っているようだ。
才蔵が現れた今、隠す必要もないだろうと信玄は自分達が知る情報を私に話す。
ことの始まりは佐助から聞いた通りで、姫に恋文を出した武将が揃い踏みでこの世界に現れた。
なら、信長もこの世界のどこかにいるかも知れないという考えから佐助を私の護衛につけていたようだ。
その予想は的中。
信長は欲しいもののためなら手段を選ばない人物。
何をしてくるかわかったものではないため、これからは更に佐助の護衛が厳しくなる。
元の大きさなら兎も角、小さい武将ならたいして怖くはないが、才蔵が現れたとき私は気づくことすらできなかった。
相手が刃物などを持っていれば、いくらミニ武将相手とはいえ危険。
何より、皆が心配してくれているのが伝わってくる。
きっと自分の前世の姫は、皆から大切にされ、思われていたに違いない。
明日から学校が始まる。
少しの不安を残しながらも眠りにつき、慌ただしく、ゆっくりできなかった休日は過ぎていく。
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