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第弐武将 騒がしさは終わりの近づき
5 騒がしさは終わりの近づき
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最初は驚いた美海だったが、私の名が出され話しを聞くと、内容は私が佐助から聞いたものと同じことを聞かされた。
私が戦国時代姫であったこと。
そして、その姫に武将達は恋に落ち文を出した。
だがその翌日、姫は亡くなり、最後に書いていたとされる姫の文は一体誰に宛てたものだったのか。
信玄達は今の私には関係のないことだといっていたが、信長は違う。
姫の生まれ代わりである私をなんとしてでも手に入れようと考えている。
そんな信長には、姫が書いたとされる文が誰に宛てられたものかなどどうでもいいことだった。
姫を自分の物にする、ただその欲望を叶えようとしているだけ。
「いくら昔の事とはいえ、私の家系は信長様に仕えてきた。逆らうことなんて出来なかった」
だから美海は信長の指示に従いあのアプリを私に薦めた。
いつもみたいにスルーしてくれることを心の中で期待して。
でも私は、そのアプリに引き寄せられるかのようにインストールしてしまった。
そのあとも美海は、何も知らない振りをしながらいつも通りに私に接した。
怪しまれないように会話で情報を探り、帰り道、後をつけたのも偵察のため。
やはり美海は私を騙していた。
でも私にとって美海は友達でありそれは変わらない。
美海の手にそっと自分の手を重ね、ありがとうと口にする。
今私の瞳に映るのは、悲しみで歪む美海の顔。
本当に騙そうとしていたなら、そんな顔するはずがない。
美海は瞳に溜まった涙を拭うと、直ぐに帰るように私に言う。
今信長は眠っており、家臣達は信長の傍についている。
目を覚ます前にこの場所から離れなくては、信長は何をするかわからない。
「でも、もしこのことが知られたら……」
「大丈夫、なんとかなるから」
心配ではあるが、美海の思いを無駄にしないためにも、この場から離れようとしたとき佐助が口を開いた。
お前は信長に仕えてるんじゃねぇのか、と才蔵に視線を向けている。
確かに才蔵は信長に仕えている忍。
信長に知らされてしまえば美海が危険だ。
鋭く睨み付ける佐助だが、その心配はないよと才蔵の代わりに美海が答える。
一体どういうことなのか話を聞きたいところだが、そろそろこの場から離れないと信長が目を覚ましてしまうと美海に言われ、その場から離れ家へと帰る。
私が戦国時代姫であったこと。
そして、その姫に武将達は恋に落ち文を出した。
だがその翌日、姫は亡くなり、最後に書いていたとされる姫の文は一体誰に宛てたものだったのか。
信玄達は今の私には関係のないことだといっていたが、信長は違う。
姫の生まれ代わりである私をなんとしてでも手に入れようと考えている。
そんな信長には、姫が書いたとされる文が誰に宛てられたものかなどどうでもいいことだった。
姫を自分の物にする、ただその欲望を叶えようとしているだけ。
「いくら昔の事とはいえ、私の家系は信長様に仕えてきた。逆らうことなんて出来なかった」
だから美海は信長の指示に従いあのアプリを私に薦めた。
いつもみたいにスルーしてくれることを心の中で期待して。
でも私は、そのアプリに引き寄せられるかのようにインストールしてしまった。
そのあとも美海は、何も知らない振りをしながらいつも通りに私に接した。
怪しまれないように会話で情報を探り、帰り道、後をつけたのも偵察のため。
やはり美海は私を騙していた。
でも私にとって美海は友達でありそれは変わらない。
美海の手にそっと自分の手を重ね、ありがとうと口にする。
今私の瞳に映るのは、悲しみで歪む美海の顔。
本当に騙そうとしていたなら、そんな顔するはずがない。
美海は瞳に溜まった涙を拭うと、直ぐに帰るように私に言う。
今信長は眠っており、家臣達は信長の傍についている。
目を覚ます前にこの場所から離れなくては、信長は何をするかわからない。
「でも、もしこのことが知られたら……」
「大丈夫、なんとかなるから」
心配ではあるが、美海の思いを無駄にしないためにも、この場から離れようとしたとき佐助が口を開いた。
お前は信長に仕えてるんじゃねぇのか、と才蔵に視線を向けている。
確かに才蔵は信長に仕えている忍。
信長に知らされてしまえば美海が危険だ。
鋭く睨み付ける佐助だが、その心配はないよと才蔵の代わりに美海が答える。
一体どういうことなのか話を聞きたいところだが、そろそろこの場から離れないと信長が目を覚ましてしまうと美海に言われ、その場から離れ家へと帰る。
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