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第参武将 想いは時を越え
3 想いは時を越え
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翌朝。
着替えなどを入れたキャリーバッグと、財布やミニ武将達を入れる少し大きめの鞄を持つと、待ち合わせの駅へ向かう。
美海も来たところで電車に乗り、武将達のお城をその日は一日見て回った。
中にはお城自体残っていなものもあったが、何だか懐かしいという気持ちになる。
ミニ武将達のお城を巡り、美海の熱い武将話を聞いていたのだが、とくに何かを思い出すことはなかった。
そして1日の限られた時間とお金では行ける範囲も限られてくる。
全てのお城を見ることはできず何も思い出せないまま、一日目の旅館に向かう。
「元気だしなよ。そんな直ぐになんて思い出せないだろうし、まだ明日もあるんだから」
「うん、そうだよね」
その日の夜は温泉に入り、旅館で出された料理を食べていたのだが、その時ミニ武将達の存在を思い出し鞄を開けた。
中では何故か、ぐるぐるに縛られ身動きが取れない状態のミニ武将達。
そのうえ声も出せないように布で口を塞がれている。
静かだとは思っていたが、これは一体何が起きたんだと思っていると、才蔵が説明をしてくれた。
どうやら出かけていた途中で何度かミニ武将達が鞄から出ようとしたり喧嘩を始めたりとしたため、昨日私が頼んだことを思い出した結果がこうらしい。
流石有名な武将達。
予想を裏切らない。
「ま、俺に任せとけば大丈夫だから安心しろよ」
「何自分だけがやったみたいに言ってんだ。おい、こんな裏切り者より俺に任せろ」
佐助はやっぱり才蔵の裏切りが許せないみたいで、何かしらあると対抗したがる。
でも、今回は家の中とは違う。
人に見られる可能性もそうだが、何より勝手にいなくなられては探しようがなくなるため、佐助と才蔵二人にミニ武将達の見張りを頼むと、取り敢えず今は縛られていた皆の縄を解く。
まだ今日は何も食べさせていなかったため、武将達は痩せこけているように見える。
佐助や才蔵はさすが忍び。
このくらい食べなかったくらいなら平気のようだ。
「はい、みんなも食べて。佐助と才蔵もね」
小皿に料理を乗せ武将たちの前に置くと、余程お腹が空いていたらしく飛びついて食べる。
才蔵も食べているのに佐助だけが食べず、才蔵が食べるように勧めるも拒否。
「折角食べるように言ってくれてんだからお前も食べろよ、っと」
「んぐっ!?」
才蔵は無理矢理佐助の口に料理を押し込むと、佐助はモグモグと食べたあと怒りだす。
そんな姿を見ていると、まるで昔の二人を見ているようで懐かしい。
そう思ったとき、何故私はこの二人の姿が懐かしいと思ったのか不思議だった。
昔の二人なんて知らないはずなのに。
着替えなどを入れたキャリーバッグと、財布やミニ武将達を入れる少し大きめの鞄を持つと、待ち合わせの駅へ向かう。
美海も来たところで電車に乗り、武将達のお城をその日は一日見て回った。
中にはお城自体残っていなものもあったが、何だか懐かしいという気持ちになる。
ミニ武将達のお城を巡り、美海の熱い武将話を聞いていたのだが、とくに何かを思い出すことはなかった。
そして1日の限られた時間とお金では行ける範囲も限られてくる。
全てのお城を見ることはできず何も思い出せないまま、一日目の旅館に向かう。
「元気だしなよ。そんな直ぐになんて思い出せないだろうし、まだ明日もあるんだから」
「うん、そうだよね」
その日の夜は温泉に入り、旅館で出された料理を食べていたのだが、その時ミニ武将達の存在を思い出し鞄を開けた。
中では何故か、ぐるぐるに縛られ身動きが取れない状態のミニ武将達。
そのうえ声も出せないように布で口を塞がれている。
静かだとは思っていたが、これは一体何が起きたんだと思っていると、才蔵が説明をしてくれた。
どうやら出かけていた途中で何度かミニ武将達が鞄から出ようとしたり喧嘩を始めたりとしたため、昨日私が頼んだことを思い出した結果がこうらしい。
流石有名な武将達。
予想を裏切らない。
「ま、俺に任せとけば大丈夫だから安心しろよ」
「何自分だけがやったみたいに言ってんだ。おい、こんな裏切り者より俺に任せろ」
佐助はやっぱり才蔵の裏切りが許せないみたいで、何かしらあると対抗したがる。
でも、今回は家の中とは違う。
人に見られる可能性もそうだが、何より勝手にいなくなられては探しようがなくなるため、佐助と才蔵二人にミニ武将達の見張りを頼むと、取り敢えず今は縛られていた皆の縄を解く。
まだ今日は何も食べさせていなかったため、武将達は痩せこけているように見える。
佐助や才蔵はさすが忍び。
このくらい食べなかったくらいなら平気のようだ。
「はい、みんなも食べて。佐助と才蔵もね」
小皿に料理を乗せ武将たちの前に置くと、余程お腹が空いていたらしく飛びついて食べる。
才蔵も食べているのに佐助だけが食べず、才蔵が食べるように勧めるも拒否。
「折角食べるように言ってくれてんだからお前も食べろよ、っと」
「んぐっ!?」
才蔵は無理矢理佐助の口に料理を押し込むと、佐助はモグモグと食べたあと怒りだす。
そんな姿を見ていると、まるで昔の二人を見ているようで懐かしい。
そう思ったとき、何故私はこの二人の姿が懐かしいと思ったのか不思議だった。
昔の二人なんて知らないはずなのに。
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