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第88.5話 神々の思惑
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「――――ってなわけで、手際は悪いけど頑張ってるみたいだよ?」
虹色に輝く水晶の宮殿で、僕は三柱の神々に語って聞かせていた。
内容は、地球から来た侵略者の子達の事。特にアルセアが目を付けていた妖怪しなずちについてが多く、三柱とも興味深そうに聞き入っていた。
巨大な原石を真っ二つに割ったテーブルから、漆黒に身を包む紫の女神がグラスを取る。
注がれていた甘い香りのカクテルを一口含み、舌で回して味わい飲み込む。味に満足したのか、悪だくみでも考えているのか、浮かべている微笑みはとても黒くて楽しそうだ。
地球に移っていなければ僕も混じれていたかもしれず、とてもとても残念でならない。
しかし、実際に実行するには高いハードルがある。
咎める者がいるからだ。
「アイシュラ。何を企んでいるのですか?」
黄金色が透けて見えるジョッキを片手に、外見だけは幼い純白の女神が紫の女神に睨みを利かせる。
口の周りに付いた白い泡が麗しい幼体の美を台無しにしているが、これはこれで可愛らしく思える。背伸びして大人の世界に近づこうとするのではなく、どっぷり浸かって定住してしまったロリババア。言葉遣いこそお姉様ぶっているものの、実年齢を考えたらやはりババアが良く似合う。
対して、紫の女神はゆったりとグラスをテーブルに戻し、手を膝の上に戻す。
ただそれだけの所作に、洗練された妖艶な美を感じさせる。しなずちの手に堕ちたレスティとラスティでも未だここまでは至れない。女であり、雌であり、母であり、処女でもある、ありとあらゆる女の美を集めて纏めたような御年五十万の行き遅れ。
どっちが良いのかと議論が起きたら、僕は両方辞退する。
何が悲しくてこんな年増共に評価を付けないとならないのか。両方から言い寄られているヴァテアが気の毒に思え、他に向かわないようにしっかりがっちり捕まえておくよう心から応援しておこう。
精々頑張れ。
「大した事ではないわ、ルエル」
「そう言って、この四十万年の間に滅ぼした国が幾つあるのか覚えているのですか? いい加減、私の勇者達に滅ぼされた方がよろしいかと思いますっ」
「私まで至れた勇者なんてアンダル以外にいたかしら? ドルトマはやる気がない。ガルドーンは国を離れられない。レスティを失いこそしたけれど、私達の戦力差は縮まってはいないわよ?」
「ヴァテアが勇者になれば時間の問題ですっ!」
大きな金属塊が大地に落とされたかのように、重々しい爆音を響かせてジョッキが置かれた。
衝撃波こそ出なかったものの、空気の強振動が身体を芯から震わせる。
防いだつもりだったけど、当然の如く貫通された。流石はディプカント二大上位神の片割れで、勇者の総元締めをしている極光神ルエルだ。これでもう少し大人の慎みを持てればヴァテアも求婚を断らなかったと思うんだけど、もう今更だから別に良いか。
ちょっと精神的にガキが過ぎるんだよね、彼女。
「ヴァテアは魔王になるの。ダルバス軍との戦で片鱗を見せたし、それこそ時間の問題よ」
恋敵から想い人の名を出され、アイシュラは頬を膨らませて不快感を露わにする。
外見も口調も若々しく妖艶な美女なのに、纏っている黒いオーラが年齢以上の重みを出して台無しにしていた。可愛らしいアクセサリーの一つもすれば変わるのに、趣味じゃないと一蹴してしまっているのは何と勿体ない事か。
私室で一柱の時は、昔ヴァテアにプレゼントされたリボンを付けてるそうだけど…………。
そういうお茶目な所を出せばもっと歳相応に若く見られると思う。
まぁ、五十万歳なのは変わらないけどね。
「あぁ、やる気ですか? 良いですよ? たまには私も身体を動かさないと、と思っておりました」
「奇遇だわ。私も少し運動不足だったの。ヴァテアが私のモノになれば毎晩運動が出来るのだけれど…………ところで、その貧相な身体でどうやってあの子を楽しませるつもり? いくら幼児体型と言っても限度があるわよ、ロリババア?」
「――――っっつ!」
ルエルが涙目で顔を真っ赤にした直後、視界が真っ暗な闇に染まった。
視覚上、何が起こっているかはわからない。網膜に届くはずの光が全て収束してルエルの手元にあるからで、光学的視覚に頼る生物はこの時点で詰みだ。
規模も速度も方向もわからない極光が、音もなく目標を焼き斬る。
対処する方法はあっても、それをできる者は数少ない。例えばルエルの怒りの矛先であるアイシュラのように、魔力を視覚より正確に認識できる魔覚を持っていれば入口くらいには立てるだろうか?
僕も、この場の世界を認識して彼女達の動きを観察する。
だが、それはもう終わっていた。
三柱目の男神から生えた二本の巨大触手が、ルエルとアイシュラを巻いて締め付けていた。割とシャレにならない力が込められているらしく、二柱の表情は苦悶に歪み果てようとしている。
唐突に光が戻り、視界にも同じ光景が映し出される。
「ァアァアア――――ッ!」
「クゥ――――ッ!」
「その辺にしておけ。喧嘩をしたければ下界でいくらでもやれば良い。信者を大勢巻き込んでな。そうでなければ大人しくしていろ」
言い聞かせるだけ言い聞かせて、男神は触手を緩めて二柱を解放する。
拘束し続けないのは、しなくてもどうにでもできる実力の差があるから。その事を身に染みて知っているルエルとアイシュラはそれ以上を続けようとはせず、互いに数瞬睨み合っただけで自らの椅子に大人しく座った。
僕は、数千万年変わらない童顔青年の気性を少しだけ笑う。
昔からこうだった。
僕と彼と彼の双子の兄とで戦場を駆けていた遥か昔。今のように細身の低身長に女性より長く黒髪を伸ばし、彼は戦地キャンプのお姉様方に肉人形として扱われていた。
されるがままを受け入れる、主体無き男性体が普段の姿。
ただ、ここぞという時は自らを前面に出す。咎めるべきを咎め、支えるべきを支え、類稀なカリスマを発揮する。昨日までの女主人は愛人へと自ら堕ち、翌日の戦場に何人立てるかを皆で賭けあった日々が酷く懐かしい。
――――そういえば似てるよね。君としなずち。
「ソウ。少し会わない内に短気になった?」
「この二柱といつも絡んでいればこうなるよ、琥人。もういい加減、ヴァテアに纏めて娶ってもらって静かにさせてもらわないと困る」
「十七人孕ませてたから、今更二柱増えても問題ないと思うよ? それはさておき、あの子達はどうする? それなりに侵攻が進んで信仰も集まったようだし、アルセアの穴を埋める為にも良い頃合いなんじゃないかな?」
「使われている気しかしないのは癪だがな」
「それは言えてる」
向こうはため息を吐き、僕は笑った。
理の女神アルセアが旅立った今、ディプカントの運営は一筋縄ではいかない。今までは彼女と創造神のソウが中位神以下の神々を纏めていたのだが、脅威が半分になって勝手をする神もいくらか出て来た。
正義の神ダルバスもその一柱。
絶対的強者として怯えていたアルセアがいなくなった途端、元気になってグランフォートを攻め始めた。信仰の元となる奴隷の収穫を主目的として、増援に来たルエルとアイシュラが仲違いして相討ちになれば万々歳とでも考えたのだろう。
口先だけの小物の浅知恵だ。
女神軍に足元を掬われて、奴隷達に蜂起されたのはザマァとしか言いようがない。尖兵もあと一人しか残っていないし、近日には神域から消えて失せる。
他の連中への見せしめに丁度良い。
「神界再編はいつになりそう?」
「ダルバスが滅びたらすぐに開く予定だ。だが、一つ問題がある」
「問題?」
僕の問いに、ソウはテーブルをノックして数枚の書類を硬い平面から浮き上がらせた。
書類はふわりと浮き上がり、僕の手元に流れて収まる。書かれていた内容は侵略者たる女神軍の信仰状況で、その内容に、薄々感じていた懸念が現実となっている事を確信した。
あのやり方なら、こうもなろう。
連中の誰も、きっと気付いていないけど。
「うわぁ…………」
「真面目な連中の反発は必至だ。どこからか情報を仕入れたドガは面白がって支持に回るって言ってたし、ウォッドとユティオスは手を組もうと使者の選定を始めてる。ケイズも…………娘を傷物にした男の顔が是非見たいと、神剣の手入れをしながら血の涙を流していた」
「何それ面白そう。会議、見に来ていい?」
「最悪、議場ごと握り潰されても良いならな」
開いた手を握り込むジェスチャーをソウがして、ルエルとアイシュラは座っている椅子の中で出来る限りの距離を取った。
アルセアが以前、議場で乱闘が起きそうになった時に部屋その物が潰れ始め、どさくさで太腿を触られたと憤慨していたのを思い出す。
そっちもそっちで面白そうだ。
自分だけ逃げるのは問題なく出来るし、色々間違いを仕込むのもきっと楽しい。ドガの性的な無知なんてとびっきりの爆弾になり得て、会議が終わってもしばらくどころかずっと尾を引くに違いない。
うん。やっぱり来よう。
「じゃあ、開催したら来るから。アルセアに何か伝える事ある?」
「俺はもうお前の尖兵じゃない。琥人を送って気を遣ってくれるのは嬉しいが、まずはそっちがしっかりやれ。幸運を祈ってる」
「わかった。じゃ、またね」
軽く手を振って、僕は僕にしか見えない世界の隙間に飛び込んだ。
もう少しいたい気もしたが、アルセアからソウ達の様子を見て来て欲しいと頼まれている事がばれてしまった。他もばれたら拙いので、そうなる前にさっさと逃げる。
本当。やりにくいったらないよね。
地球までの帰路の間、僕はディプカント各地に仕込んできた悪戯の数々に思いを馳せた。
虹色に輝く水晶の宮殿で、僕は三柱の神々に語って聞かせていた。
内容は、地球から来た侵略者の子達の事。特にアルセアが目を付けていた妖怪しなずちについてが多く、三柱とも興味深そうに聞き入っていた。
巨大な原石を真っ二つに割ったテーブルから、漆黒に身を包む紫の女神がグラスを取る。
注がれていた甘い香りのカクテルを一口含み、舌で回して味わい飲み込む。味に満足したのか、悪だくみでも考えているのか、浮かべている微笑みはとても黒くて楽しそうだ。
地球に移っていなければ僕も混じれていたかもしれず、とてもとても残念でならない。
しかし、実際に実行するには高いハードルがある。
咎める者がいるからだ。
「アイシュラ。何を企んでいるのですか?」
黄金色が透けて見えるジョッキを片手に、外見だけは幼い純白の女神が紫の女神に睨みを利かせる。
口の周りに付いた白い泡が麗しい幼体の美を台無しにしているが、これはこれで可愛らしく思える。背伸びして大人の世界に近づこうとするのではなく、どっぷり浸かって定住してしまったロリババア。言葉遣いこそお姉様ぶっているものの、実年齢を考えたらやはりババアが良く似合う。
対して、紫の女神はゆったりとグラスをテーブルに戻し、手を膝の上に戻す。
ただそれだけの所作に、洗練された妖艶な美を感じさせる。しなずちの手に堕ちたレスティとラスティでも未だここまでは至れない。女であり、雌であり、母であり、処女でもある、ありとあらゆる女の美を集めて纏めたような御年五十万の行き遅れ。
どっちが良いのかと議論が起きたら、僕は両方辞退する。
何が悲しくてこんな年増共に評価を付けないとならないのか。両方から言い寄られているヴァテアが気の毒に思え、他に向かわないようにしっかりがっちり捕まえておくよう心から応援しておこう。
精々頑張れ。
「大した事ではないわ、ルエル」
「そう言って、この四十万年の間に滅ぼした国が幾つあるのか覚えているのですか? いい加減、私の勇者達に滅ぼされた方がよろしいかと思いますっ」
「私まで至れた勇者なんてアンダル以外にいたかしら? ドルトマはやる気がない。ガルドーンは国を離れられない。レスティを失いこそしたけれど、私達の戦力差は縮まってはいないわよ?」
「ヴァテアが勇者になれば時間の問題ですっ!」
大きな金属塊が大地に落とされたかのように、重々しい爆音を響かせてジョッキが置かれた。
衝撃波こそ出なかったものの、空気の強振動が身体を芯から震わせる。
防いだつもりだったけど、当然の如く貫通された。流石はディプカント二大上位神の片割れで、勇者の総元締めをしている極光神ルエルだ。これでもう少し大人の慎みを持てればヴァテアも求婚を断らなかったと思うんだけど、もう今更だから別に良いか。
ちょっと精神的にガキが過ぎるんだよね、彼女。
「ヴァテアは魔王になるの。ダルバス軍との戦で片鱗を見せたし、それこそ時間の問題よ」
恋敵から想い人の名を出され、アイシュラは頬を膨らませて不快感を露わにする。
外見も口調も若々しく妖艶な美女なのに、纏っている黒いオーラが年齢以上の重みを出して台無しにしていた。可愛らしいアクセサリーの一つもすれば変わるのに、趣味じゃないと一蹴してしまっているのは何と勿体ない事か。
私室で一柱の時は、昔ヴァテアにプレゼントされたリボンを付けてるそうだけど…………。
そういうお茶目な所を出せばもっと歳相応に若く見られると思う。
まぁ、五十万歳なのは変わらないけどね。
「あぁ、やる気ですか? 良いですよ? たまには私も身体を動かさないと、と思っておりました」
「奇遇だわ。私も少し運動不足だったの。ヴァテアが私のモノになれば毎晩運動が出来るのだけれど…………ところで、その貧相な身体でどうやってあの子を楽しませるつもり? いくら幼児体型と言っても限度があるわよ、ロリババア?」
「――――っっつ!」
ルエルが涙目で顔を真っ赤にした直後、視界が真っ暗な闇に染まった。
視覚上、何が起こっているかはわからない。網膜に届くはずの光が全て収束してルエルの手元にあるからで、光学的視覚に頼る生物はこの時点で詰みだ。
規模も速度も方向もわからない極光が、音もなく目標を焼き斬る。
対処する方法はあっても、それをできる者は数少ない。例えばルエルの怒りの矛先であるアイシュラのように、魔力を視覚より正確に認識できる魔覚を持っていれば入口くらいには立てるだろうか?
僕も、この場の世界を認識して彼女達の動きを観察する。
だが、それはもう終わっていた。
三柱目の男神から生えた二本の巨大触手が、ルエルとアイシュラを巻いて締め付けていた。割とシャレにならない力が込められているらしく、二柱の表情は苦悶に歪み果てようとしている。
唐突に光が戻り、視界にも同じ光景が映し出される。
「ァアァアア――――ッ!」
「クゥ――――ッ!」
「その辺にしておけ。喧嘩をしたければ下界でいくらでもやれば良い。信者を大勢巻き込んでな。そうでなければ大人しくしていろ」
言い聞かせるだけ言い聞かせて、男神は触手を緩めて二柱を解放する。
拘束し続けないのは、しなくてもどうにでもできる実力の差があるから。その事を身に染みて知っているルエルとアイシュラはそれ以上を続けようとはせず、互いに数瞬睨み合っただけで自らの椅子に大人しく座った。
僕は、数千万年変わらない童顔青年の気性を少しだけ笑う。
昔からこうだった。
僕と彼と彼の双子の兄とで戦場を駆けていた遥か昔。今のように細身の低身長に女性より長く黒髪を伸ばし、彼は戦地キャンプのお姉様方に肉人形として扱われていた。
されるがままを受け入れる、主体無き男性体が普段の姿。
ただ、ここぞという時は自らを前面に出す。咎めるべきを咎め、支えるべきを支え、類稀なカリスマを発揮する。昨日までの女主人は愛人へと自ら堕ち、翌日の戦場に何人立てるかを皆で賭けあった日々が酷く懐かしい。
――――そういえば似てるよね。君としなずち。
「ソウ。少し会わない内に短気になった?」
「この二柱といつも絡んでいればこうなるよ、琥人。もういい加減、ヴァテアに纏めて娶ってもらって静かにさせてもらわないと困る」
「十七人孕ませてたから、今更二柱増えても問題ないと思うよ? それはさておき、あの子達はどうする? それなりに侵攻が進んで信仰も集まったようだし、アルセアの穴を埋める為にも良い頃合いなんじゃないかな?」
「使われている気しかしないのは癪だがな」
「それは言えてる」
向こうはため息を吐き、僕は笑った。
理の女神アルセアが旅立った今、ディプカントの運営は一筋縄ではいかない。今までは彼女と創造神のソウが中位神以下の神々を纏めていたのだが、脅威が半分になって勝手をする神もいくらか出て来た。
正義の神ダルバスもその一柱。
絶対的強者として怯えていたアルセアがいなくなった途端、元気になってグランフォートを攻め始めた。信仰の元となる奴隷の収穫を主目的として、増援に来たルエルとアイシュラが仲違いして相討ちになれば万々歳とでも考えたのだろう。
口先だけの小物の浅知恵だ。
女神軍に足元を掬われて、奴隷達に蜂起されたのはザマァとしか言いようがない。尖兵もあと一人しか残っていないし、近日には神域から消えて失せる。
他の連中への見せしめに丁度良い。
「神界再編はいつになりそう?」
「ダルバスが滅びたらすぐに開く予定だ。だが、一つ問題がある」
「問題?」
僕の問いに、ソウはテーブルをノックして数枚の書類を硬い平面から浮き上がらせた。
書類はふわりと浮き上がり、僕の手元に流れて収まる。書かれていた内容は侵略者たる女神軍の信仰状況で、その内容に、薄々感じていた懸念が現実となっている事を確信した。
あのやり方なら、こうもなろう。
連中の誰も、きっと気付いていないけど。
「うわぁ…………」
「真面目な連中の反発は必至だ。どこからか情報を仕入れたドガは面白がって支持に回るって言ってたし、ウォッドとユティオスは手を組もうと使者の選定を始めてる。ケイズも…………娘を傷物にした男の顔が是非見たいと、神剣の手入れをしながら血の涙を流していた」
「何それ面白そう。会議、見に来ていい?」
「最悪、議場ごと握り潰されても良いならな」
開いた手を握り込むジェスチャーをソウがして、ルエルとアイシュラは座っている椅子の中で出来る限りの距離を取った。
アルセアが以前、議場で乱闘が起きそうになった時に部屋その物が潰れ始め、どさくさで太腿を触られたと憤慨していたのを思い出す。
そっちもそっちで面白そうだ。
自分だけ逃げるのは問題なく出来るし、色々間違いを仕込むのもきっと楽しい。ドガの性的な無知なんてとびっきりの爆弾になり得て、会議が終わってもしばらくどころかずっと尾を引くに違いない。
うん。やっぱり来よう。
「じゃあ、開催したら来るから。アルセアに何か伝える事ある?」
「俺はもうお前の尖兵じゃない。琥人を送って気を遣ってくれるのは嬉しいが、まずはそっちがしっかりやれ。幸運を祈ってる」
「わかった。じゃ、またね」
軽く手を振って、僕は僕にしか見えない世界の隙間に飛び込んだ。
もう少しいたい気もしたが、アルセアからソウ達の様子を見て来て欲しいと頼まれている事がばれてしまった。他もばれたら拙いので、そうなる前にさっさと逃げる。
本当。やりにくいったらないよね。
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