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第5話 つきまとう影★のディソナンス
集めて集めて☆
しおりを挟む「やったー、シロモッチーが豊作!」
「焼いても煮てもおいしいよネ☆」
「このポイズンベリーは?」
「アエリアスが欲しがってたから集めていこう。他のベリーと混ぜるなよ」
「マジカルミントに似てるけど黄色い…?」
「それ、枯れてるヤツ」
猫達は時々採取に来るらしく、悪魔のソーセージ以外の魔法植物にも詳しい。イェロンみたいに学術名や成分は分からないが、食べられる物と役に立つ物は覚えているようだ。
誰も【亜空間収納】は持ってないので、種類ごとに小袋やカゴに入れて運ぶ。
全員で採取していると敵襲に気づかない恐れがあるので、何か見つけたら採取の間は一人づつ交代で見張りをしている。
「敵ッ、上!!」
見張りのポップルの声に、他の3人は採集の手を止め、戦闘に備える。
ピップルが飛び退いた場所に、木の上からドサリと何かが落ちて来る。
シャーーーーッ
「赤眼大蛇だ!」
かなり太いアナコンダのようなヘビで、ルビーみたいな真っ赤な目が不気味だ。体をくねらし、突進してくる。意外と早い。毒はないが、絞め技が厄介なので、巻き付かれないように注意しながら応戦する。
リトとピップルが攻撃で気を引いている隙に猫ダンスで弱体化し、ポップルの【電撃球】で痺れさせ、リト、ポップル、そして俺も何度か直接攻撃して勝負がついた。
「本当に眼がルビーだったら儲かるんだけどな」
「あはは、言えるー☆」
「【血の涙】を使われる前に倒せて良かったぜ」
「アレ、浴びたくない。臭いし目に入るとしみるし……」
「4人だとちょっと楽だね」
「俺、役に立ってる?」
「立ってる立ってる!」
「ダンジョンでパパラチアダンスできるなんて。スゴイよ、ユウキ!☆」
「そうかな。えへへ」
猫達は、ダンジョンではステージと違ってパパラチアダンスが上手く踊れないという。俺のダンスを見て驚いてた。
俺の【猫ダンス】スキルは冒険者ギルドでも記録が見つからないため、育成方法が分からない。けれども、他のスキルと同じく、使えば使うほど伸びるだろうとの予測のもと、とりあえずチャンスがあれば使うようにしている。
効果は今のところ、味方に対してはランダムで【ステータスアップ】、敵に対しては【スロウ】【弱体化】【挑発】が1~3種類の重ねがけ。内容を選べないが、まあまあ役に立ってるようだ。味方へのバフを重ねがけはできないので、敵へのデバフばかり使っているが。
「さてと。あとは、もう少し【悪魔のソーセージ】が欲しいな」
「アチコチにあるって聞いたけど、なかなか無いな」
「いつもならこの辺りでたくさん見つかるんだが……無いな。まだ小さくて青いヤツばっかりだ」
「キミ達、知らないの? 今、【悪魔のソーセージ】ブームが来てるよ」
「そうだゾ☆」
何でも、俺がダンジョンマーケットで売ったのがきっかけで、調理済みの【悪魔のソーセージ】を売る屋台が次々できてるらしい。
「そいつらに取り尽くされてるってこと?」
「たぶんネ」
「前は生臭いって見向きもしなかったのに!」
「醤油ダレの焦げたのがイイんだよ…」
「無いと余計に食べたくなるよ…」
「「ね~~っ☆」」
「分かる分かる」
だいたい、そういうものである。
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