黄昏の犯罪者たち

本を書く社畜

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第1話:リフォーマーズセンター完成

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### **冒頭:完成式典**
2050年、日本。犯罪率が増加し、再犯者への社会的不信感がピークに達した社会で、政府はAIを活用した「犯罪者更生プログラム」を導入。その象徴となる施設「リフォーマーズセンター」が完成する。  
主人公・神谷創(かみや そう)は、この施設の設計を担当した建築家だ。彼は「建築は人間を癒す力を持つ」という信念を持ち、受刑者たちが心を落ち着けられる空間を目指して設計した。しかし、その完成式典では彼の期待とは異なる雰囲気が漂っていた。

式典会場には政府高官やメディア関係者が集まり、「再犯率ゼロ」を掲げて施設を称賛するスピーチが次々と行われる。  
「このリフォーマーズセンターは犯罪抑止の革命です。AI技術によって、受刑者たちは新しい人生を歩むことができます。」  
壇上で語る政府高官の言葉に、会場から拍手が湧き上がる。しかし、神谷はその言葉にどこか違和感を覚える。「新しい人生」とは何だろう?それは本当に本人たちの意思によるものなのか?

---

### **施設内視察**
式典後、神谷は施設内部を視察することになる。彼が設計した建物は自然光をふんだんに取り入れた開放的な空間であり、曲線美を活かして受刑者たちの心理的負担を軽減することを目的としていた。しかし、実際に稼働している施設内には彼の理想とは異なる冷たい空気が漂っていた。

特に「AI心理療法室」の異様な雰囲気に目を奪われる。無機質な部屋には脳波測定装置やVRヘッドセットが並べられ、監視カメラが至るところに設置されている。その光景は癒しというよりも実験室のようだった。

スタッフの説明によれば、更生プログラムではAIが受刑者の心理状態や過去の記憶を解析し、それに基づいて「人格矯正」を行うという。「これによって再犯率ゼロが実現できるんです」と誇らしげに語るスタッフ。しかし、その言葉にはどこか冷徹さが感じられた。

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### **疑念の芽生え**
視察中、神谷はある受刑者とすれ違う。その男は無表情で歩きながらも、小さく震えているように見えた。目には恐怖と疲労が宿っており、人間らしい感情がほとんど感じられない。「この施設で本当に人間らしさを取り戻せるのだろうか?」という疑念が神谷の胸に芽生える。

さらにスタッフから聞いた話では、「一部の受刑者はプログラム中に精神的な不安定さを示すことがあります。しかし、それも更生プロセスの一環です」と軽く流されてしまう。この言葉に神谷は強い違和感を覚える。「精神的な不安定さ」が更生プロセスだというなら、それは果たして人間性を尊重していると言えるのだろうか?

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### **ラスト:不穏な予兆**
式典終了後、神谷は自宅へ戻りながら考え続けていた。「自分が設計したこの施設は、本当に人々を救うためのものなのだろうか?」  
その夜、ニュース番組ではリフォーマーズセンターについて報じられていた。「画期的な技術によって犯罪者たちが新しい人生へ向かう――」というポジティブな内容。しかしその裏側には何か隠されているような気配が漂っていた。

翌日、ある衝撃的なニュースが飛び込んでくる。それはリフォーマーズセンター内で、更生プログラムを受けた受刑者が自殺したという事件だった。その男は遺書にこう書き残していた――  
**「自分はもう自分ではない。」**

この言葉に神谷は強い衝撃を受ける。そして、それが更生プログラムによる人格改変に関連している可能性に気づき始める。



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