悪役令嬢になりたいのです!

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02 そのような輩、厠で謹慎でもしていればいいのです!

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 あれから三週間が経った。休暇は領に戻れるほどの長さが無いため戻るのは見送り、マシュー様、パトリシア様、サキ、ウィンベル、レーニャの六人とお付きの六人の計十二人で町へ繰り出したり、共用スペースで歓談したり、討論したり、アルグレイ領の知識を披露したりして過ごした。
 一番驚かれたのは、就学時期だ。基本的な学園はどこの領も抱えているが、就学時期は此処と合わせるように十二才だ。就学期間も三年であるが、アルグレイ領は六才から六年間の十二才まで。
 それだけ教える事が有るからだが、何をして過ごしているか気になるのか相当な量の質問がお嬢を中心にジーン、俺と言った順にされた。
 そして、順調にお嬢の悪評は広がっているらしい。その事実に、お嬢はほくそ笑んでいた。


 久し振りに教室の扉をくぐると、待ちかまえるように三人の令嬢がお嬢の席の前で仁王立ちしていた。
 その頬は痩け、しかしぎらぎらと光る瞳がそこだけ別人のようだ。
「な、何でしょうか」
「アレクシア様!私たちが間違っていましたわ!私共の非業な行い、許してくださいませ!」
「な、何のことでしょうか?」
「まぁ!私達の行いを、取るに足らないものとしてお忘れくださいましたのね!あ、謝罪を忘れて居りましたわ!今までの私共の愚行、本当に申し訳有りませんでした!」
「は、はぁ」
怒濤の勢いでまくし立てられる言葉に、お嬢はタジタジのご様子。ジーンがどういった者かを耳打ちすると、漸く得心が言った様に頷いていた。
「私共、寄生虫に感染していたらしく、アレクシア様の下剤のおかげで死を免れることが出来たのですわ!それまで私共が愚行を繰り返しておりましたのに・・・・・・その行い、正に聖女様ですわ!!」
その言葉に、ピクッとお嬢が反応する。
 それを見て、俺は丹念に音声低減魔法をお嬢の周りに発動した。


「わたしは!悪役令嬢になりたいのです!!」


それでも普通の音量で聞こえるぐらい、お嬢は叫んでいた。
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