異世界探訪記

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十一日目。ノーム族の集落にて

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十一日目。
 真っ暗にはならないが、今日までの野営をした時より寝心地がよかった。多分、夜行性の動物に襲われない安心感と、見えも聞こえもしない人の気配のお陰だ。
 一昨日の午後から昨日に掛けては周囲を見て回らなかったから今日はノームの偉い人、族長のエドヴァンさんに許可を貰って集落中を歩き回らせて貰った。
 ここはノーム族のみの集落らしく、一様に背が低く、長身のノームでも俺の腰くらいの背丈だった。
 手先が器用らしく、レンガの様に同じ大きさの長方形に切り出された黒色の石を積み重ねて出来た石の壁には一様に装飾が施されており、幾何学模様が所狭しと描かれていた。面白いのは家々で描かれる模様がすべて違い、市松模様や唐草模様など、日本人にも慣れ親しんだ模様が描かれていたことだろうか。・・・・・・美的感覚はそこまで変わらないのかも知れない。
 笑ってしまった話があって、石を主食にしているのに、どうして建物の健在に石を使っているのかを聞くと、どうやらこの石、ノーム基準でとても不味いらしい。他の所から流れてきたというノームも不味いと行っていたので、この味覚はノーム共通らしい。不味くて堅い石だから建材に適していると言っていた。・・・・・・地球で例えるならサルミアッキで家を建てている感覚なのだろうか?いや、でもあれは現地人は普通に食べてるのか?こっちのこの石はどんなに空腹でも食べたくない味だと言っているからサルミアッキより不味いのは確定しているのか・・・・・・。

 ヤバい、竹の子が無くなりそうだ。宴会で羽目を外して食べ過ぎてしまっているな。どうしよう・・・・・・。
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