異世界探訪記

Luckstyle

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百日目。エルフ族の集落にて

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百日目。
 水車小屋の稼働部が完成した。湖に流れ込む、と言うか流れ落ちる力を利用して水車を回し、その回転をそのまま湖の方の水車を回し、水を汲み上げて水道へ流すちょっと回りくどいやり方だが無事稼働した。
 これで水問題が、問題というか便利にする事業があらかた終わった。外装は全ての池に水が貯まってから水車を一旦止め、乾かしてからやるそうだ。此方にやる事はもう無いとの事。

 旅の準備は始まっているが、ギルビットさんはハヌラット君に家と実験場を兼ねた敷地を譲り、今までの研究内容や結果を教え始めて順調に引き継ぎを行っているとの事。
 メヌエットさんは狩り組の女子達に昔から自分の持っている技術を教えたり一緒に新しい手法を考えていたりしたので引き継ぎは必要ないそうだ。
 そんな中で俺が裁縫を苦手にしていることが伝わって、二人も自分用の鞄や道具などを造り始めた。
 なので予定にしている一週間後の旅立ちが遅れたらきっと俺が足を引っ張ったに違いない。

 今日は水車小屋の稼働部が完成したので昼過ぎから宴会になった。小波が大波になって焦っているのだがこういった祝いの席を外す訳にも行かず、調理組にヘルプを出され、少年少女達と共に昼前に調理場へ顔を出した。手伝ってくれた兵士達には毒なし蛇のステーキ他、好評だったピリ辛野菜炒めや粉ふき芋、端材をミンチにした毒なし蛇のハンバーグとハンバーガー、調理油を贅沢に使ったこの集落産の野菜の天ぷら、一口大の色々な肉をつくねにして天ぷらにしたものなど、ラスティーと話し合って色々作った。
 そこでベルデットさんやアズラータさんが、ラスティーが俺の故郷の記憶を持っている事に納得していたのはびっくりした。

 まだ納得していなかったのかい!

 俺とラスティーが作り出す料理には焼き塩とエルディスの塩が使われたんだが、この世界の塩は粗塩が基本なのか使っている最中にスタットさんが興味津々に焼き塩を扱っていた。
 スタットさん程の料理人になると味の違いが解るのかめっちゃ感動しきりになっていたのが面白い。何でも、絡みが全体に広がって味の割にジャリジャリ感が無くなるんだとか。
 うーん、解らん。
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