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第三編第三章 ロジャーズグリフの戦い
革命軍幹部ヴィスタvs帝国軍少将アレス
しおりを挟む「いつまで其のディアー一匹で耐えられるかな?ミーのアタックはまだまだフィニッシュとは行かないよっ?」
「…あー…どうしよ…でもヨ、ヨハネ中将から『自分の仕事を全うしろ』って…怖い顔で言われてたしなあ…やらなきゃ怒られるよね…」
何やらブツブツと一人で呟いて居たアレスを
見ていたヴィスタは不思議そうに首を傾げて
いると突如、アレスを守っていたギフトの鹿
が、ヴィスタ目掛けて突進を始める。
「ワーオッ…それじゃあユーの守りがガラ空きだよ…ヒアウィーゴー…!!」
守りが崩れたと判断したヴィスタはアレス
目掛けて更に倍以上の葉の攻撃を放つ。
「…僕だって帝国軍の少将ですよ…自信は無いけど怒られたくも無いから、頑張りますっ!!」
アレスは目にも止まらない素早い武器捌きを
見せつけて葉の攻撃全てを両手に携えた
カリスティックの回旋で叩き落とした。
其のアレスの動きに狼狽え、驚きを見せた
ヴィスタはほんの少し反応を遅らせて突進
して来ていた蔦の鹿の角に吹き飛ばされる。
「アウチッ…今のアイズは…鬼気迫るモノがあったねぇ…其のネガティヴ発言はブラフかい?」
壁に柔らかい質感の葉を大量発生させて
衝撃を吸収させて受け身を取ったヴィスタ。
「ブラフじゃ無いですよ…自信なんてこれっぽっちも無いけど…怖い人に怒られたくは無いんですっ!」
「ワオッ…ユーは掴めない人だね…。それよりそういう目をしていないとガールにも間違われそうだよね、ユーって」
ヴィスタの言葉を聞いたアレスは突然肩を
震わせて俯くと何かを溜め込むように沈黙
し、数秒後に顔を上げて珍しく大声で叫ぶ。
「ぼ……僕は女の子じゃないっ!!」
「オオッ…ソーリーソーリー…!そんなに怒らないでっ…ビックリするじゃないか…ま、正にサプラーイズ…それ地雷だったんだ…」
アレスが似つかわしく無い大声を張り上げて
ヴィスタに怒るのだが、頬を膨らまし顔を
赤く染めて話すアレスの見た目は、悪いが
良く間違われて居そうだと感じてしまう。
「もういいですっ…怒りました…僕も頑張って貴方を倒します…」
「(うーん…怖くはないなあ…でも失礼だから此れ以上怒らせるのはナッシングだね…)」
ほんの少し苦笑いを浮かべてぷくっと頬を
膨らませて怒るアレスを眺めるヴィスタは
心の中でそう呟くと錫杖を、構える。
「僕は帝国軍少将蔦鹿アレス・ニールズ…男ですからっ!」
「ソーリーって…根に持たないでよ…。ちゃんと相手するさ…革命軍幹部旋鼬の異名を取るミーがさっ」
蔦から顕現された鹿の攻撃を避けながら
遠距離攻撃の多かったヴィスタが珍しく
体勢を低くして、アレスに突っ込んだ。
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