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第四編第三章 親を探す最大の手掛かり
新たな勢力
しおりを挟む「いやはや、お懐かしい。若い頃から其の名乗りは変わりませぬな…しかし、情には流されぬ所が私の長所でもありましてね…」
スネイクは目を大きく見開くと大地のギフト
の朽葉色(くすみ赤み掛かった黄色)のオーラ
を鞭に纏わせると腕を振るうと共にスネイク
の持つ鞭がランスに向かって襲い来る。
更にランスの足元が粘土の様に粘り気のある
質感へと変わって行き動きが遅くなる。
「ほう、ギフトの特性じゃな。じゃが甘いわ…スネイクッ!!」
大地のギフトの特性の一つ“粘土”物等を
粘り気のある物質に変化させられる。
足を粘り気のある土へと変わった岩の床に
足を取られながらも大槍の一振りでランス
はスネイクの鞭を薙ぎ払って見せる。
すると地面に大槍を突き刺して粘土の岩床に
朱色(黄色掛かった鮮やかな赤)の波動を
流し込むと岩床を蹴って空中へと跳ぶ。
そして身体に其の朱色の波動が雷となり
稲妻を纏う様な姿を見せると大槍をスネイク
目掛けて思い切り振り下ろす。
其の一撃は遺跡内の岩床を派手に叩き壊す。
回避したスネイクだったがランスの猛攻は
止まらず背後へと退がりながら防戦となる。
「昔教えた筈じゃがの。ギフトの様々な特性は其れを超える波動の強さで無効化出来るっちゅう事はァ…!」
「いやはや、貴方はいつまで昔の様に私達の教官のつもりで居るのでしょうか。ねぇ…ランス殿…今や宰相直下裏帝軍は貴方を捕らえる為に動く敵だと言う事をお忘れ無き様に…!」
宰相直下裏帝軍とは政府に於ける裏の武力。
華々しく表舞台で正義を振り翳すのが国王
直属の帝国軍とすれば表には出せない裏の
仕事を影の中で遂行するのが裏帝軍。
主に暗殺等が仕事内容となっている。
裏帝軍幹部であるスネイクから裏帝軍の
教官だったと伝えられたランスの謎は未だ
深まって行くばかりの中でランスは攻撃の
手は緩める事はしないがスネイクには未だ
傷は残せていない状況となっている。
「ほう…言うだけはある様じゃ…強くなっとるのう…スネイクよ…」
「お褒めに預かり光栄ですが、そろそろ終わりに致しましょう。ランス殿…」
そう言い放ったスネイクは高く跳躍すると
元々ランスが座っていた岩の上に跳び移る。
すると、先程よりも禍々しく荒々しいギフト
のオーラが遺跡内に漂い始めて行く。
其の異様さにロードは目を丸くする。
理由はスネイクの姿にあった。
朽葉色の大地のギフトのオーラを身に纏う
スネイクは体内の波動が猛々しく溢れ出す
と共に其の姿を変貌させて行く。
「(な…何だアレ…これは本当にギフトのチカラなのか…?)」
理解が及んで居ないロードは只息を呑む。
するとスネイクが小さく不気味な微笑みを
浮かべて言葉を発して見せた。
「…大地覚醒…。久方振りの此のステージでございます…!」
背を向けたスネイクの左肩からまるで生きた
大蛇の顔がうねり出し顔を見せ始めて行く。
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