180 / 954
第五編第二章 立ち上がる若き新芽
導き出された妙案
しおりを挟むU・Jは何やら腕組みをすると三人の目の前
で天を仰ぎながら行ったり来たり、其の場を
うろちょろと動き始めた。
「また、何かやってる…」
「今度は何を言い出すんだろうか…」
「つか…ちょっと良い感じに修行再開ッ!みたいな流れだったよな今…」
湧き上がって来た更なるヤル気を感じていた
三人は肩の力を脱力させて呆れた様に目の前
でうろちょろ動くU・Jを眺める。
天を仰いで考え事をしていたU・Jの目に
ピースハウスの建物内から窓越しに眺める
金髪の男の存在を発見するとニタァと少し
寒気のする嫌な笑い方を見せる。
すると室内に居た金髪の男は腕を抱えて寒さ
に耐える様な身震いと血の気が引く様な表情
を浮かべて居たが、U・Jにちょいちょいと
手招きをされると肩を落として中庭に出る。
重たい足取りで中庭へとやってきた其の男は
満面の笑みのU・Jに肩に手を回されて
諦めた様に地面に向けて俯いて居る。
「誰だ…?」
「確か…帝国軍の少将の方だ」
「オイ、お前等…紹介するぜ?俺の同期で帝国軍の少将サーガ君だ」
溜息を吐きながらU・Jに紹介された目の前
の男性は帝国軍少将サーガ・レオレックス。
U・Jとは入隊当時からの腐れ縁だ。
「皆さん初めましてッス…。帝国軍の少将サーガって言うんッスけど…呼び出された理由も解らない上に嫌な予感しかしてないッス…どうぞ宜しく…」
「わぁ…真ん中の文章あんまり関係無かったかも…」
諦めた様に声を発したサーガの肩を容赦無く
バチンバチンと叩きながらU・Jは笑う。
「いやー、良い所に来てたぜ。サーガ君、実は困った事があってよォ…」
「何ッスか…?一応聞いてやるッス…」
「鍛錬だけよりも実際本格的な戦闘を見て学ぶ事も良い事だと思うんだわ…だろ?サーガ君」
「…其れは…合ってると思うッス…。つか、アンタ…他の誰かの修行に付き合うなんて頭でも打った…」
「てな訳で!其処でサーガ君!」
サーガの言葉を割ってU・Jはグッとサーガ
に顔を近付けると嫌な笑いのまま口を開く。
「覚醒見せてやれ」
「………は?」
「だから。覚醒見せてやれって」
「……だから。何で…。そんなのアンタが見せれば良いッスよ…別に俺だけが出来るモンじゃ無いんスから…」
U・Jはサーガの言葉に深い溜息を吐いて
両手を広げて「やれやれ」という様な動き
を見せると突然、真顔になって言い放つ。
「……疲れるだろ、覚醒すると」
其の言葉に呆気に取られたサーガの表情に
段々と怒りが湧き上がって行くのが見えて
其処からサーガの肩がわなわなと震える。
「疲れるのは俺もッス!!自分がめんどくさいからってそういうの他人にやらせようとすんのが間違いなんッスよ…!!」
「まあ、怒るなよ。早目にハゲんぞ」
「…ぐっ…君達もコレと一緒に居るのは疲れるッスよね…」
呆れた表情で涙目になったサーガが指差した
目の前のコレと示されたU・Jを見てロード
達も全面的に同意の頷きを何度も繰り返す。
表現の為に繰り返すが本当にロード達は
何度も何度も頷いて同意を示していた。
70
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
Starlit 1996 - 生命の降る惑星 -
月夜野 すみれ
SF
『最後の審判』と呼ばれるものが起きて雨が降らなくなった世界。
緑地は海や川沿いだけになってしまい文明も崩壊した。
17歳の少年ケイは殺されそうになっている少女を助けた。
彼女の名前はティア。農業のアドバイザーをしているティアはウィリディスという組織から狙われているという。
ミールという組織から狙われているケイは友人のラウルと共にティアの護衛をすることになった。
『最後の審判』とは何か?
30年前、この惑星に何が起きたのだろうか?
雨が降らなくなった理由は?
タイトルは「生命(いのち)の降る惑星(ほし)」と読んで下さい。
カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる