RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第六編第一章 一輪の花を巡って

ポアラの災難

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森の街フォレストールを後にしたロード達は
シェリーを水の街アリアアクアの港町に居る
革命軍と合流させる為に山道をひたすら進み
先ずは麓の村へと足を向かわせて居た。

ロード達が進むのは水の街アリアアクアと
森の街フォレストールの二つの街の地域に
跨り聳えるパンテ・コネーロという山岳だ。

此の山を越えるだけならば向かう必要性は
無いのだがパンテ・コネーロの山頂には霧
の様な薄雲が掛かっており其の高さを山と
戯れる様な空から溢れる雲が示している。

ロード達は其のパンテ・コネーロの外周と
なるそこそこ補修されている山岳道路を多少
遠回りとは知りつつも歩を進めている。

流石に此の高さを越えようとは誰一人として
思う筈も無く、正直此の山岳の道ですら弱音
を吐きたくなる程の険しい道だと付け加えて
置く事にしておこう。

そして、間も無くパンテ・コネーロ山の麓に
在る長閑な雰囲気を醸し出す村落へとロード
達はやっとの思いで辿り着く事となる。

真っ先に膝に手を当てたのはレザノフ。

流石に五十代にはキツい道程だったろう。

だが、実は此の消耗には訳がある。



「…はぁ…はぁ…やはり。覚醒は身体に堪えますね…此の程度の山道で此の消耗とは…若さを失ったと実感してしまいますな…」



レザノフの一言にロード達は固まる。



「(ん…?いやいや…若くてもキツいだろ。こんなの…)」


「(覚醒とは其処迄、消耗するのだろうか?何にしても…そう言われてしまうと…ロードがまだ弱音を吐いていない間は、私も強がるしか無いという事か…)」



正直、肩で息をしていたロードとシャーレ
だったが目を合わせると何故か平静を保ち
始めるのだが、男のプライドと呼べば此の
感情は伝わるのだろうか?

多少、不安は残してしまう。

だが、問題点は其処では無かった。

ロード達の真後ろでポアラが崩れる様に地面
に両膝を付けると大きく肩を揺らしている。

やはり、女性には特にキツかったろうと心配
そうな目で見つめるロードとシャーレだった
がシェリーが一人、ポアラの異変に気付く。



「ポアラ…様…?汗の量が凄い事になってますよ…?」



シェリーに抱えられたポアラは顔を真っ赤に
して酷く汗を掻き意識が朦朧としている。

話す余裕は無く、ポアラは辛そうに息を吐く
事しか叶わない姿を見てロード達もポアラの
異常な状態に心配そうに駆け寄るとポアラの
左腕が異様に腫れている事に気付く。



「…おいッ…ポアラ、何だよ…この腫れは…」


「正常では無いな…。済みませんッ、何方か此の腫れについて知っている方は居られませんかッ!?」



シャーレは麓の村落の入り口で慌てた様子で
村人達の注目を集めようと珍しく大声を上げ
周りに助けを求め始めた。

シャーレの瞳も痛く疲弊した様な状態へと
変わって行く、其れは目の前で消耗して行く
ポアラを気遣っての物であった。
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