RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第九篇第三章 ポルナダベトルの戦い

ディルの任務

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何やら味方同士で揉めている死蜘蛛狂天の
三大幹部達を目の前にロード達も黙り込む。

そして、ソフィアから問い質され一度は口を
閉じていたディルに対しリゼアが別の角度の
質問を問い掛けた。



「ディルよ…貴公は別の任務で此のガルフ捕縛任務には不参加だと…聞いていたのである…何故此処に来たのだ…?」


「フフフ…私も…任務で、ですよ?リゼア…」


「なら話を戻そう…此の任務に落ちる金は絶大である…今や多勢に膨れ上がった死蜘蛛狂天の構成員達を食わして行くには必要な任務だった筈である…其れに対し、ソフィアから聞いた…何故前回も今回も此の様に邪魔をする様な真似をするのである…?」



リゼアは死蜘蛛狂天の仲間達ですら此処最近
のディルに感じていた違和感の全てを当人に
向けて包み隠さず問い質す。

すると、ディルはフードを外してほんの数歩
ロード逹側に緩りと歩いて口を開く。



「フフフ…其れは私に舞い込んで来た任務と…国家指名手配の者達の任務が…フフフ…何故だろうな。…被り続けるからに…他ならない…」


「其の任務とやらは某逹にも教えて貰おう…流石に霧に隠す事は此処迄来ては出来ないのである…ディル…!」



ディルは不敵な笑みを浮かべて何故か眼前の
ロードの姿に目を止めて口を開く。



「フフフ…良いでしょう…私が受けた任務とは……」



其の言葉にロード達も含めて耳を傾けていた
者達全員が驚嘆の表情を浮かべた。

ロードがディルに問い掛ける。

其の問い掛け方は不可解な形となった。

其の理由ははっきりとディルの声はロード達
にも死蜘蛛狂天にも届いていたからだ。

だが、其の言葉を信じられる者等、唯一人と
して此の場には居なかった。



「何を言ってんだ…オメェは…まいどまいど…ワケわかんねぇ事ばっかり言いやがって…」



平静を乱したロードは其の口調でディルに
言葉をぶつけるとディルは笑みを浮かべる。





「フフフ…聞こえなかったか?私の任務は…ロード・ヘヴンリー…お前の命を護る事だよ…」





其の事実を未だ呑み込めないのは勿論ロード
だけでは無くリゼアも正気ではいられない。



「何を言っているのである…あの男は護る?…ディル…貴公の目が届かない場所もあった筈である…!」


「フフフ…ピースハウスでのリゼア、貴方の襲撃の話かな…?」


「其れも一つである…!」


「フフフ…残念。私はあの場に居たよ…だがリゼア…貴方は負けた…相手があのレザノフなら致し方無い…」



ディルは続ける。

風の街ヴェントのロジャーズグリフの戦いの
後ウィルフィンの前で気絶したロードの安否
の確認にウィルフィンと接触した事。

砂の街のマムナック遺跡、水の街の闘技場に
時の街の断崖での戦いとディルはロード達の
背後に身を潜ませていたという事を。

更なる混沌がロード達を襲う。





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