RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十篇第五章 反乱と革命のフィナーレ

『The identity of the insider』

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その他の戦いを止めようと戦場を駆けていた
シャーレとポアラは急ぎ足を早めていた。

しかし、突如としてシャーレが足を止める。

不思議そうに其のシャーレに合わせて足を
止めたポアラはシャーレの視線の先に同じく
目を向けると緩りと口を開く。



「アレって…なんでココにっ…!?」



其の岩陰にて姿を隠す様に密談をしていた
男女を目撃したポアラは其の女性の姿を見て
驚愕した表情を浮かべていた。

金色の長髪を風に揺らして岩盤から背中を
離した其の女性はシャーレとポアラの姿を
確認して呆れた様に溜め息を吐いた。

シャーレとポアラは其の金髪の女性を知って
いた訳では無かったのだ。

しかし、真横に立つ純白の団服の男と金髪の
女性が共に居る事で推測を立てていた。



「ポアラ…解るな?あの女性の羽織…」


「小紫色…帝国軍だよねっ…」


「ああ、そしてつまり…横にいる革命軍の男が…」


「……ッ…内通者ッ…!」




シャーレとポアラの推測は小紫色の羽織を
纏う金髪の女性の次の言葉で真実であると
裏打ちされるかの様に現実味を帯びる。



「あの二人は…反乱軍でも革命軍でも無いわね…しかし、知られた以上は必ず口を塞いで置きなさい…いいわね?シルヴァ…!」



そう言い残し帝国軍の女性は踵を返して此の
場から静かに姿を消して行く。

そして、其の命令に頷いた男がシャーレと
ポアラの元へと歩み寄って来る。

独立師団革命軍シルヴァ・ホーリーセンス。

此の男こそ、昨今革命軍の悩みの種となって
いた内通者の正体であった。



「ポアラ…此の戦いは仕組まれている…反乱軍でも革命軍でも誰でもいい…早く此の事実を伝えてやってくれ…!でなければ本当に手遅れになる…!」


「わかったっ…!」



シャーレの頼みを聞き入れたポアラは此の場
から慌てて駆け出して行った。

そして、シャーレは眼前のシルヴァに向けて
睨みを効かせると青龍刀を引き抜く。



「何故…仲間すら売る様なこんな真似を…」


「交わす言葉は持ち合わせぬ…!」



其の言葉に怒り心頭のシャーレは青龍刀に
次縹色の流水のギフトを纏わせてシルヴァへ
向けて地面を蹴り上げた。



「流水覚醒…“ 雅清飛竜グレースワイバーン”…ッ!!」



覚醒を披露したシャーレは自身の腕を起点に
翻った青きマントを隠れ蓑に青龍刀の攻撃を
シルヴァに向けて放つ。

しかし、シルヴァは其の攻撃を難なく躱して
背後の岩盤の上へと降り立つと小刀型の業物
を腰から引き抜き応戦の体勢に入る。



「(間に合え…互いに疲弊しきった今を狙うのなら…内通者に導かれた帝国軍は一網打尽という最悪のパターンを考えてる筈だ…!)」



シャーレは眼前のシルヴァを捕らえて此の場
を収束を図ろうと考え青龍刀を振るう。

レアドキルナの戦いの最終盤に内通者が動き
帝国軍が介入を始めてしまった。

最悪の運命が両軍へ襲い掛かる。

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