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第十一篇第二章 標的包囲戦
後方迎撃戦
しおりを挟む「なんや…カッコ付けたろなんて思っとったんやけどなあ…ほとんど残るなんて聞いてへんで…!」
「フフフ…御見通しですよ、シグマ」
「そうそうっ。ロードとあんな会話始めた瞬間にこうなるコトぐらい予想できたんだからっ!」
「口調はアレだが…優しい人間だからな。シグマは」
「照れ臭いコト言わんといてや…調子狂うで…ホンマ…。せやけど…アイツをあんな状態で戦わせるのはイヤやったんや…どんだけ平静保とうとしようが内心グチャグチャやろ…今はな…」
シグマの言葉にシャーレ達は静かに頷く。
そうした会話をしている内に帝国軍の戦力達
が眼前へと迫って来ていた。
其の数は丁度四人。
見えた人影から予測を付けた完璧な人員配置
をシグマ達はやってのけたのだ。
言葉は交わす事すら無いのにだ。
此れは一重に仲間が苦しんでいる此の状況を
良しとしなかった信頼関係の賜物だろう。
「…ヒック…お目当ての人間は誰一人居ないねぇ…うぃ~…」
「戦力を削ぎつつ各個撃破…目の前に立ち塞がる者を仕留めるだけだ…」
「ノエルくん、こっわ~い。エルムちゃんはもーっと平和的に解決したいなあ~」
「そうは問屋が卸してくれぬのが此の状況であろう…拙者達は正義を貫くのみだ」
シグマ達の前に辿り着き足を止めて展開した
のは帝国軍の少将達であった。
オーズ・サーヴェント。
砂の街コルドデザートではランスを追う道中
で反乱軍幹部ガルダと激突し水の街での戦い
にも参戦した瓢箪を持つ酒呑みの少将。
ノエル・スティング。
氷の街ケベルアイスで登場した少将で初登場
では反乱軍参謀アドリーと激突した白髪の男
で揉み上げが長く伸びているのが特徴。
エルム・ミュリアル。
水の街アリアアクアの戦いでは革命軍ルナと
激突した緩い感じの茶髪の女性で帽子の形等
から魔法使いを思わせるのが特徴である。
ニッキー・ドーマン。
時の街ジュードオークスではウィルフィンを
追撃し激突した其の身一つで正義を体現する
帝国軍の少将。
「ヒック…ノエル少将の意見に賛同して…四対四なら…各個撃破と行きやしょうかねぇ~…うぃ~…ヒック…」
「はいはーいっ!そしたらエルムちゃんはやっぱりあの翠の髪の女の子と戦って来るねぇ~」
ノエルの意見を立てたオーズの提案を聞いて
真っ先に笑顔を見せながら元気良く手を上げ
つつ声を飛ばしたのは少将エルム。
「初めましてっ!お名前はっ?」
「…ポアラ…」
「ポアラちゃんかぁ。可愛い名前ねっ、アタシはエルム…エルムちゃんって読んでねっ」
「……戦う気あるのかなっ…?この人…」
「うーん…近い所でやるのはさぁ一周回ってみんなやりづらいし…あっち行こっ!」
走り出して茂みの奥へと行ってしまった少将
エルムの自由奔放さにペースを乱されている
ポアラは慌てて背後を追っ掛けて行く。
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