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第十二篇第三章 激震の大監獄
麗游リズvs鈴兎ルミナ
しおりを挟む虚しく響いたアドリーの涙の声は遠く届く事
も無く、彼女を慕う反乱軍幹部リズと大監獄
看守長ルミナの激突が幕を開ける。
小太刀を片手に紺青色の流水の渦を起こして
ルミナへと放つリズの攻撃を跳び回りながら
回避を続ける看守長ルミナ。
其れは耳に付けた兎の耳と相まってまるで
山中を縦横無尽に跳び回る兎の如し。
そして、笑みを浮かべながらリズの頭上へと
跳んだルミナは身体を縦に回転させると片足
を高々と上げて踵落としを放つ。
しかし、リズはルミナの踵の真下に流水の渦
を出現させ其れを盾にしようとしたがルミナ
の足に槿色(槿の花の様な紅桃色)のギフトの
オーラが纏われると流水の渦を圧縮したかの
様に消し飛ばしリズに踵落としをヒットさせ
後方宙返りで距離を取る。
「いったーっ……あれれ?なんでリズのグルグルが消えたの…?」
「その理由はチョー簡単だし…うちの大地のギフトの特性“重力”で圧縮して消しちゃったから~…アレぐらいでイケると思ってくれて…あざまる水産~…!」
「……宇宙人のピョンピョンとの会話は無理なんじゃないかな~?あきらめよっと」
「ピョンピョンとかかわたんでレベチな名前で呼んでくれるのマジで神なんだけどーっ!!」
「あちゃあ…頭のナカがわきまくってましゅねぇ…リズの言葉、わかりますかーっ?」
「いやいや、その言い方はオコだってばっ!」
ルミナがまた一気に低い姿勢で前に出る。
そして、リズの正面で身体を旋回させて脇腹
目掛けて思い切り回し蹴りを仕掛けた。
「(ピョンピョンって…武器使わないんだあ…とかおもってたけどさあ…あのブーツ…相当仕込まれてて重いし固い…アレを履いて動ける脚力もビックリだね…やっぱり宇宙人だね…うんっ)」
リズは足から紺青色の水を流して其の流水の
道の上を滑る様にして攻撃を回避する。
しかし、急ブレーキを掛けて攻撃をストップ
させたルミナは其の回避に反応してリズの背
を追い始めると加速し膝を突き出す。
「うっそ……」
「スキ見せてくれてぇ…マジであざまる水産~っ」
ルミナのジャンピングニーがリズの背中辺り
にモロにヒットするとリズが大階段横の壁へ
弾き飛ばされ其の身体が壁を崩す程の衝撃を
起こして激突する。
「うちさあ…いつもこんなんだから…勘違いされがちなんだけど…そんなに弱くないし…むしろそこそこヤレる方なんですけどっ?」
リズの言動から自身の事を舐めていると感じ
始めていたルミナはそう言葉にして崩れ落ち
土煙を起こしながらリズの姿を掻き消す場を
見下す様な目で眺めていた。
すると、煉瓦の土壁を退かしながら反乱軍の
リズが緩りと土煙の中から現れる。
「ピョンピョン…その言葉さ…今からそっくりそのまま返してあげるっ…!」
リズの身体に紺青色の流水のギフトが大きく
渦を巻いて激流のオーラへと変わる。
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