534 / 954
第十二篇第三章 激震の大監獄
馬猟ヒューズvs鋏裁ロア
しおりを挟む「ちゃんと追って来いよッ…ヒューズッ!」
「ギルドさん…ちゃんと目的の方向に居てくださいよねッ!?」
「当たり前だボケェ…!!」
ヒューズの足止めを受けたロアの真横を抜き
2ndフェーズへの大階段へと足を踏み入れた
ギルドを目で追うロア。
「チッ……一人は逃したか…!」
ロアはほんの少しの足止めを食ったが流水の
ギフトを解放し深藍色の流撃でヒューズの蔓
での封じ込みを破って見せると警棒の様にも
見える細長い棍棒を構えた。
「どうあっても……真っ向からやりたいワケだ……」
「今は…此れがベストかと…」
「俺に勝てると……そう言っている様に聞こえるが…儚い夢だと何度言えば解るんだ…ヒューズ…!」
「そういうのは…結果で語るべきだと思うから……目の前の事から逃げない…其れだけを大事にしますよ…!」
ヒューズの言葉にニヤリと笑みを浮かべ前方
へ体勢を低くして駆け出したロアは深藍色の
流水のギフトを纏いながら棍棒を振り上げて
ヒューズの頭上から攻め込む。
すると、ヒューズもまた松葉色のオーラを身
に纏い樹木のギフトのチカラを高めて其の手
に握られたジャベリン型の槍を突き出す。
両者の武器とギフトが混じり合い周囲の壁が
ミシミシと音を立てる程の衝撃波を発した。
空中で身を捻って棍棒での追加攻撃を狙った
ロアだったが此処で戦いに動きが起こる。
「……何だ…此れは……」
攻撃を放とうとしたロアは突然の視界の揺れ
と頭痛に苛まれ空中で体勢を崩す。
其処にヒューズの槍が松葉色のオーラを纏い
ロアの胸元に迫って行くと其の攻撃の衝撃を
食らったロアが背後の壁に背中から吹き飛び
激突を見せるかと思われた。
しかし、其の直前でロアの身体が深藍色の水
へと変化しビシャッと音を立てて水だけが壁
に飛び散って行く。
「……特性“泡沫”……やはり貴方は疑り深い方ですね…」
ヒューズは其の水分身であったロアを確認し
本体が何処から攻め込むのかと警戒しながら
周囲への確認を怠らなかった。
一方、本体はと言うと大階段前の広間手前の
通路の壁に背中を預け後方からヒューズの姿
を其の目で確認していた。
「(此のウザったい…頭痛は…特性“猛毒”だな……蔓で縛られた時に受けたモンか…気付くのが遅れたな……)」
ロアは波動を流し込み其の特性“猛毒”を体内
で掻き消すと静かに足を踏み出して広間へと
戻って行き、ヒューズの前に姿を見せる。
「まさか…不意打ちも仕掛けて来ないとは…いつからそんな、正々堂々みたいなタイプになったんです?」
「波動の流れで位置ぐらいは把握してたんだろ…?なら不意打ちを仕掛ける意味は無いだろうが…!」
「其れもそうでしたね」
猛毒の呪縛から解放された副署長ロアは此処
からと言わんばかりに改めて構えを取った。
60
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる