1 / 4
1章
エルフの民族大移動と赤煉瓦のカフェ
しおりを挟む12年前・・・
ぼくは異世界に来たわけではない。世界がファンタジー化したのだ。
エルフやらドワーフやらが、人間世界に突如やってきたら、そりゃー戦争になるよね。
文明の衝突って奴だ。
エルフやドワーフは、北極圏から南下を始めた。
ゲルマン人の大移動を越える規模だ。
そして魔法対科学の戦いが始まった。
世界は、そんな状況なのだが、ぼくはめっちゃ可愛いエルフに出会ってしまった。
最前線の街で。
☆彡
「この人間め!良くもわたしの裸を!」
その声でぼくは目覚めた。
そこには半裸のエルフが弓を引いていた。
エルフは躊躇することなく矢を放った。
それはまるで、かなり凶暴な目覚まし時計だ。
放たれた矢をぼくは素手で掴んでしまった。
ぼくにそう言った能力があったとは思えない。
それは1億年に1度起こるかも知れない、奇跡だったのかも知れない。
何故ならぼくは、世界がこんな状況にも関わらず、ゲームに熱中できるレベルのダメ人間なのだ。
そして矢を素手で捕まえる人間に、半裸のエルフは恐怖したと思う。
恐怖、そう吊り橋効果って奴?
ぼくらは恋に落ちた(自称)
現時点では、かなり危険な恋だ(自称)
「なんで半裸なの?」
今のこの空間では、きっと猛者のぼくは聞いた。
半裸のエルフは、微かに良い香りを漂わせていた。
「良い部屋だし、お風呂にでも入ろうかなって、そしたら貴殿が」
要するに定住先なのか?
主要幹線道路から外れたこの地域だし、地形的に重要ではないこの辺りは、戦場からかなり外れていた。
そして、ぼくが住んでる家は、元は赤煉瓦のカフェでかなりお洒落だ。
センスの良いエルフなら、気に入りそうな物件ではある。
なのに、その物件に猛者っぽい奴が住んでいる。
エルフは相当邪魔な生き物を見る目で、ぼくを見た。
あれ恋に落ちたはずでは。
さらにぼくの飼い猫の猫は、エルフにすりすりしていた。
エルフの良い香りが気に入ったのだろう。そんな顔だ。
お前!裏切るの早すぎないか?
「貴殿は戦わないの?人類の為に」
「人類の為に?」
「同族の為よ」
ぼくはため息をついて、
「残念ながら、もう人類は、ほとんど残っていないよ。
人類文明を引き継いだのは、アンドロイド。機械だよ。
政府と呼ばれている物も、ほぼアンドロイドが支配していると言っても良い」
「・・・」
エルフは哀しげな顔をしただけで、その件について何も言わなかった。
そしてテーブルに置いてある銀紙に包まれた物を見つけて、
「これは?」
「ビターチョコレート、人間の食べ物だよ」
「食べて良い?」
「ちょっと苦いよ」
「苦いね」
「うん」
この後、幾つかの人種がエルフと合流したらしい。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる