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1章 妖精のお姫様
第4話 かなり凹む。
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思惟が妖精に手を伸ばすと
「ちょっと!あなた!」
背中に殺気を感じた。
そうだった・・・今の状況・・・・
さっき刀を着きつけられたばっかりだったのに・・・
私・・馬鹿?
刀が風を斬って降り降ろされる気配がした。
私・・死ぬの?
と覚悟を決めた瞬間、目の前の可愛らしい妖精が
「会璃(あいり)止めて!そいつは王家の秘宝の一部よ!」
恐怖に怯えていた妖精は、一瞬で冷静さを取り戻し凛とした声で叫んだ。
首元に、冷たいものが当たったような、当たってないような・・・・
背後で刀を鞘に納める音がした。
ふう・・・
全身に嫌な汗がたらたらと流れた。
「ごめんなさい・・・あまりにも可愛かったから・・・」
その謝罪に気を良くした妖精は、体をくねくね揺らして
「まあいいわ・・・・で、あなたは何者?」
と。
ふう・・・
思惟は、深呼吸をして現状を正確に理解しようとした。
目の前に、3センチぐらいの可愛らしい妖精。
その妖精は、旅館に飾ってあった黄金の甲冑武者から出てきた。
そして背後では、刀を鞘に納めた美少女。
私が王家の秘宝の一部?
う~ん・・・解らん
とりあえず・・・うん、問われた質問に答えよう。
「えーと、私は思惟です。この部屋の住人です。」
自分の部屋で自己紹介するとは思わなかった。
「この部屋の住人?80の老婆には見えないけど・・・」
姫様の問いに、バスタオルを巻きなおしながら少女が答えた。
「化粧等で、若作りしているのでは?
地上の特殊メイク技術はほとんど妖術ですから」
とボケた?
いや本気かもしれない。
姫様は、じぃーーーーと思惟を透き通った純粋な目で見た。
「老婆ね、そう言われて見れば・・・・着物着て寝てたし」
ショックです。お兄ちゃん!
可愛らしい妖精の姫様に言われると、カナリ凹む。
お祖母ちゃん子だったせいで、
年よりくさいとこはあったけど・・・
漬物は好きだし、お団子は好きだし、歴女だし、
学校でのあだ名は、ばーやだし、
20歳くらいとは言われたことはあるけど、80って!
「私は16歳です、着物はこの旅館の制服だから着てただけです」
妖精の姫様と、旅館のバスタオルを巻いただけの少女は疑いの目をした。
「孫の思惟です」
「孫のC?」
「はい孫の思惟です。
おばあちゃんはこの前亡くなって・・・その後、私がこの部屋に」
黄金の甲冑武者の手のひらに乗った妖精の姫様は、
思惟の頬を指先で触った。
「・・・・・すべすべ・・・・うん、まあ認定」
姫様に認定を貰った。16歳だから当然だけど、やっぱ嬉しい。
「肌質に、会璃ほどの色気は無いけど・・」
姫様は備考欄的に付け加えた。
かなり凹む。
つづく
「ちょっと!あなた!」
背中に殺気を感じた。
そうだった・・・今の状況・・・・
さっき刀を着きつけられたばっかりだったのに・・・
私・・馬鹿?
刀が風を斬って降り降ろされる気配がした。
私・・死ぬの?
と覚悟を決めた瞬間、目の前の可愛らしい妖精が
「会璃(あいり)止めて!そいつは王家の秘宝の一部よ!」
恐怖に怯えていた妖精は、一瞬で冷静さを取り戻し凛とした声で叫んだ。
首元に、冷たいものが当たったような、当たってないような・・・・
背後で刀を鞘に納める音がした。
ふう・・・
全身に嫌な汗がたらたらと流れた。
「ごめんなさい・・・あまりにも可愛かったから・・・」
その謝罪に気を良くした妖精は、体をくねくね揺らして
「まあいいわ・・・・で、あなたは何者?」
と。
ふう・・・
思惟は、深呼吸をして現状を正確に理解しようとした。
目の前に、3センチぐらいの可愛らしい妖精。
その妖精は、旅館に飾ってあった黄金の甲冑武者から出てきた。
そして背後では、刀を鞘に納めた美少女。
私が王家の秘宝の一部?
う~ん・・・解らん
とりあえず・・・うん、問われた質問に答えよう。
「えーと、私は思惟です。この部屋の住人です。」
自分の部屋で自己紹介するとは思わなかった。
「この部屋の住人?80の老婆には見えないけど・・・」
姫様の問いに、バスタオルを巻きなおしながら少女が答えた。
「化粧等で、若作りしているのでは?
地上の特殊メイク技術はほとんど妖術ですから」
とボケた?
いや本気かもしれない。
姫様は、じぃーーーーと思惟を透き通った純粋な目で見た。
「老婆ね、そう言われて見れば・・・・着物着て寝てたし」
ショックです。お兄ちゃん!
可愛らしい妖精の姫様に言われると、カナリ凹む。
お祖母ちゃん子だったせいで、
年よりくさいとこはあったけど・・・
漬物は好きだし、お団子は好きだし、歴女だし、
学校でのあだ名は、ばーやだし、
20歳くらいとは言われたことはあるけど、80って!
「私は16歳です、着物はこの旅館の制服だから着てただけです」
妖精の姫様と、旅館のバスタオルを巻いただけの少女は疑いの目をした。
「孫の思惟です」
「孫のC?」
「はい孫の思惟です。
おばあちゃんはこの前亡くなって・・・その後、私がこの部屋に」
黄金の甲冑武者の手のひらに乗った妖精の姫様は、
思惟の頬を指先で触った。
「・・・・・すべすべ・・・・うん、まあ認定」
姫様に認定を貰った。16歳だから当然だけど、やっぱ嬉しい。
「肌質に、会璃ほどの色気は無いけど・・」
姫様は備考欄的に付け加えた。
かなり凹む。
つづく
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