18 / 263
1章 黄昏の始まり
18話 からくり人形たちが同調し合う(笑)
しおりを挟む「ソフィーの言った通りです」
コーリーは、面白い遊びを見つけた悪ガキの様に笑った。
ソフィーは、悪ガキを詰(なじ)る表情を浮かべた。
「あなた方は私に、何をさせようと言うのか?」
「神父・・・あなたの『我らの創造主の帰還だ』と言う叫びから、
全ては始まりました。」
「私の叫びから・・・。」
「今、詳しく話している暇はありません。既に発電所制圧の準備は整いました。
今は発電所制圧のご命令を・・・。」
「何を言ってるんだ。発電所を襲えば私だって君たちだって、
即記憶消滅は免れない。」
「今さら何を言ってるのです。
あなたは既に反乱罪の罪を着せられ、その上現在逃亡中の身。
そんなあなたを教会はもう守りきれない。」
「ならばなおさらの事、これ以上教会に迷惑はかけられない。
あなた方にも言っておく、これ以上罪を重ねるな。以上だ。」
神父は街の方角へ歩き出した。
街に戻っても、彼らの言う通り、希望など無いのも事実だ。
「行っちゃいますよ~」
お気に入りの銀髪をかき分けながら、
さほど興味が無さそうな顔の、銀髪野郎はぼやいた。
「はあ」
コーリーは、本当にため息を着きたかった訳ではない。
なんとなく雰囲気で、ため息を着いてみただけだ。
さらに、困った表情などを作ってみた。
もちろん、本当に困った訳ではない。雰囲気だ。
しかし、その表情は、ソフィーと銀髪野郎にも多少伝播した。
コーリーは、自身の思考回路の中で、
この状況を嘲笑った。
機械信号のやり取りに過ぎない。
機械の私が困った表情を作り、
それに合わせて機械たちが同調する。
からくり人形たちが同調し合う(笑)
こんな事・・・人類に似た生命体が来る前は、
考えたことはなかった。
いや・・・人からアンドロイドになった当初は、
思い悩んだこともあった。
しかし、周囲がすべて機械化してしまった後では、
自分がもう人間ではない事など、気に留める事はなくなった。
惑星から、人類だけではなく生命が完全に消えた世界。
それが異常ではなく日常になった時、機械たちはそれを受け入れ、
そして機械であっても生きている事にしあわせを感じた。
「博士!どういう事ですか?
私達はアレム神父の元に集まったんじゃなかったの?」
より人間味に満ちた表情のソフィーはあきれた。
多くのアンドロイドは、その時の流行に合わせて顔立ちを変えていく。
そして、徐々に人間らしさは消えていくのは、
仕方のない事なのかも知れない。
ソフィーは、人間時代の面影をより残しているのだろう。
人ではない仮の姿とは言え、その人間臭い優しい面影は、
機械たちの心を惹きつけた。
もちろん、
からくり人形に過ぎないコーリーの記憶回路も、
惹きつけられた。
機械信号のやり取りに過ぎないのに・・・
「日が昇れば発電所制圧は不可能になる。どうするんですか?」
「発電所制圧は予定通り行なってくれ」
「本気?私達はアレム神父を信じて集まったのよ。
あなたの指示では動かない。」
アンドロイドとして、不老不死な人生を何千年と生きて来たが、
コーリーに『人望』と言うものが備わる事は無かった。
それは十分解ってはいる。
しかし、人間らしさを失わないこの美しアンドロイドに拒否られると、
心の奥にある人間だった頃の記憶が、甚(いた)く悲しむ。
「時系列に何の意味がある?アレム神父は私が説得する。
言っておくがソフィー、あなたも私も、もう後戻りは出来ない」
つづく
毎週土曜日更新です♪。。。。。。。。ヽ(・ o ・)ノ ハッ!
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる