『数億光年離れた遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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5章 最近、強くなった太陽風のせいかも知れない。

6話 行動原理に何かが反していたのかも知れない。

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『サマルカンド・東地区』


鉱物資源企業団公社が訓練した民兵を含むデモ隊は、内務省の装甲車を爆破した。


これを機に、サマルカンド東地区全域で武装蜂起が起きた。



『サマルカンド・鉱物資源企業団公社ビル』



ハミルは、東地区で装甲車からあがる黒い煙を、ビル最上階の総裁室から眺めた。


そして、総裁室に連行されたアレム神父と公社総裁に向かって



「民衆とは愚かだとは思いませんか?


素人集団がどれだけ威勢を挙げようと、プロの集団である我々に、どれほどの打撃が与えられるかの計算すら出来ない。


見ていてください。鉱物資源企業団公社総裁。


公社が手塩をかけて育てた民兵組織の終焉を・・・。」


サマルカンド上空には、空軍基地から派遣された警戒機が、飛来していた。



・・のだが、木製のピノキオ姿の総裁は、「違うな」と小さく呟くと、その長い鼻が気に入らないのか、違う鼻に付け替え始めた。



ハミルとアレム神父は、「この状況で今することか?」と驚きの表情で総裁を見つめた。



「もしかするとこれが総裁の器の大きさなのか?」ハミルの思考回路にそんな文字が流れたが、それを確かめる術はなかった。






『サマルカンド郊外・地下鉄遺跡』



青い視野レンズの参謀は、



「我々アローン兵は反乱分子の鎮圧に当たる際、通じた者に危害を加えない様に、彼らの識別信号を記憶しておりました。その識別信号情報には首都近辺の民兵も多く含まれていました。サマルカンドの民兵の中にも、内務省に通じた者が多数いるはずです。もし、我らが民兵と合流した場合、ソフィー様自身が、内務省に通じた者に消される可能性が在ります。」


「まあ、ここにも内務省に通じてんじゃないかって奴が、2機ほどいるがね。」

デューカはとコーリーと銀次を見た。



「どうとでも思え。時代遅れのアンドロイドめ」

自称・最先端の銀次は言った。



「うん、お前には同情するよ」


「いやいやいや、同情する流れじゃないでしょう?!?

なぜ俺がアホノデューカに同情される?」


「うん、俺はもうアホで良いわ。アホノちゃんとでも呼びたまえ」


「アホノちゃん」



「・・・」



「それで、なぜまだ同情の目で見る、それじゃまるで俺がもっとアホみたいじゃないか!」



「・・・」




ソフィーは、他の3機に聞こえない様に、暗号直通回線で参謀に話しかけた。


その様子を、コーリーがチラッと見たが、ソフィーは気にせず回線を繋げた。



「・・・サマルカンドの民兵内に、内務省に通じた者が居る、と言う事は、私と一緒に発電所に居たアンドロイドの中にも居たと言う事?・・・・直通回線で答えて。」


「・・・はい。その者は、私自身、目視で確認しましたので、顔と所属と名前が解ります。」

参謀は、その者の識別信号と顔と所属と名前を示そうとした。


「待って!」

「?」

「見たくない・・・・。


その情報、今すぐあなたとアローン兵の記憶の中から消して。


その情報、私とデューカ以外消去されてしまったから以上、必要ないでしょう。」



「・・・」


参謀の思考回路は一時機能を止めた。


参謀の行動原理に何かが反していたのかも知れない。



「消して」


ソフィーが再び命じると、参謀は応じた。



「了解しました。」

その言葉の後、参謀は自ら記憶から、その情報を消去した。


「ちょっと待って、まさかデューカが通じているって事は・・・?」


「申し訳ありません。既にその情報は消去し終えました。」


ソフィーは銀次と言い合うデューカをふと見た。

そして親友を疑った自分を悔いた。




つづく


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