『数億光年離れた遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

文字の大きさ
136 / 263
7章 それぞれの思惑

15話 温かいお布団に潜って、話し合い。

しおりを挟む
『人類を乗せた宇宙船』


「宇宙って広い」

錬は宇宙船ブリッジで1人呟いた。
1人でいるには、ちょっと広すぎる空間だ。

沙羅と知佳は、お風呂に入っているか、もう眠ってしまったのかは解らない。

「僕はみんなを守るために、1人、ブリッジで監視活動を行っている」
そう思うと、責任感が湧いてくる。

その横で動きを止めたアローン兵が、立ち尽くしていた。

「どうするんだろう?こいつ。いや、僕たちこそどうするんよ!」

そのうち食料も燃料も尽きる。

「まあ、知佳が何か考えるだろう」




異空間移動以来、未だ冷凍睡眠ボックスで9人の子どもが眠っていた。

冷凍睡眠装置の側にあるダブルベットで、沙羅と知佳は温かいお布団の中に潜って、話し合っていた。
沙羅の香りがする布団の中はとても安心する。
その安心感が、本来は繊細な知佳の心を柔らかく包んでくれている。
それがとても大切な事は、知佳自身知っている。

繊細な自分が本当の自分なのか、気楽に踊っている自分が本当の自分なのかは解らないけど、気楽に踊っている自分は好きだ。

「冷凍中の子たち起こさなくて、大丈夫かな?」

心配する沙羅に、知佳は、

「食べ物も限られてるし、寝かしておいた方が良いんじゃない」

「そうね」

「後、錬ちゃんが、あのアンドロイドを粉々にしちゃった以上、あの星のアンドロイドたちは、もう私達を受け容れてはくれないと思う」

「シャーマンの言ってたサインの話はどう思う?」

「私たちを助けてくれるって組織?」

「そう」

「この動かないポンコツロボットが関係してるかも。
何かの理由が合って、今は動けないだけなのかも知れない。
でも、私はあんまりあの話は信じてない。
だって、ここは何光年も遠くの星な訳でしょう。
だからと言って、外宇宙には竜族がうようよしてるし、この宇宙船じゃ突破出来ないし」

知佳が話している間、沙羅はじっと知佳の目を見ていた。
年下のなのに、信頼されている感じに、知佳はいつも嬉しさがこみ上げる。



「接近者あり」を示すサイレンが、宇宙船内に鳴り響いた。

レーダーモニターを見ると、3個の光が前方から、急速に近づいてきていた。

沙羅と知佳はパジャマのまま、ブリッジに走った。

「アンドロイドの追手?」

錬はゲームをする時見せる微笑をもらしながら

「うん、でも大丈夫、3機なら、勝てる」




つづく



【人類たち】


沙羅(サラ)14歳

錬(レン) 13歳

知佳(チカ)12歳








しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

キメラスキルオンライン 【設定集】

百々 五十六
SF
キメラスキルオンラインの設定や、構想などを保存しておくための設定集。 設定を考えたなら、それを保存しておく必要がある。 ここはそういう場だ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...